GAME.1
「ふんふんふ~ん」
俺はその日、夜の街を鼻歌を歌いながら歩いていた。
夜の街で俺は情報屋なんて事をして遊んでいる。情報を武器に、渡り歩く存在とかかっこいいと思ったが故にこんなことをしているのだ。
俺は楽しい事が好きだ。面白い事も好きだ。わくわくするような事をずっと経験し続けたい。ずっと、ずっと楽しいを感じて過ごしていたい。
いつもそんなことばかり考えている俺は情報屋としてそれなりに派手に動いている。『月華』なんていう通り名までつけられていたりする。
それにしてもなんで不良って通り名好きなんだろうなー? 皆厨二病なの? 面白いからいいけどさー。少なくとも俺は自分から通り名を名乗るとかはやれないかな、ちょっとはずかしいし。まぁ、俺もそれなりに有名になってきているから名乗らなくても俺が『月華』だってのは通じるけどね?
楽しい事が本当に心の底から好きで、楽しい事をずっと感じていたくて。
そんな風に好き勝手やっていたら、何だか不良に俺求愛されちゃったんだよね。正直異性との体の付き合いはそれなりにあったけど、男とは考えた事はなかった。その不良って、喧嘩最強とか言われている『紅龍』っていう存在で、まぁ、イケメンだったよ。俺を大好きで大好きでたまらないってまっすぐに言ってくるのは面白かったんだよね。
それでなんか『紅龍』以外にも求愛されたりしだしてさ、ちょっとゲームをやることにしたんだ。
求愛された頃にさ、彼らについて調べたら奴ら全寮制男子校に通っていて(そのくせ学校からわざわざ街に出てきてたらしい)、そこは驚くことに同性愛者が溢れているらしいんだよね。びっくりだよね。
そんな学園にこっそり入学してさ、俺を見つけられるかのゲームをしようかなと。
『俺を見つけられたら、考えてやってもいい』って、そんなゲームをする事にしたんだ。
あくまで考えてやってもいい、だよ。いや、ぶっちゃけさ、『紅龍』に関しては付き合ってやってもいいかなーっては考えはしているんだよね。つか、俺アイツの事結構好きだし。でもただで付き合うのも面白くないじゃん? だから、ゲームをして見つけたら付き合ってやろうかなって。あ、ちなみに他の連中はぶっちゃけ興味はないから、『考えてやる』ってことで、見つかってもふるけどな。
そんなわけで俺は色々遊ぼうと考え、全寮制男子校に入学したわけだ。
髪を黒髪に戻して、まじめそうな眼鏡をかけて俺真面目な優等生みたいな感じの外見で生活中。というか、入学してしったけど、『紅龍』のやつ不良クラスの一匹狼的な存在らしい。隔離されてるし、見るのも難しい。んー、なんつーか、俺的には学生している『紅龍』見れるかなと楽しみにしていたんだが。
ちなみに俺に求愛しているその他大勢は、生徒会、風紀にいたりとかするんだけどさ。なんというか、生徒会とか風紀のくせに不良やっているとかなんなの? と正直思ったね。
あと俺のクラスにも俺に求愛してきた奴居るけど、全然俺にきづかねーの。マジ、笑うわ。
寧ろ俺がちょっと視線を向けていただけで「こっちみないでくれる?」なんて言ってくる性悪ぶり。ぶはっと噴出さなかった俺を褒めてほしい。そいつは生徒会補佐なんていう立場なのだが、学園での俺みたいな如何にも優等生みたいな外見の存在が好きではないらしい。男子校なのに可愛い外見をしている生徒達に囲まれて生活を送っている。
そうそう生徒会は……俺に求愛しているのだが、めっちゃ遊んでいる連中だった。何でもこの学園は色々おかしくて親衛隊なんてものが人気者には出来る。そして親衛隊っていうのは過激で、近づくやつにひどい事をしたりとか結構あるらしい。そうそう、その親衛隊の連中を食いまくってたりするらしいのだ、生徒会。性欲半端ねぇな、獣かと思った俺の反応は当然だろう。いや、つか、男のセフレが大量にいる男ってなぁ…ぶっちゃけ引くぞ。生徒会長と、会計の遊びが特にひどいらしい。
風紀は……それなりに真面目にやっているようだが。なんというか、面白みがないというか……。俺を必死に探しているらしいけど、俺に全然気づかないからなー。面白いよな。学園をぶらぶらしていたら「一人で歩かない方がいい」と注意をしてくれたけど、一切俺に気づかないの。
ちょっとさ、遊んでみようと思って、袖をつかんで「ふ、風紀院長さん」と委員長好きですみたいな雰囲気出したら急に冷たくなったぜ。「俺は好いている奴がいる」とかいって去っていきましたとも。ぶはっ、お前が好いているのがこの俺、『月華』なら俺だっての。至近距離で気づかないとか、マジ笑うわ。
そんな感じで俺は目立たないようにしながら地味にこそこそ遊んでいた。『紅龍』は姿も見ていない。うーむ、隔離されている不良クラスに俺が行くのもあれだしなー。もうちょっと自分で動きやすくするために手足でも作るべきかと考えながらうろうろしていたら、『月華』に憧れているって俺の周りうろうろしていた俺の配下みたいな存在を一般生徒の中に見つけて俺は思わず笑った。
あいつらを使おうかなーって思って連絡を入れたら、超びびってた。あ、もちろん、面白くないから目の前には出ないよ? あいつらも隠しているみたいだし。そんなわけでそいつらに『紅龍』の情報を集めさせたりしながら俺はのんびり学園生活を送っているのだ。
さーて、誰が一番最初に気づくかな?
そして『紅龍』は俺に気づくかな?
end
中途半端ですが、一応ここまで。続きます。
俺
名前はまだ出ていない。愉快犯
情報屋『月華』。
求愛してくる『紅龍』の事気に入っている癖に普通に付き合ったら面白くないと遊んでいる。
生徒会と風紀はただゲームに参加させているだけで、見つけられても付き合う気はない。
真面目な優等生の外見でのんびり過ごしている。
『紅龍』
不良クラス在籍。ずっと『月華』に求愛していた。出てきていない。
生徒会、風紀
当て馬というか、相手にされていない可愛そうな人たち。
配下二人
『月華』に憧れている二人。この後、『月華』にこき使われる。
なるべくこちらの短編集も更新していく予定ですので、どの話を読みたいとか、どの話の続きが読みたいとかあれば書いてくださればなるべく書きます。
またここにない話でもこういう話書いて欲しいとかあったら書き込みくださって、書けそうなら書きますので。