第2話:遭遇?宇宙人と俺の家族
「まぁ、ずいぶん遠いところから」
「ほぅ、宇宙人さんなのか、初めて見たな」
「行く当てもなく大変でしょう。よかったら泊まっていきなさい?部屋も余ってる事ですし」
「はい!ありがとうございます!」
「・・・・・」
なんか納得できない。なんでうちの親はこう、感受性豊かなんだ?
今、会話しているのは母、撫子と父、翔一郎、そして謎の宇宙人女。頬が少し腫れている気がするが、気にしない。
ちなみに、父と母は年齢不詳、実の息子の俺ですらわからない。
俺が今17歳だから、どう考えても30歳は越えているはずだが見た目は20代前半にしか見えない。
以前両親に、年を聞いた事があったのだが、父曰く、
「人間、一つくらいは秘密を持っているさ」
とのこと。母曰く、
「ふふふ、女の人に年を尋ねる物じゃないわよ?」
と、笑顔で返された。
なぜか、そのとき母が持っていた包丁が不気味に輝いたのを憶えている。
当時の俺は、世の中、一つや二つくらい不思議があってもいいだろう、と割り切った。
決して、包丁が怖かったからではない。
それと父と母の容姿だが、父は眼鏡をかけた優男風、母は長い髪でその名の通り大和撫子のような人だ。
母は高校の時ファンクラブができていたほどの美人らしい。
「?、どうしたの遊ちゃん?」
「いや、父さんも母さんもなんでこんなに簡単に宇宙人って信じるんだよ!おかしいでしょ!?そしてお前!人が話してるときにぱくぱく呑気に飯食ってんじゃねえ!」
怒鳴りながら宇宙人に指を指す俺。
ちなみに遊ちゃんとは俺の事。本名、鷹宮遊月。高校二年生。
「遊ちゃん、人に指を指すものではありませんよ?それに女性に対してお前とは失礼ですよ?そういえば、まだお名前を聞いていませんけど・・・?」
「はい、田中太郎です」
ご飯を飲み込んだ宇宙人はまだそんな事を言っていた。いやだから『田中太郎』は・・・
「まぁ、ステキな名前ね」
「ちょっと待てーーー!!そこ!そこの2人!そろそろおかしいと思おうよ!『田中太郎』は男の名前!女でそれは明らかに変でしょう!?」
なんで?なんで誰もおかしいと思わないの?おかしいと思う俺がおかしいの?
「あら?でも遊ちゃんの名前は最初、太郎ちゃんになるはずだったのよ?」
「・・・そうなの?」
意外な事実。すると父さんが、
「名前を決めるのが面倒だったんでな、もう太郎でいいか、という事になったんだ。ちなみに女の子だったら『花子』にしようと思ったんだが曾曾祖父ちゃんと曾曾祖母ちゃんが太郎と花子だったからやめる事にしたんだ。そこで祖父ちゃんがお前に遊月と名付けたんだ」
「子どもの名前ぐらい親が考えようよ!面倒だからって適当に決めようとすんな!」
「あぁ、遊ちゃんが親に向かってこんな酷い口を利くように・・・母さん、悲しいわ。おじいちゃん、ご免なさい、せっかく名付けてもらった遊ちゃんがこんな子に育つなんて・・・」
「いや、撫子さんのせいじゃないよ。きっとこれは反抗期、親が一度は通らなければならない試練なんだ。それにお義父さんはいつも君を空から見守っているはず。いっしょにこの試練を乗り越えよう!」
「ああ、ありがとう翔ちゃん!そうですね、頑張りましょう」
・・・・・、永久反抗期になってやろうか?
それにおじいちゃんはまだ健在だ。勝手に天に召さすな!
「あのぅ、私も会話にまぜてもらいたいんですが・・・」
完璧、蚊帳の外だった宇宙人が声を掛けてきた。
ってゆうかお前、この会話の間でご飯三杯もお代わりしてたよね?しかもおかずに手を付けず白米だけ。飽きないの?
「はい!こんな美味しいもの、初めて食べました」
こいつの惑星では何を食べてるんだろうね?そういえば、
「お前の住んでる惑星ではなんて呼ばれてたんだ?」
「ん?」
「いくらなんでも田中太郎や花子さんはおかしいだろ?お前の星での名前はなんて言うんだ?」
「私の本名?テルズ・アウリトム・ビムセイ・スラフ、私の星で『聖なる宇宙』という意味です」
「長い、改名しろ」
「ひ、一言!?聞いておいてそれはないでしょう!?人の名前をなんだと思ってるんですか!?、いきなり改名しろって」
「いちいちそんな長い名前で呼んでられるか。舌噛むのがオチだ」
「大丈夫!本人の私ですら、噛むのは年に一度なんですから」
「自分の名前、噛むのかよ!それに、自分が自分で名前言う場面なんてほとんどないだろ!?」
「ありますよ!現に今ここで言ったじゃないですか!テルズ・アウリトムびずっ!?」
噛んだーっ!
「やっぱそんな早口言葉みたいな名前呼べるかー!」
「大丈夫です!十回に一回くらいしか噛みませんから!」
「割合高いだろ!お前さっき年に一度といってなかったか!?」
「自分の名前なんて年に十回くらいしか呼ばないじゃないですか!」
「開き直って威張るんじゃねーーー!」
「うみゃあー!?!?バージョンアップ!?千切れる、千切れる!耳が千切れるー!」
「そらちゃん」
にこにこしながらこのやりとりを見ていた母さんが不意に口を開いた。
「そらちゃんなんてどうかしら?遠い遠い空からやってきたからそらちゃん。だめ?」
「いや、空って言うより宇宙から来たんじゃ・・・」
「宇宙ちゃんじゃ変だし可哀想でしょう?」
おお!母さんの口から『変』という言葉が!いや、それより田中太郎の方がもっとおかしいんじゃ?
「空・・・、そら、かぁ・・・」
何かを考えるようにそら、空、とつぶやく宇宙人。
「うん!わかりました!じゃあ私の事を空って呼んでください」
「気に入ってもらってうれしいわ!じゃあ、そらちゃん。これからよろしくね」
「こちらこそ」
なんか、きれいにまとめられた気がするが・・・、俺はまだこいつが住む事に賛成してねぇ!
しかし、そう言おうにも母さんもこの宇宙人も会話に華が咲いていて出て行けといえる雰囲気ではない。
「はぁ・・・」
ため息をついたとき、いつの間にか風呂に入っていた父さんがあがってきたので、俺も風呂に入って寝る事にした。
まぁ、追い出すのはいつでもできる。
今日は疲れたから休もう。
そして俺は、自室でのそのそベットに入って寝ようとしたときひとつの事実に気がついた。
「・・・・・俺、晩飯食ってねえよな?」
最近ついてない左京です。
お久しぶりの方、お久しぶりです。
初めましての方、初めまして。
更新がかなり遅れました。
改めて実力のなさを痛感します。
いやぁ、参りました。初めて投稿した次の日、ボールが目に当ってしまい、ボール恐怖症になってしまいました。
おかげで大会も出られないし、その上今日、足を怪我しました。
アキレス腱が炎症したそうです。
まぁ、おかげで小説、更新できたんですけど・・・
愚痴はこれぐらいにして今回の自分の感想を述べたいと思います。
後書きが長い!、以上。すみませんでした。
読んでくださった方、ありがとうございます。
これからも頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは!また、いつか!