表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロボットコレクションSS  作者: 藤村文幹
ロボットSS
6/50

CIHWS-001 ファランクス

 宇宙戦争と聞いて、宇宙戦艦同士が超遠距離から撃ち合っているのを想像した奴。君はきっとこの世界の宇宙戦争にはついて行けないだろう。


 艦隊の近くにワープアウトして湧いて出る機動兵器を機動兵器が迎え撃つ。撃つのに時間が掛かる戦艦の主砲はこの戦いでは役立たず。縦横自由に動く機動兵器に悠長に照準を合わせてたら先に砲塔がやられる。そういう戦いだ。

 人型兵器ファランクス達は陣形を組んでワープアウトしてくる敵を撃つ。陣形から外れて敵の攻撃に当たる機体もいる。戦艦に当たりそうなミサイルに銃撃を与えて迎撃もする。

『まだまだ来るぞ-! オマエラ気合いれろー!』

 女性の声がファランクスのオペレーター達に届く。激励に気を良くしたオペレーターは我先に戦功を得るために敵に突撃する。時には陣を組んで、時には単機で突出して。


 エリーの操るファランクスは僚機が全ていなくなってしまった。それどころか周囲に味方機がいない。母艦の直近にも関わらず、一種の空白になっていた。

『うわまずぃ』

 エリーが周囲を見渡すと、突撃してくる敵が2機。絶対に通してはいけない。

 エリーは銃撃で片方を狙って攻撃する。アサルトライフルの弾はまばらにあたるが攻撃力が足らない。全部撃ち尽くしてやっと片方を爆散させた。爆炎からもう1機の敵が姿を現すと、エリーのファランクスに向けて銃撃を与えてくる。ビーム、それも戦艦に当たるコースだ。

 エリーは一瞬の判断で片足を切り離し、敵の放ったビームに当てる。片足は派手に爆発する。

 切り離した脚が爆発するより先にエリーはブースターを噴射させて前へ突進する。直線的な動きで母艦に突撃を掛ける敵の進むコースに機体を近づけ、もう片足を切り離して置いた。

 エリーが片足を置いて離脱した直後、突っ込んできた敵を巻き込んで脚に仕込んであった爆弾が爆発する。

『よし、なんとか。コマンダー! 一旦帰還します。艦左側面に味方機がいない空白があるからさっさと次発進させて。あと武器が無くなったから一度着艦させる』

 エリーは言いたいことだけを一方的に言い散らしてからバーニアを調節して母艦の着艦口に向ける。

 艦に入る直前、流れ弾でエリーのファランクスは撃墜された。


「あー! また着艦直前にやられたー!」

 艦内部のオペレートルームでエリーは自分の頭をかきむしって叫んだ。横の同僚が「またぁ?」とあきれ顔だ。

『ちょっとエリー。着艦直前は注意してって何回も言ってるじゃない』

 コマンダーからの通信。わかってるよと答えつつエリーは格納庫を呼び出した。

「おいメカニック。次のファランクス用意出来てる?」

『5分待って。今さっきキミの要請で用意してあったのが全部出たんだ』

「えー」

 ファランクスは記録にしか残っていない大昔に使われていたCIWSという武器、その代替だった。宇宙での艦隊戦が主流だった時代に消えて、また必要とされた。思考加速した人間の判断力を使うため、人が無線で操作する。壊れても次を出せばいい。そういうことだ。


「こちらエリー。ファランクスもっかい出るよ!」

『今度は壊さないでね。安くないんだから』

「分かってるって!」

ファランクスの設定は以下のURLで公開されています。

http://blog.livedoor.jp/tohka_1day1chara/archives/4264081.html

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