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リコールされました!~after③~

「ヒジリ、あいつらヒジリの新たな一面がとかきゃーきゃーなってるらしいが」

「あほらしいよなー。俺のこと幻滅したとか言い張ってたくせにさー。つか、あの馬鹿共がさぼっているからって俺に尻拭いさせようとしているなんて馬鹿だよなー」

 まったく、と俺は呆れてならない。というかさ、俺に勝手に期待して、勝手に幻滅して、それでいてあの馬鹿共のボロが出てきたからと俺に戻ってきてほしいとか都合の良い頭しすぎだろうとしか思えない。

 というかさ、俺の新たな一面とか、本当に馬鹿すぎる。新たな一面も何も元から俺はこんな性格であるし、寧ろお前らの見ていた久我聖夜っていう副会長像が何もかもな間違いでしかないというのに。

「ヒジリは戻る気はないんだよな?」

「ああ、もちろん。こっちの方が楽しいし。俺、王様と姫様と一緒に学園生活遅れて超楽しいんだぜ」

「ああ。俺もヒジリがいて楽しい」

 王様、本当素直でいいよなー。王様の言葉ってまっすぐで、基本的に嘘もない。一見すると王様って素直じゃないように見えるらしいけど、凄い素直なんだ。で、姫様はツンデレ? というか、ちょっと素直じゃない部分がある。

「姫様も俺がいて楽しい?」

「……楽しくないわけじゃない」

「はは、素直じゃないなぁ。王様も姫様いる方が楽しいでしょ?」

「ああ。雪がいる方が楽しい」

「だよな。俺も姫様いて超楽しいもん」

 二人してそういってたら姫様、そっぽを向く。でもその口元が緩んでいるのがわかる。姫様、可愛い。姫様、見た目も良いし、可愛いから人気なんだよな。本人同性愛に興味ないらしいけど、この男子校の中でも中々人気だ。姫様は可愛い女の子の恋人が欲しいっていってた。今度姉さんの事でも紹介してみようかな。姉さん、俺より年上だけど見た目に関しては凄い可愛いんだよ。中身は腐女子で凄い妄想しているけれど。というか、俺的に姫様が義理の兄とかになるのは楽しそうだなと勝手に思っているからどうなるか分からないけどセッティングしてみようかなとは思っている。

 そんな風に楽しく会話していたらまたあの気色悪いこといっていた現風紀委員長がやってきたらしい。

 ”久我聖夜を出せ”と煩いらしく、此処に通してもらった。俺と王様と姫様は仲良く会話をしていたのだが、その様子を初めて見ただろうその風紀委員長は目を見開いていた。その後ろには俺の元親衛隊隊長がいる。

 最後に会った時に言った言葉が、「見損ないました。聖夜様……」だったのはよく覚えている。その言葉を聞いて俺は何の反応もしめさ無かったが、心の中では爆笑していた。何が見損ないましただよと、そもそも俺のこと対して理解せずに好き勝手いっているなと俺は思っていたわけである。

「聖夜様!!」

 その元親衛隊隊長は俺の姿を見るなり俺に駆け寄ってきて、俺に抱きとめて欲しいのか突進してきたが、俺はよけた。だって対して好きでもないやつに抱きつかれるとか死んでも嫌じゃんか。

「聖夜様っ……怒っていらっしゃるのですね。僕が貴方のことを信じ切れなかったばかりにっ。聖夜様、本当に申し訳ないことをしてしまいました。他の生徒会の方々の言葉を信じ切ってしまったばかりにFクラスに落とすことになってしまって!! これから貴方様のことだけを信じて、支えていくのでどうかまたこちらで頑張ってほしいのです!!」

 なんだか、見当違いな事をいっていた。というか、正直この親衛隊隊長の事とか、俺どうでもいい。思い出しもしないレベルでどうでもいい。Fクラスに落ちたかったのは王様と姫様がいるからであって、俺の本意なのに、それをどうこういわれてもイラッとくる。

「聖夜様、僕は――」

「えーと、正直お前のこととか俺どうでもいいんだよね」

「え」

「信じ切れなかったとかどうでもいい。勝手に信じて勝手に信じられないとかいって馬鹿みたいなやつらだなとしか思わないし。つか、俺ここでの生活楽しいから向こう戻る気ないし。王様と姫様とのんびり過ごす予定だし」

「どうでも、いいって……」

「本当どうでもいい。向こうの方では俺にとってどうでもいいものしかなかったけど、Fクラスは楽しいからここで卒業する。向こうがどうなろうと俺には関係ないし、あいつらが好き勝手してるのどうにかしたいなら勝手にやればいいだろ」

 俺はそう言い切る。副会長という立場をやめた俺にとって向こうは関係がない。向こうが大変なのをどうにかしたいというのならば、そのどうにかしたいと考えている奴らがやればいい。俺にとって向こうは関係がないのだから。

「関係がないというのは、元副会長として無責任なのではないか」

「無責任? どこが? そもそも今の現状をどうにかしたいのはお前らであって俺ではないだろ?」

 俺、風紀委員長の言葉に少し苛々してきていたら、その心を悟ったのか王様がぽんぽんと俺の頭に手をやる。落ち着けという言葉を込めているのだろう。

「Fクラスはそちらとは関係がない。勝手にやればいい。ヒジリが嫌がっているのに強要するのならばFクラス全体が敵に回るのは覚悟しろ」

「そうそう、ヒジリの事気に入っている奴はいっぱいいるから。全員が敵に回るのを覚悟しろ」

 王様と姫様がそういえば、彼らは青ざめて帰っていった。そして話が通じないのもあってこれから俺たちの元まで彼らを通さないことが決まったそうだ。納得してくれないかなときちんと会ってみたのだが、全然納得してくれなかったからちょっとうんざりした。




 end





その後の諦めの悪い連中と聖夜たち。

この間でも王道君たちは好き勝手している。風紀委員長たちは聖夜にどうこう言う前に自分たちで解決すべき。



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