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リコールされました!~after⑤~

「王様王様、母さんと姉さんが王様に会いたいって」

「俺に?」

「そう。俺の母さんと姉さんって俺の事大好きなんだよ。だから俺が恋人作ったって聞いて興味津々なんだよ。それに母さんも姉さんも男同士の恋愛好きだしな」

 俺は王様に向かって笑いかける。

 王様と恋人関係なんてものになって早一週間。相変わらず風紀の連中とかはやってきてるけど、全て追い返してくれている。

 王様と恋人関係になったとか知られたらめんどくさそうっていうことになって、特にそういうことは風紀とかの連中には言っていない。大体、俺の体目当てがどうのこうの~って言ってたし。そういうのって正直うわぁって思う。

 いや、まぁさ、王様とかにそういうの想像されるのは別にま、いっかってなるけど。現風紀委員長がそういう妄想しているって思うとうわぁって。あと他の連中が俺に息を荒くしていると思うとうわぁって。そう考えるとやっぱり俺、王様のこと大好きなんだなーって思った。

 俺は母さんや姉さんには何でも報告するようにしているし、王様のことは大好きだし、もちろん報告した。二人とも俺がびっくりするぐらい大興奮で、早口過ぎて何を言っているのかさっぱり分からなかった。まぁ、大好きな母さんと姉さんが楽しそうだったのは嬉しかった。

「そうか。そうだな。恋人になったなら挨拶に行くのも良いだろう。これからも長い付き合いになるだろうし」

「だよなー。俺、今の所、王様と恋人やってて嫌な所ないし。寧ろ王様かっけーなってしか思わないし。今の所なんの不満もないしさ。不満があって友達に戻ったとしても、俺はずーっと王様と仲よくしていきたいし」

「ああ。友達に戻ってもずっと仲良しが良い」

「うんうん。だよな。王様は俺の事大好きだし、俺も王様の事大好きだしな」

 男と付き合うのとか初めてだったけれど、案外、楽しく付き合っている。膝枕してみたりとか、べったりくっついてみたりとか、こうして吐息を感じられるぐらい近くにいるのは、何だか安心したものだ。

 キスとかはまだしてない。

 というか、一週間でキスははやいんじゃないかと思っているので、そのうち俺からちゅーしてみようかなって思っている。うん。王様とキスする事に関しては一切躊躇いはないってか、嫌な気分はしないし。というか、ちゅーって気持ち良いものなのかな? 母さんや姉さんの持ってる同人誌とか見ると凄い気持ちよさそうな顔を男同士でもしてたりするけど。とか、ちょっと好奇心が刺激されてる。

 ちなみに今は、べたーってくっついてる。王様にくっついて会話交わすのなんか心地よい。屋上でのんびりくっつくと気持ちが良い。

 そうしていたら、屋上の扉が開いた。

「帝、ヒジリ、いるかって。またくっついてるのか」

「あ、姫様、来たんだ」

 姫様は朝からいなかったので、俺と王様だけでのんびりしていたのだ。お昼からやってくるとは、眠そうなのを見るに、昼近くまで寝てたのかな?

「姫様、姫様も俺の家来る?」

「は? なんだ、いきなり」

「母さんと姉さんが俺と恋人になった王様に会いたいって言ってるんだよ。だから一緒に会いに行こうって話しててさ、姫様も来ない?」

「……恋人紹介しに行くんだろ? それに俺もついていっていいのか?」

「問題ないよ。だって姫様のこと、俺大好きだし。大好きな親友を母さんと姉さんにも見せたいもん」

「……そこまで言うなら行ってやらないこともない」

「やった、姫様、じゃあ、行こう!! いつなら王様と姫様あいてるの?」

 王様と姫様連れて、母さんと姉さんの所へ行けるって嬉しい。四人とも大好きだから、大好きな四人と過ごせるってだけでも俺にとっては幸せなことだし。楽しい予定がこうやって増えていくの本当に嬉しいと思う。

「俺はいつでもいい。なんだったら平日でも構わない。どうせ、さぼる事も多いしな」

「だよな。俺もそれでいい。ヒジリのお母さんとお姉さんの都合が良い日でいいぞ」

「んー、じゃあ母さんと姉さんに聞く」

 母さんと姉さんも社会人として働いているからな。ちゃんと二人に聞かないと。とりあえず連絡だけ入れといた。

「王様さー」

「なんだ」

「俺の母さんと姉さんに会うの緊張したりする?」

「いや、とくには。ちゃんと挨拶しようとは思うが」

「はは、そっか。俺も王様の家族にも会いたいなー。でも俺で認めてもらえるかな?」

「問題ない。俺が恋人に選んだ奴に文句を言う家族じゃないし」

「おー、王様かっこいい!」

 うんうん、俺の王様かっこいいなー。っていうか、俺の王様って響き凄いいいよね。俺のって言えるのって恋人の特権だろうし。そういうの実感すると、王様の恋人になってよかったなーって思わず笑ってしまう。

 笑みを溢せば王様が頭を撫でてくれて、何だか幸せな気持ちになった。

「帝もヒジリもナチュラルにいちゃつくよなー……」

 姫様が呆れた声をあげているけど、俺と王様はくっついたまま過ごすのだった。




 母さんと姉さんに会いに行くの楽しみだな。



 end

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