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シロとクロ 3

 「うがあああああああああああああ」

 目の前でちょうちょさんが叫んでいる。ちょうちょさんはストレスがたまっているんだってー。

 「うるせぇ、『黒蝶』」

 「ちょうちょさん、だいじょうぶー?」

 「うぅう、『ウルフ』は相変わらず可愛いなぁ。癒される。俺の事を心配してくれるのはお前だけだあああ」

 上からクロ、俺、ちょうちょさんの台詞だ。ちょうちょさんは人の優しさか何かに飢えてたみたいな感じで俺が心配すると感動しようにこっち見てるんだよー。

 ちょうちょさんがこんなに取り乱しているの珍しいなーなんて考えながら俺はちょうちょさんを見ている。

 ちなみにここはちょうちょさんの部屋だよ! ちょうちょさんは学年で一番頭が良いから一人部屋なんだって。ちょうちょさん凄い!!

 ちょうちょさんがクロの膝の上に座っている俺の頭に手を伸ばそうとすれば、その手はクロが払ったんだよー。

 「シロに触ろうとするな」

 「ちょっとなでようとしただけじゃないか! なんでなでさせてくれないんだよ!」

 「シロは俺のだし」

 クロはそんなことを言って俺の頭をなでる。

 「俺、クロのー!!」

 「ああ、シロは俺のだな」

 「ふふ、クロも俺のー」

 「おう、シロのものだぞ。俺は」

 「うれしーねー」

 なんだか俺がクロのものでクロが俺のものだっていう当たり前の事実を確認するだけでどうしようもなく嬉しいんだよー。

 俺はクロのもので、クロは俺のものだもんね! ずっと変わんないよー。

 「……おおぅう」

 「ちょうちょさんどうしたのー?」

 「お前らが甘すぎて砂はきそう」

 「砂? ちょうちょさん、砂はけるのー? はいてはいてー」

 「ちょ、待て! 言葉通りにとらえるな!」

 ううん? 結局ちょうちょさんは砂をはけないのー? ならなんではきそうなんていったんだろうねー。

 「首かしげてるし! 本当に『ウルフ』は癒し系だな! 超癒される! 一匹欲しい!」

 「やらねぇよ」

 「ちょ、睨むな! 冗談だよ、冗談!」

 ちょうちょさんとクロがそんな会話を交わしている。俺は一匹しかいないよー?

 「てか『白虎』、お前、俺の事助けろよ! 『ウルフ』と違ってお前は俺の状況理解してるだろうがあああああああああ」

 「うるせぇって。なんで俺がお前のためにそんなことしなきゃならないんだよ」

 「んー? ちょうちょさん困り事?」

 なんだか俺は知らなかったけど、ちょうちょさんは困っているらしい。なんだろうね? ちょうちょさんがクロに助けを求めるなんて珍しい。

 でもあれだね、ちょうちょさんと学園でこうして話せるとなんだか楽しいねー。

 「あんなアホどもくらい自分でどうにかしろ」

 「あいつら話聞かねえんだよ! 大体、『ウルフ』追いかけてたくせに、何故俺に矛先が!」

 「ん? 俺追いかけられてるのー?」

 なんだかよくわからない事が聞こえてきた。

 「ほら、前にシロを追いかけている奴らいるっていっただろう。セクハラされるっていう」

 「あ、聞いたー。セクハラはやだよー」

 セクハラとかされたくない。クロにされるのはいいけどねー。

 それにしても俺を追いかけてた人がちょうちょさん追いかけているってこと? なら、

 「ちょうちょさん、セクハラされてるのー?」

 とそんなことを考えて心配になった。

 「セクハラ……は、されてないな。されそうなときは拒否っている。というか、俺は奴らにそんなことされたら死ねる」

 「ちょうちょさん、死なないで―。ちょうちょさんが死ぬと俺悲しいよ」

 「可愛いなぁ、『ウルフ』は…。てか、『ウルフ』追いかけてたやつらが何故、俺に来るのか」

 ちょうちょさんは嫌そうな顔をしている。ちょうちょさんは嫌なのに追いかけられているんだね。嫌がっている人追いかけるなんてめっなのに。

 お友達のちょうちょさんを困らせている人たちなんて嫌いだよー。

 「本当にな。お前には可愛さの欠片もない」

 「そりゃそうだろ。俺は男だ。可愛いとかありえんし。あ、『ウルフ』は可愛いけどな」

 「俺のシロは可愛い。それは当然だろう」

 わーい。ちょうちょさんとクロから可愛いって言われたー。

 ちょうちょさんの可愛いはねー、セクハラな感じしないから嬉しいのー。クロからはね、クロが大好きだから可愛いって言われると凄く嬉しいのー。

 「ちょうちょさん、すきー」

 「おおおう、俺も好きだぞー。でも『白虎』の前でいうのはやめようなー」

 「クロは大好きー」

 「おう」

 「お前『ウルフ』に大好きって言われたからって機嫌なおるのはやすぎだろ! 単純すぎる!」

 「ちょうちょさん困らせる人きらーい」

 そういったら何とも言えない顔された。

 「ちょうちょさん困らせる人退治したーい」

 「やっぱか。それは、ダメだぞ。シロ。お前が一番危ないんだからな?」

 「そうだぞ、『ウルフ』。『白虎』が言っているようにだな。お前が一番危ないからなー?」

 「でもちょうちょさん、大変いやー」

 「ああ、ありがとうな。心配してくれて。大丈夫だぞ。俺はあんな奴らには好きにさせないからな。あいつらの問題なんてさっさと片付けるからなー」

 「転入生片づけたみたいにさっさとどうにかしろよ。シロがお前が困ると悲しむだろ」

 「転入生は一人だけど追ってくる奴は大勢いるんだよ! でも俺の持てる力を使ってどうにかする! だから、心配しなくていいからなー。『ウルフ』」

 ちょうちょさんのために何かしたいって思ったのにそういわれてしまった。

 「んー、でも無理そうならいってねー。俺も、クロもちょうちょさん助けるよー」

 そういったら嬉しそうにちょうちょさんは笑った。



 ちょうちょさんは大事な大事なお友達なんだ。だから、困らせる人は本当に嫌なんだよー。




 end

『黒蝶』こと、ちょうちょさんとシロとクロの交流

ちょうちょさんはシロを弟みたいに可愛がっている。


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