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王者様の唯一の男

第三者視点

 「由井は私のです」

 「「えー。僕らのだよっ」」

 「…おれ、の」

 「由井ちゃんかわいいー」

 「お前ら、生徒会が由井に近づくなっ」

 「か、可愛いって。つか俺は誰のものでもないっていってるだろ!!」

 食堂で交わされるそんな会話。激しい茶番劇。生徒会や不良などの美形が王道君を口説いている。

 ――王道だよね。まさしく。

 あ、でも生徒会長だけ居ないけど。

 普通王道なら生徒会長様も王道君に落ちるはずなんだけど、此処の会長様は落ちないからな。

 とか思ってる俺は最近友人に腐った世界に染められた一般生徒の一人です。

 それにしても本当に居るんだね、王道って。

 あんな毬藻みたいな子の何処がいいのか全くわかんないけどね。

 人気者の美形集団は王道に落ちてるみたいなんだよね。

 副会長、双子書記、会計二人+クラスの人気者のさわやか君と一匹狼君。

 あと此処には居ないけど、風紀委員も落ちただとかで、友人の風紀が委員長が仕事しなくて困るって泣いてたからなぁ…。

 俺は傍観者だからいいけど、あいつの被害受けてる奴は本当、大変だよな。

 「なぁなぁ、幸臣は?」

 そういったのは、王道君。

ち なみに幸臣ってのは会長だ。

 他の生徒会が仕事しないからってもくもくと仕事してるってパターンだって俺は知ってるけどね。

 だけどまぁ、副会長達が『会長はセフレと遊んでて生徒会室にいる』と噂流してるけど、絶対違うよな、それ。

 でも、この学園の奴らって盲目的すぎるから、信じてるらしいけど。

 会長の親衛隊も幻滅して解散直前だとか?

 本当大変だよね、会長様も。

 会長をリコールして、Fクラスに落とさせようって動きがあるらしいよ?

 で、王道君を生徒会長にするんだって。

 会長様って、『王者』って感じで、誰にでも慕われていて、凛とした感じで、ネコの子のあこがれの的なんだよね。

 そんな会長様が一言でも嘘だって言えば、きっと噂なんてすぐなくなるんだけど。

 会長様はそれをしないから、周りは真実だって思ってるみたい。

 副会長達は会長が忙しくてそんな風に出来ないと思ってるらしいけど、それ違うのになぁ…。

 え、何でそんな事知ってるかって?

 俺会長様とは仲良くないけど、会長様の幼なじみとは仲良くしてるから。

 会長様、会長って役職が心底面倒らしいんだよね。

 同じ役員たちはバカだし、親衛隊うざいしって嘆いてたらしいってその幼なじみがいってたんだよね。

 そんなこと知らず生徒会と王道君は騒いでいるわけだけど。

 「幸臣ならセフレと遊んでるんですよ、きっと」

 「「そうだよー」」

 「なっ、セ、セフレなんて駄目なんだぞっ。俺が、俺がやめさせなきゃ」

 寧ろ、会長様って生徒会やめたがってるからなぁ。

 だから丁度良いかなって思って、何もいわないらしい。

 ――ちなみに俺がその会長様の幼なじみに王道がどうのこうの語ったら、それいい! って計画たてたらしいよ?

 うん、まぁ確かに王道展開なってるもんね。

 ちなみに会長様の幼なじみはFクラス。

 Fクラスは隔離されてて会長様のSクラスとかなり離れてるし、食堂も違うからなぁ。

 まぁ、要するにいっちゃえば、会長様と会長様の幼なじみはリコールしてもらってFクラスでのんびりと過ごす予定らしいよ?

