第5話:出現!?転校生
かなり遅れました。
申し訳ありません。
忘れ去られてるかもしれないので、前回までのあらすじです。
帰ったという空。
なんか鬱な気分の遊月。
そこに転校生。
こんな感じです。
以上、あらすじでした!
では本編!
「・・・はい?」
なんでこいつがここにいる?
帰ったんじゃなかったのか?
いやそれより、なんでこの学校にいるんだ?
転校生?はぁ?
とりあえず、隣に座っていた紅を殴り飛ばす。
「ぐぶぉっ!?」
そのまま意識を失ってしまった。
しまった、強くやりすぎたか?これじゃ、痛みがあるかどうか聞けないので夢かどうかわからない。
まぁいいや。反省はしても後悔はしない。次は気をつけよう。
「あー、先生。紅が体調を崩して意識不明になったので保健室連れてきます」
「ああ、いいぞ」
幸い、一番後ろの席だったので、目撃者は一人しかいなかったようだ。
その唯一の目撃者、教壇の上で自己紹介しようとしている空に『言ったらお前に明日はない』的な視線を送りぐったりしてぴくりとも動かない紅を担いで保健室へ向かった。
・・・ホントにこいつ大丈夫か?
――――――――
――――――
――――
「で、なんでここにいる?帰ったんじゃなかったのか?」
ここは自宅。そして目の前には正座している空。学校が終わり帰ってきて早々ロビーに正座させた。
それと母さんは買い物に行ったらしく家にはいなかった。
「あのー、フローリングに正座って結構、っていうかかなり辛いんですけど」
「それが何か問題でも?」
「いや、問題って言うかその・・・・なんでもありません、はい」
「でさっきの質問の続きだが・・・」
そう、帰ったんじゃなかったのか?
「いやぁ、帰る方法がまるっきり見つからなくて正直暇だったんですよ。そこで私は考えました。『どうせ帰る手段が見つからないのならこの地球を満喫してみよう』って」
「その考えた結果があの学校への編入か」
「そうです」
胸を張って答える宇宙人。
「じゃあなんでここ数日間いなかったんだ?」
「いましたよ。普通に、この家に」
・・・は?何を言っているんだ?だって家じゃ会ってなかったろ?
「遊さんに会わないようにするのは大変でしたよ」
そう言いながら笑う宇宙人。
会わないように?
「そう言えばなんで会わないようにしてたんだ?」
「それは撫子おばさんが・・・・・」
ピンポーン
あ、誰か来た。
「ちょっと待ってろ」
「遊さ〜ん足がしびれて・・・」
「そこを動くな」
冷酷にそう告げると俺は玄関に向かった。
ピポンピポンピポンピポンピポン
うるさい客だな。
ピピピピピピピピピピピピピ・・・、ガチャ
「よう!ゆごふぅうっぶ!!??」
扉を開けチャイムを連打していた犯人の顔を確認するなりそいつの鳩尾に一発食らわせた。
うずくまっている犯人は紅だ。こいつ生きてたんだ。
「よう、紅。今日一日保健室にお世話になっていたようだがもう大丈夫なのか?」
「それが、今、また、同じ事を、しようとしたやつの科白かい!川の向こうのきれいなお花畑にに行くとこだったんやで!?」
もし行ったなら太郎曾祖父ちゃんと花子曾祖母ちゃんに挨拶しておいてくれ。それはそうと、
「んで?用件は?」
「スルーかいな!!人がせっかく臨死体験談を・・・」
「用がないなら帰れ。こっちは今取り込み中だ」
「ひどっ!なんか俺につめとうないか?」
「はっはっは、本当は肉体的より精神的にボロボロにしてやりたいんだがな」
俺はいろんな意味で忘れない。『甘酸っぱい初恋の青春ストーリー』を。
そう、秘密の無くなった人間におそれるものなど何もないんだ。
「いぃっ、す、すまんかった。それより用ちゅうんは他でもない。今日転校して来た空ちゃんを見にきたんや!!」
「ああ、空なら奥に・・・」
ん、ちょっとまて!
「なんで空がうちにいるってわかったんだ!?」
「ん、いやだって、クラスの女子が噂してたで?空ちゃんとお前が同棲してるって」
「同っ・・・!」
どうやったらそんな話が!?いやまて、まさか・・・
俺は駆け足で空がいるはずのロビーに戻った。
「そぉら〜〜〜〜!!」
「あ、遊さん。なんだかもう足の感覚が・・・・」
俺は空の肩をガシッとつかみ、がっくんがっくん揺らしながら空を問いつめた。
「言えっ!白状しろ!貴様クラスの女子から質問攻めにあってたよな?そしてお前はなんて答えた!?」
「みぎゃ〜〜〜〜〜!足が、足が〜〜〜〜!!新手の嫌がらせですか〜〜!?」
「いいから答えろ!!」
「ぎゃ〜〜〜〜!せめてがっくんがっくん止めてください!」
「こたえろ〜〜〜!」
「はぃっ!どこから来たのとか、趣味とか、好きなものとか、どこに住んでるのとか、髪綺麗とか・・・・」
「それだ!!どこに住んでいるって言った!」
「どこって遊さんの家に決まってるじゃないですかっ!」
・・・・・・。
なんていうか、なんだか、もう、学校行きたくなくなってきた。
登校拒否覚醒の瞬間。目覚めるときは、今!
