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夜の出来事
この街は、普通の街じゃない。
東京の大半を壁で囲い、外の世界と隔離された街。その街の半分が、陰陽師や霊能力者などのオカルト染みた職業を目指す学生である。あとの半分は、店の店員や教師や、研究員などで構成されている街だ。
そして、この俺、神城尚麻は、昔は、夢と希望にあふれ、夢を目指し、この街にきたものの、落ちこぼれて、不良になってしまった奴らから逃げているところだ。
「待てコラ神城。」
「待ってたら殴られるだろ。」
しかし、これは俺のいつもの日常だ。不良のカツアゲを止めようとして、声をかけたら、仲間が後ろからぞろぞろ出てきて今に至る。
路地を、めちゃくちゃに走り抜き、後ろを見ると、誰もいなくなっている。
「やっとふりきったか。」
そう呟いて、安心するのもつかの間
「ここ、どこだ?」
周りの様子がおかしい人の気配が全然しない。夜で、街灯も見当たらないのに少し明るい。次の瞬間、雄叫びがあがったすると目の前に、妖怪が現れた。