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俺の妹は可愛いんです。

・舞台は王道学園ではありません。

・シスコンです

・妹が不良にせまられています。

・主人公はのちにBLに向かう予定。でも要素は現状ありません。



 俺には可愛い妹が居る。

 寧ろ、この世で一番可愛いと思う。

 俺の妹以上に可愛い子は居ないと自分で思っている。

 だって、可愛い。

 お兄ちゃんと優しく笑う姿に毎回毎回悶えそうになる。

 外見だって皆が美少女とも言えるべく可愛いのだ。俺の妹は。

 それに加えて性格も可愛い。

 俺、妹のためなら何でもできると自身満々に言える。

 友人からはシスコンだなと呆れられてしまったが、シスコンで何が悪いんだと思う。

 そんな妹が、

 「お兄ちゃん、私…告白されちゃった」

 そんな事を俺に言ってきたのだ。

 不安そうな小夏コナツの顔を見て俺が何を思ったかというと、

 「……小夏。お前を不安にさせたバカ男は誰だ?」

 喜ぶ、ではなく何処か不安そうな顔を浮かべている小夏に俺は怒っていた。

 誰だ、俺の可愛い妹を不安にさせてる愚かな男は。

 場合によってはぶっ潰そう。

 「そ、そのね。あの、お兄ちゃんの学校に通ってる、峰岸さんに、こ、告白されちゃって」

 「峰岸ぃ?」

 峰岸っていえば、『レッドドラゴン』の総長のあの銀髪か。

 有名な男で喧嘩を売ってはいけないと噂されてる、あの危険な奴か。

 女でも男でもイケて、食い散らかした数知らずっていう奴か。

 そんな男が、俺の可愛い妹に告白しただと…っ。

 「う、うん。それでね、返事はイエスかはいしかみとめねぇって言われちゃって…。怖くて、頷いちゃったん、だけど…。

 私、やっぱり、怖くて…」

 「よし、小夏お兄ちゃんにまかせなさい。ちょっとそんなバカは蹴散らしてくるから」

 告白して、イエスかはいしか認めないなんて横暴な事言うバカにはとりあえずお灸をすえにいかなきゃ。

 俺のかわいー妹が不安そうな顔してるの嫌だし。

 「流石お兄ちゃん、頼りになる! でも、心配だから無茶しないでね、お兄ちゃん」

 そういって心配そうにこちらを見る小夏に何この天使って思いました。

 だって可愛いからな。

 そうして、次の日。俺は友人たちの反対を押し切って峰岸のクラスに来ていた。

 「峰岸、居るか?」

 「ああ? 何だよ、てめぇ」

 「峰岸さんに何か用か?」

 何か外野が騒いでるけどそんなのは無視だ。

 おお、居た居た。

 見事な銀髪で、不良だ。

 全く小夏に告白するなら怖がらせない格好ぐらいしろよと苛立つ。

 「ああ? なんだてめえ」

 「うわ、噂通り柄悪」

 「てめえ、喧嘩売ってんのか」

 「おまけに切れやすいって最悪」

 「おい、てめえさっきから俺をバカにしてんのか! つか誰だよ!」

 「おー失礼失礼。俺は日向春巳ヒュウガハルミ

 おまえが先日強引に告白してつきあい始めた日向小夏の兄だ」

 俺の言葉に、峰岸はその顔を驚愕に染める。

 「あいつの、兄?」

 「そう、お前小夏に『イエス』か『はい』しか認めない何て言ったんだろ?

 小夏、怖くて頷いたらしいけどやっぱ怖いって言ってんの。

 俺ね、兄として無理やりなお付き合いとかやめてほしいわけ、わかる?」

 本当にさ、イエスかはいしか認めないとか無理やりすぎるし。

 あの可愛い天使が怖がって、不安そうな顔してるのわかんねーのかよって感じ。

 「な、別れろっていうのかよ。嫌だ!」

 「餓鬼か、てめぇ。小夏が怖がってるっつってんだろーが。

 大体女とっかえひっかえしてたお前に可愛い妹任せられるか!!」

 「なっ、俺の決定に口答えする気か!」

 「うわ、マジ自己中。お前最低だろ。怖がってる女の子に無理やり頷かせるとか」

 自分が一番偉いとでも思ってんのかね。なんて思いながら俺は口を開く。

 「はいはい、スットープ。ごめんね、お兄さん。

 こいつ小夏ちゃんが初恋らしくて別れたくないらしーの」

 切れかけの峰岸と、こいつバカだろと思っている俺の間に割り込んできたのは確か副総長の宇野だ。

 茶髪のチャラ男である。

 「あ? 初恋とか知るか! 可愛い妹に無理やり思い押しつけてるような自己中野郎に妹がやれるか!

