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リコールされました!~after⑥~

「この方が聖夜の恋人!?」

「きゃー。かっこいいわね。聖夜のいう王様? 凄くかっこいい美形だわ。美形×美形っていいわよね。それにしても聖夜の言う姫様――雪君?」

 家に王様と姫様のことを連れて帰ると、母さんも父さんもそれはもうキラキラした目で王様と姫様を見ていた。

 二人とも男同士の恋愛大好きだし、こうして俺が恋人や友人を連れてきたことに対して面白くて仕方ないのだろう。二人とも凄い美形だし。うんうん、王様も姫様もびっくりするぐらい顔整っているから。

「帝君ってびっくりするぐらいの美形ねぇ。整った顔をしすぎじゃない? やばいわ。こういう美形が聖夜のことを好きなんてびっくりだわ。でも聖夜はとても可愛くてかっこいい子だものね。私の自慢の息子だもの」

「聖夜は超かわいいものね。素直だし、まっすぐだし、凄い可愛いもの。これだけ可愛くてかっこいいものね」

 にこにこと笑って、母さんと姉さんは俺の頭を撫でる。……撫でられるのは嬉しいけれど、王様と姫様の前でだらしない顔をしてしまったと少しだけ恥ずかしくなった。まぁ、でも王様も姫様も俺にとって身内のようなものだからこそ、別にいいかと思ってからは母さんと姉さんにされるがままになった。

「聖夜は可愛いでしょ?」

「そうだな」

「まぁ、ヒジリは素直だからな」

 王様も素直だよなぁ。俺は男だから可愛い可愛い言われると少し微妙な気持ちもするけれど、それでも大好きな人たちに褒められていると思うと嬉しいと言えば嬉しい。

 母さんも姉さんも、王様も姫様も、皆俺の大事な大好きな人たち。大好きな人たちに囲まれているって幸せなことだよなと改めて思う。

 思わず笑みを溢してしまう。

「聖夜、どうしたの?」

「大好きな四人に囲まれているの凄く幸せなことだよなーって思っただけ」

「ふふ、可愛いわね、私の弟は!!」

 姉さんに勢いよく抱き着かれた。俺がスキンシップ激しいのって母さんと姉さんの影響あるよなーって思う。

 家族とスキンシップ激しいから恋人とか友人ともスキンシップ激しくなっているんだろうから。

 五人で仲良く会話を交わせることが嬉しかった。この楽しい時間を共に過ごせることも幸せだと思った。そんな気持ちで俺はいっぱいだった。

 母さんと姉さんが作ってくれていた料理を皆で食べる。母さんと姉さんが作ってくれた料理は俺にとって家庭の味と言えるもので、久しぶりに食べることが出来て本当に嬉しかった。

「美味しい。母さん、姉さん美味しいよ」

「良かった。がんばって作った甲斐があったわ。そうだ。帝君、雪君、聖夜は学園ではどう? 聖夜からも聞いているけど他の人からも聞いてみたいの」

 母さんが王様と姫様にそう問いかける。母さんが優しい顔をしていて俺は自分のことが話されるのはちょっと恥ずかしい気持ちはあったが、そんな表情をしている母さんを見ると俺も笑みを溢してしまう。

 俺の母さんはとてもやさしくて、自慢の母さんだ。自慢の母さんと王様が話しているってなんかいいなー。

「そうですね。ヒジリはとても人気者です。Fクラスに落ちてもいつでも明るくて、俺もヒジリが来てくれたからこそ楽しいです」

「ふふふ、そうなのね。雪君はどう?」

「……お、俺ですか。えっと、お、俺も……ヒジリがいて、嬉しいです」

「姫様、俺も姫様と一緒で嬉しいよ!!」

 姫様が素直に口にしてくれたので嬉しくなって、にこにこ笑ってしまった。そうすれば姫様が「ふ、ふん」と言いながらそっぽを向いた。

 本当に姫様は可愛いなぁと皆でにこにこしてしまう。姫様は恥ずかしそうな顔をしていた。うんうん、姫様の可愛さを皆に伝えることが良いことだと思う。

「ヒジリは――」

 そう言って王様が俺のことを沢山話している。普段寡黙な王様がちゃんと俺の家族とは話してくれて、俺のことを沢山話しているって思うと温かいものがあふれてくる感覚。俺は王様のことが好きだし、好きな人が俺のことを好きでいてくれているのが嬉しい。

 そんな思いで俺も、王様のことを母さんと姉さんに沢山語った。

「王様は―」

 と沢山語ったら、母さんと姉さんは「仲良しね」と嬉しそうに笑ってくれた。

 姫様は「相変わらず羞恥心があまりないよな。二人とも聞いてるこっちが恥ずかしい」と言いながら話を聞いてくれていた。俺と王様は姫様のよさも本人の前で語った。顔を真っ赤にしていた姫様が可愛かった。



 その日は夜遅くまで会話をして、俺の実家に王様と姫様も泊まることになった。

 三人でお泊りをして、わちゃわちゃするのは本当に楽しかった。

 母さんと姉さんには「二人で泊まればいいのにー」と言われた。何か恋人らしいことが起こることを期待していたみたいだけど、今回は姫様もいるし。というか、うん、まだはやいと思う。

 そんなわけで母さんたちが望むことは起こらないまま一日過ぎて、俺たちは寮に帰るのだった。

 本当に楽しかった。



 end



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