「お〜い。何アホな事考えとんのや」
いつの間にか紅が家に上がっていた。
「それはそうと、この子が空ちゃん?めっちゃかわいいやん!」
「ふっ、紅。俺は暫く自分を見つめ直す旅に出る。探さないでくれ」
「何アホなこというとんねん。親戚の子がうちに泊まってる事がそんなに恥ずかしい事かいな?シャイやな〜」
・・・んっ?
「親戚?」
「ん?空ちゃんて遊月の親戚の子なんやろ?それでどういう理由かは知らんけど楼北高校に転校してお前んちにお世話になってるって聞いたが?」
「・・・そうそう!いやぁ、昔からの知り合いで一緒の学校になるのが恥ずかしかっただけだ。うん」
「初めまして!・・・ですか?鷹宮空です。以後よろしくお願いします!」
「わいは、大友紅。紅くん、でかまわへん。よろしゅう、そらちゃん」
「はい、『紅くん』さん」
「いや、紅くんさんって・・・・」
「あら、紅くんお久しぶり」
なんだかんだしているうちに母さんが買い物から帰ってきた。
「ちょうどよかったわ。翔ちゃん、急に帰れなくなっちゃったらしいの。せっかくだから紅くんも久しぶりに夕食食べていかない?」
「お久しぶりです。それと夕食是非とも!」
「そう、じゃ、待っててすぐ支度するから」
「あ、私も手伝います」
そう言って、母さんを追いかけキッチンに行こうと立ち上がり・・・・、
べしゃっ。
「足〜〜〜〜。びりびりします!!」
そのまま立てずに倒れ込んだ。
「無理すんな。すわっとけって」
「いえ、居候させてもらってるんですからこれくらいは手伝わせてもらいませんと」
そう言いながらよろよろとキッチンの方へ向かっていった。
「いやー、いい子やな空ちゃんって。遊月、わいはお前がうらやましい!」
「なにがだ?」
「だって、幼馴染みやで?しかも同じ学校に転校、これぞまさしく王道やん!」
「なんの王道だ。まったく」
と、夕食が出来るまで俺たちはこんな下らない会話をしていた(おもに紅が、幼馴染みのすばらしさについて一人で演説していただけだが)。
夕食を食べ終わり紅が帰って部屋で勉強していたら空が入ってきた。
「遊さん遊さん」
「なんだ?」
「いや、帰る方法が見つからなくてもう少しこの家に居させてもらっていいですかって」
なんだ、そのことか。
俺は、勉強を中断してだるそうな口調でこたえた。
「あーあ、せっかくお前が居なくなって平和な日々が戻ってきたんだがな」
「あぅ、私そんなに酷い事してましたっけ?」
不法侵入する時点で迷惑を越えてるんだがな。
はぁ、それも仕方ないか。
「はぁ・・・、いいよ、もう少し居ても」
「えっ、いいんですか!」
「どうせ駄目だっていったら騒ぐんだろ?今は夜だし騒音公害で近所に迷惑がかかる」
「そんな理由ですか!?」
「あー、もう、居ていいって言ってるんだ、騒ぐな。さあ、用はすんだろ?勉強するから帰れ」
俺は宇宙人を部屋から追い出そうとした。
それに何か、居てもいいという科白が少し照れくさかったから。
「あ、遊さん。最後にひとつ質問していいですか?」
「なんだ?」
「『どうせい』ってなんですか?」
「ぶっ!、・・・・・」
こうして俺の騒がしい非日常的な日常が帰ってきた。
・・・・・いや、始まったのか?
暑いです。左京です。
お久しぶりの方、お久しぶりです!まとめて読んでくださった方、ありがとうございます!
色々忙しすぎて、更新が遅れまくりでした。すみません。
見捨てられてないか心配です。まあ自業自得なんですけど、出来れば見捨てず読んでみてください。暇つぶしで結構ですので。
それと、7月にはいるともう少し速く更新できると思うので
それまでは勘弁してください。
あ、けど7月まで更新しないというわけでもないのでよろしくお願いします。
そんでもって宣伝です。
もう一つ小説書こうと思います。
タイトルは「ふぁーすと・こんたくと」この小説の空視点にしようと考えています。
こちらも時間があれば読んでみてください。
以上、後書きと更新の間隔が長い左京でした。
それではまたいつか!