 副会長達も他の一般生徒達もバカだよね。

 会長様が、セフレと遊びまくって仕事放棄とかするわけないってわかんなかったのかね。副会長達は副会長達で、自分たちの策に会長ははまってると思いこんでるし。

 ――つか、会長様が生徒会長やめて困るの副会長達だよね。

 副会長達リコールがどうのこうの、王道君がどうのこうの騒いでるけど。

 ――もうすぐ、OB+理事会の監査あるんだよねー。

 実は俺も会長様の幼なじみに聞いて知ったんだけど、学園の生徒会や風紀がちゃんとやってるかっていう監査がたまにあってるらしいよ? おバカな副会長たちは知らないみたいだけど。

 「幸臣に俺は会いにいくっ」

 王道君…、君は大人しく総受けなってればいいんだよ!

 てか、王道君って会長様にラブなのかね? やたらと気にしてるけど。

 ふふ、でも残念でしたっ。としか言えないよね。

 会長様と会長様の幼なじみって付き合ってるもんね!

 ふふ、これは俺(Dクラス所属)とFクラスの奴しか知らないからね。

 監査なんてあったら多分副会長達も、風紀もリコールだろうなぁ。まぁ、リコールされてもきっと萌えが見れるだろうから、全てよしっだけど。

 つか、副会長達早く会長様リコールしないかね?

 例の会長様の幼なじみ―――冬季がすっごく、楽しみにしてて待ち遠しいらしく、はやくはやくって騒いでるから。

 ――中学時代にヤンチャしすぎて、入学早々Fクラスいれられたんだって。

 ちなみに冬季も会長様も二年生。

 二年間も冬季は会長様と一緒にいれないの嫌なんだって。なんか、溺愛してるから。

 で、丁度王道君がきたからって企んでるらしいから。

 ――…ちなみに会長様、ネコなんだって。




 *



 それから、二週間後。

 ついに、ついに――っ。

 会長様のリコールのお時間がやってきましたっ!!

 ちなみに、リコールの場にも、Fクラスは来れないという。

 本当、Fクラスって危険な奴多いからね。冬季も怒ったら怖いし。つか、俺も中学時代隠れてヤンチャしてたから手がすぐ出る自覚あるけど。

  「なぁ、幸臣っ。謝れば許してやるからっ」

 …リコールの場でそういう、王道君。

 うん、王道君黙ろう。王道君→会長って何かいいけど、冬季怖いから。

 会長様がリコールされてクラス落ちしなきゃ、冬季怖いから。

 冬季は怒ると手がつけられないからなぁ。

 「………」

 会長様は無言。

 会長様もはやくリコールされたいんだろうなぁ。てか、会長様相変わらず男前。

 なんか色気あるよね、しかも。

 見て絶対タチにしか見えないのに、冬季は会長様を抱いているんだそうで。凄い萌える。

 「セフレとかつくって、仕事もしなかったなら、謝れよ。そしたら、クラス落ちも――」

 「………」

 何も答えない会長様。

 ニヤニヤ笑う副会長達。

 はやく、リコールしてやってください。冬季が待ち焦がれてるから!