 小夏が怖がって俺に相談してきたから俺は此処にきてんだよ」

 「俺と小夏の問題だ。小夏はそんな事いってねぇ!!」

 「お前が怖いからいえねぇんだよ!!

 普通に考えて不良なんかと関わらない女の子がお前に脅しにも似た告白されて断れると思ってんのかよ!」

 思わず峰岸の自己中発言に突っ込んだ。普通に考えて、不良とかかわりのない女の子が脅しみたいに告白されて断れるわけないじゃないか!

 「俺の告白が何で嫌なんだよ!!」

 「自分の告白は誰にでも受け入れられるとでも思ってんのかよ!

 お前は確かにイケメンだし女受けはいいだろうけど、怖いもんは怖いに決まってんだろーが!

 マジ自己中すぎだろ。好きだっつーなら誠意ぐらいもて!!」

 宇野の仲裁は意味がなかった。

 こいつ本当にバカなんじゃねーの。

 峰岸と俺は睨みあう。

 本当この自己中男が。こんな馬鹿に可愛い小夏をあげられるか!!

 周りは面白がってる奴もいれば、ハラハラしてる奴もいる。

 宇崎はんーっていう顔をして困ったように俺と峰岸を見ている。

 「アイツが好きなんだよ!」

 「あぁ? だから好きなら誠意みせやがれ。確かに小夏は可愛い。寧ろ小夏以上に可愛い奴なんていない。

 だから惚れるのはわかるけど、可愛い可愛い妹をお前みたいなのにやれるか!!」

 なんだよこいつ、初恋だからってふざけんなっつーの。

 つか、告白ぐらいちゃんとしろ。別に好きなのはいいんだよ。

 小夏は可愛いから、好きになっても仕方ないんだよ。

 俺が文句言ってるのは、無理やり付き合わせるなって事なんだよ。

 俺の可愛い可愛い妹をこんな自己中野郎にやれるわけないだろうが!!

 俺がどなりつければ、峰岸はびっくりしたように固まった。総長なんてものを峰岸に俺がここまでいうとは思わなかったんだろう。あとここまで言われてようやく色々考えたらしい。そういうのは告白する前から考えろよ。全く、小夏の気持ちも考えずにそんなことをするなんてこいつは馬鹿すぎる。

 「だからとりあえずおつきあいは無効な! 本当に俺の可愛い妹を好きだっていうなら誠意をもって、俺の小夏がどれだけ好きかちゃんとアピールして、小夏に好きになってもらえるようになれ! それが出来たら俺はお前と小夏が付き合うのを許してやる!」

 俺はそう宣言して、教室を後にするのであった。

 それから自分のクラスに向かえば「お前何やってんの!?」「シスコン最強すぎるだろ」とかクラスメイトに言われたり、「ごめんねー昌一マサカズが」とかいって宇野がクラスにやってきたりすることになるのであった。

 家に帰って俺が峰岸にいってやった! と報告をした後、「お兄ちゃん、ありがとう。大好き!」と抱きついてきた俺の妹は天使だった。




 ―――俺の妹は可愛いんです。

 (妹が可愛すぎるから不良のもとにだって特攻します。だって妹が可愛いから)





日向春巳ヒュウガハルミ

主人公。基本的に平凡な人だけど、シスコンすぎて妹に関することになると総長の元にだって特攻しちゃう人。

これから色々あって男と付き合うかもしれない人。


日向小夏ヒュウガコナツ

春巳の妹。優しくて頼りになるお兄ちゃんが大好きな美少女。

多分峰岸の最大のライバルは春巳。理想の恋人は「お兄ちゃんみたいな人」と答えるブラコン。


峰岸昌一

小夏が初恋で告白して無理やり付き合うも、春巳にそれを邪魔される。

今後誠意を見せて頑張ろうとするが、最初は相手にされない。


宇野

割と冷静な副総長。峰岸の暴走をいつも止めたり、後処理したり大変。



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