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プログラム戦隊 ロボプロジャー!

作者: 少々

プログラミングを擬人化って、ちょっと無理があったかな……。


ルビに書かれているのが、プログラミング用語です。

私自身怪しいところしかないので、優しい目で見ていただければありがたいです。

これでなんとな〜くのイメージができてもらえればなんて思います。


それでは、おつきあいよろしくお願いします。


オッス! おらレッド!


ここの敷地クラスの研究所で作っているスーパーハイテクロボットのパイロットフィールドの一人だ。


他のメンツ?

あぁ、紹介するよ。


俺レッド、好かないブルー、女にモテるグリーン、騒がしいイエロー、小動物っぽいピンク、それから、いつもなに考えているかわかんないホワイト。


スーパーハイテクロボットコンストラクタパイロットフィールドは全部で6人だ。


こんな言い方してるけど、俺は仲間を信頼しているぞ?


だって、みんなでひとつのロボットを動かすんだから、統制のとれた動きができなきゃ動けなくなっちまう。

そうそう、スーパーハイテクロボットは6つの部分を連結してできているんだ。


それぞれの乗り物で現場に向かい、合体するんだぜ。


ピンクとイエローがバイクで両腕、ブルーとグリーンがトラックで両足、ホワイトが飛行機で頭だ。


俺?


俺は……胴体だよ。


俺だけ真っ赤なバンで現場に向かうんだ。


なんでだよ!


なんでこう一人だけぱっとしないんだ ?!


トラックよりましだろうって?


いや、違うんだよ!


トラックがこう現場に突っ走ってきてブレーキを踏んだときの躍動感のある感じというか、派手な感じがバンにはないんだよ!


バンだって近くで見れば派手な動きはしてるかもしれないけどさ、


大型トラックの前では か す む ん だ よ !


しかも、合体に必要な部品はほぼ全部トラックの荷台に乗っているんだから、ぶっちゃけこのバンいらなくねって目で見られるんだよ。


俺だって重要だ!


お前らの連結部分だぞ!




「さっきから何一人でわめいているんだ?」


そう言ってきたのは一人だけ椅子に座ったブルーだ。


今、俺たちは会議室という名の談話室にいる。


座りやすそうな大きなソファーと背の低いテーブル、テレビとなぜかひとつだけある木の椅子がある。


メンバーがそれぞれの場所に陣取って作戦会議をしていたのだ。


「さっさとフォーメーションメソッドを確認しろ。お前が足を引っ張ったら承知しないからな。」


それだけ言うと、それ以上話すことはないのかさっさと自分の部屋に行った。


ちっ、よけいなお世話だ。


「相変わらず君たちは仲がいいねぇ。」


グリーンがコーヒーを持ってやってきた。


「別に、仲良くなんかないぞ。」


「そうよねぇ、友達ってよりライバルって感じかしら。」


さらに勘違いしたセリフをさらっと言ったのはピンク。


「強敵と書いてライバルって読むんですかぁ。いやあ、先輩たち、クサいっすねぇ。」


いらっとしたから、イエローの頭に拳骨を落としておいた。


いたぁ〜と涙目になるイエローに大丈夫?と頭をなでるピンク。


だが、ピンクよ、よく見ろ。


そいつは君になでてもらうために大げさに痛がっているんだぞ。


目がすごくでれでれしていてますますむかつく。


「まぁ、でもとりあえずちゃんとフォーメーションメソッドを確認しておいてくださいね。」


「そんなことはわかってるよ。」


「どっちかって言うと、私の方が心配です……。ちゃんとできるかしら……。」


「大丈夫ですよ。ピンクはいつもちゃんとできていますから。」


「どっちかって言うとオイラと赤先輩のほうがよく間違えるからね。」


黙ってもう一発殴ったあと、俺は手元のフォーメーションを確認し直した。


あ、ちなみにホワイトはずっとソファーの上で体育座りしてた。


こいつは今日も通常運転だな。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


『緊急連絡、緊急連絡


 デモ作戦を開始します。


 パイロットはすぐに作戦を開始してください。


 繰り返します


 緊急連絡……』


お、早速か。


俺は漫画をページを開いたまま置いてベッドから起き上がった。


部屋からガレージまで駆け足で向かう。



「足、引っ張んなよ。」


「そっちこそな。」


青いトラックに乗り込むブルーを睨みつけながらバンのドアをあける。


エンジンをかけて、無線をオンにするとザザザッというノイズの後に聞こえる気の抜けるような声。


『あー、てすとてすと。……きこえますか?