 ちなみに王道君は会長様に惚れてるっぽいけど、副会長達に色々言われて信じ込んでるんだって。

 話し聞かない王道とか、俺きらーい。

 ウザイ方の王道君じゃなければもっと安心して萌えが見れたんだけどな。

 「ふふ、いいわけもないのですか。

 じゃあ、北峰幸臣はこれをもって、リコールですっ。そして、Fクラス落ちです」

 ――自分によってんのか、周り見てないのかしんないけど、会長様嬉しそうな顔してるぞ。

 うん、俺は見た。

 一瞬嬉しそうに眼が輝いたのを。

 きっと、冬季と同じクラスだから嬉しいんだろう。

 うん、今度冬季と会長様の絡み見せてもらおう。





 ―――そうして、会長様がクラス落ちし、リコールされた。

 ――その二週間後、予想通り副会長達と風紀委員長達が役職を失うのはまた別の話。



end



オマケ


―幸臣side―



 リコールされたその足で、俺はさっさとFクラスへと向かう。

 もう既に荷物とか、冬季の部屋に移した後だ。

 副会長達は俺がリコールされていい気味とでも思っていたようだが、これで冬季と同じクラスで、同じ場所にいれるのだ。

 ――あのうざったい転入生にもそこだけは感謝しようと思う。

 2-Fに到着し、ガラッと扉を開ける。

 ――そこには、偉そうに椅子に腰かける平凡顔のそいつ――冬季と、2-Fの面々が居た。

 「あ、ゆき」

 冬季は俺に気付くと、すぐに俺に近づいてきて、抱きついてくる。

 「冬季」

 「リコールちゃんと完了した? てか、これでゆき俺のクラスだよな。もう、ゆきが俺のクラスに居るとか、最高」

 「俺も、冬季と同じクラスで、しかも面倒な会長職降りれて、すげぇ、嬉しい」

 冬季を抱きしめ返す。俺だって嬉しい。冬季と同じクラスなのが。

 「冬季さん抱きしめるとか、すげぇ、会長」

 「あ、でも下なの、会長だろ?」

 「あー、冬季さんが下はありえねぇ」

 ――冬季は一般校舎には知られちゃいないけど、Fクラスを牛耳ってる。 

 影の支配者っぽい。

 俺は喧嘩少ししかできないけど、冬季は滅茶苦茶強いし、本当、かっこいいと思う。

 「ふふ、これからは寮でもクラスでも、ぜーんぶ一緒だよ」

 「ああ」

 「本当、あの転入生には感謝しなきゃ。Fクラスまでのクラス落ちってなかなかないもんね」

 確かに、Fクラスまでクラス落ちってそうはない。

 でも、あいつのおかげでクラス落ちできたのだ。

 冬季と、同じクラスになれたのだ。本当にうれしい。

 「とりあえず、ゆきの歓迎会するぞ、お前ら。

 1年も3年も呼んでこい! ぱーって騒ぐぞ」

 そうして、その日は歓迎パーティーで、Fクラス専用の食堂で騒ぐのであった。

 とりあえず、本当冬季と同じクラスとか、嬉しくてたまらない。



―幸臣sideend―


―冬季side―



 「ゆき」

 歓迎会も終わって、今俺とゆきは寮室にきている。

 ああ、マジ、最高。

 ゆきが俺の部屋に居るって!!

 中学時代にちょーっと暴れてヤクザとかと仲良くなってたからさ、そのせいでFクラスいれられて、ゆきはSクラスで、本当嫌だったんだよな。

 俺のゆきなのに、親衛隊とか出来て、親衛隊がゆきに告白とかしてたらしいし? 俺のゆきにちょっかい出さないでほしいし、マジ。

 「何、冬季」

 そういって、振り向いたゆきに、俺はキスをした。

 「……んっ、ぁ」

 舌を絡めて深いキスをすれば、ゆきの呼吸が乱れる。

 あー、かわいーっ。

 もう、ゆきはこんなに可愛いのに向こうの奴らゆきをタチとしか見てなかったらしいよ?

 まぁ、俺のゆきを邪な目で見てる奴いたらぶちのめすけど。

 「とぅ…ぁき」

 キスの合間に俺を呼ぶ、ゆき。

 あーもう本当ゆき可愛い。鳴かせたらもっと可愛いんだよね、ゆきって。

 「ゆき、だーいすき」

 唇を離してそういえば、少し顔を赤くして、ゆきは、

 「俺…も」

 って、言った。

 …本当可愛いよ。幾ら大好きっていっても顔赤くしてなれないあたり本当可愛い。

 え、その後? もちろん、ゆきを抱きました。

 あー、本当生徒会の無能どもとバカな転入生に感謝しなきゃ。

 ゆきがリコールされて此処に居て、同じクラスとか最高すぎる!



―end―



名前無き一般生徒Dクラス所属

そこそこの中小企業の息子。

ちなみに中学時代に冬季と一緒に暴れてた人。

最近BLに目覚める。

こそこそ暴れてたからばれずにFクラスではない。



幸臣

王者って感じのかっこいい人。

でも、ネコ。

基本的に何でもできる美形。



冬季

昔警察沙汰の問題とかおこしてたから入学してFクラス直行だった人。

結構容赦なし。

幸臣の事溺愛してる、幸臣の幼なじみ。



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