 ……これから第325回作戦メインデモンストレーションメソッド訓練をはじめます……。


 それでは……事前の作戦会議のように、はじめてください……。』


ホワイトの号令に従って、まずはブルーとグリーンが、それに続くように俺が地下から出て行く。


バイク二台もその後に続き、最後にホワイトが別の滑走路から出発するだろう。



今回も訓練なので敷地クラス内の開けた場所に向かいそこで作戦を遂行する。


青と緑で塗られたトラックが並んで停まり、少し離れたところに俺のバンと、その両隣にピンクとイエローのバイクが停まる。


『……ブルー、グリーン、着いた?』


『あぁ。着いたぞ。』


『いつでも大丈夫ですよ。』


『……それではレッド、はじめてください。』


俺は大きく息を吸い込み、いつものようにセリフを叫ぶ。


「燃える炎は勇気の力、プログラムレッド !!」


『揺れぬ水面は端然たる力、プログラムブルー!』


『茂る緑は命の力、プログラムグリーン!』


『輝く光は希望の力っ、プログラムイエロー!』


『ときめく心は愛の力、プログラムピンク♡』


『……汚れなき白は純真の力、プログラムホワイト。』


『『『『『「 合 体 ! 」』』』』』


そう叫んで、バンを急発進させる。


一気に速度を上げ、最高速度でハンドルの真ん中に付いたボタンを押し込む。


前の方、つまり足下からボンッという音がして、車体が宙に浮く。


どういう仕組みなのかは考えないほうがいい。


理解できないだろうから時間の無駄だし、恐くて知りたくない。


トラックは既に変形を始めて直立していおり、勢いよく突っ込んできたバンを荷台から出たワイヤーが飛び交い、車体をつかんで取り込む。


それから、荷台のドアがガバっと開き、中から超合金でできたパーツがバンを覆い、胴体になる。


その際、垂直にされたバンの中はそれに合わせて地面に平行になるから首が痛くなる心配はないんだぜ。


俺の椅子が真ん中に移動している間に二台のバイクも同じように宙を舞う。


少し待つと、左右から座席に座った状態のピンクとイエローがスライドして入ってきた。


慣性の法則に従って大きく揺さぶられたピンクは、「毎度、これが慣れないのよねぇ」と首をさする。


イエローはというと、首を押さえた状態で入ってきたようで、しれっとした顔をして「ねぇさんも懲りないよねぇ」と言っていた。


ホワイトの乗った飛行機が垂直に降りてきて、地面の近くでエンジンを逆噴射、合体して頭の部分になる。


最後に左手を腰に、右手を上に突き上げて決め台詞をさけんだ!


『『『『『「 合 体 完 了、 ロ ボ プ ロ ジャ ー! 」』』』』』




「なぁ、いつも思うんだけどさ、セリフって必要なのか?」


「赤先輩もしつこいですねぇ。」


『まぁ、そう思うのも仕方ないですけどねぇ。お約束ってことで。』


『上司からの命令しきぶんなんだろ。黙って従え。』


『……もういい?……次……いくよ?』


訓練では相手がいないので、サイコロらんすうを振ってどの技を出すかを決めるのだ。


このサイコロらんすうを振るのは、司令塔であるホワイトだ。


カラン、カラン、コロン……。


サイコロの転がる音が機内に響く。


『……フォーメーションメソッド4。』


フォーメーションメソッド4準備開始します。」


とピンクが右のパネルを操作する。


バンの中は三面の画面とタッチパネル式のパネルが付いていて、右がピンク、真ん中が俺、左がイエローを操作してロボットの様々な調節をする。


ついでに言うと、ブルーとグリーンは足下確認のためにそれぞれの足で操作している。


障害物があったらあぶないし、民間人を巻き込んではいけないからな。


一番高いところにいるホワイトは遠方を警戒し、指示を出す司令塔だ。


普通、ここは(自称)リーダーである俺の役割だと思うが、適材適所ということで。


そうこうしている間に、イエローも忙しくパネルを操作しだした。


俺?

 

暇だけど何か?


最後以外やることないんだよ。


フォーメーションメソッド4、開始するっす。」


『『了解。フォーメーション4、開始(する)します。』』


ゴゴゴゴゴッと音がして、左足を付き、膝建ちになる。


上にあげっぱなしだった腕を腰の高さまでおろし、ため・・に入る。


ここでやっと俺の出番だ。


「パワーチャージを開始する。」


手元にあるレバーを引く。


目の前の画面でグラフが表示され、パワーのたまっていくのが視覚的にもわかる。


「パワーチャージ完了だ。」


『……了解。……フォーメーションメソッド4、パワーストレート。』


「「「パワーストレート、開始(するっす)。」」


右手が稲妻を帯びて勢いよく突き出される。


それは、雷神のひと突きのように空気を切り裂き、轟音を響かせる。


後には焼けこげた地面と雷の名残が残っているだけだった。


『……パワーストレート完了。作戦を続行する。』



「……なぁ、今日はこれを何回繰り返すんだっけ?」


「えっと、今日は30回よ。」


はぁ、こんな無駄なことをあと29回も繰り返すのか。

気が重いぜ……。



 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆



「そういやぁ、いつも訓練ばかりで実際に戦闘をしたことはないな。」


訓練を終えたあと、夕日に背を向け訓練所へ帰る道程。


そんなことをつぶやいたら、ブルーに見下すような目で見られた。


「な、なんだよ。」


「訓練しかないのは当たり前ですよ。」


「そんなことも知らなかったのかよ、赤先輩〜?』


「……お気楽。」


「そ、そんなこともありますよ! 多分……。」


「だ、だからいったいなんなんだぁ〜!」


見事にシンクロするため息。


もはやかわいそうなものを見る目のブルー。




「それは上司が悪の組織ほかのクラスを作っていないからに決まっているだろう。」






や、やっちまった……?

えー、エセ戦隊ものなど書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?


感想、ご指摘などをいただけたら作者は喜び跳ねます。

最後まで読んでくださりありがとうございました。


追記:プログラムはいくつかのクラスを組み合わせて作られます。

   つまり、正義の研究所も、悪の組織もそれぞれが個別のクラス

   だと思っていただけるといいかと思います……。

   説明不足ですみませんでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とりあえず一言。 爆笑しました(笑) まさかこんなところで、こんな戦隊モノの、中の人の愚痴話が聞けるとは思いませんでした。 常に胴体部分のバンのレッドの心情、確かに、受け取りました(笑) …
2014/02/11 16:01 退会済み
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