アストロファント
20120306
コロニーの外壁に沿って敷設されたレールの上を特徴的なアームが体の全面についた人型マシンが走行している。背中のラックには交換用のレーザー通信機を乗せている。他のレール上には同じタイプのロボットが沢山いて、それぞれがデブリの衝突痕や開きにくくなった隔壁の修理を行っている。体に付いたアームと両腕を使って、それぞれの作業をしている。
アストロファント。象の顔を模したパーツを胴体前面に持つ作業用マシンの傑作機だ。
レーザー通信機を乗せたアストロファントはレールを通じて農業プラントへと進む。農業プラントはスペースコロニーの周囲を周回する小型コロニーで、コロニーとはアストロファント用のレールが敷設された柱を通じて繋がっている。重要でないレーザー通信を行う通信アンテナは個々に設置され、コロニーの回転に合わせて首の角度を変えながらレーザーを光らせたり受信したりしている。
アストロファントは数あるレーザー通信アンテナから目標のアンテナを探す。通信が出来てないのはアストロファントが通った柱から右へ二番目のプラントに取り付けられていた。アンテナは先端部分が溶け、煤が黒くこびり付いている。ビームが掠った後、だろうか?
詮索は仕事ではない。交換して本部に持っていけばあとは本部が考えることだ。
象の鼻にあたる長くフレキシブルに動くアームを使ってアンテナユニットとプラントを繋ぐボルトを外し、脚の脇についたポーチに入れる。一つ目は一番手近な物。一つ目の反対側の二つ目。一つ目と二つ目から十字になるように三つ目四つ目。一つ目と三つ目の間、二つ目と四つ目の間……――と次々に32個あるボルトを外していく。最後の二つが残ったところで両腕でアンテナユニットを押さえ、残り二つのボルトを外して回収した。
プラントから外れたユニットはアストロファントが両腕で抱えた。鼻アームは脚部の二つ並んだハードポイントのうち、何も付いてない方に先っぽを繋げる。と、先端のパーツが外れた。先端がなくなったアームの接続部をもう片方のハードポイントに付けられたアームに差し込むと、接続パーツが繋がってハードポイントのロックが外れた。
鼻アームはアンテナユニットに新しく接続したパーツの先端を向ける。すると先端が二つに割れ、アンテナユニットを挟んで固定する。そのまま外したパーツを上に持ち上げる。
アストロファントは右腕で背中の真新しいアンテナユニットを掴み、ラックから外す。鼻を伸ばし、頭の上を通るようにアームを動かして取り外した古いアンテナユニットをラックに据えると、ユニットを感知したラックがそれを固定する。鼻の先端から古いユニットを解放し、新しいユニットを掴む。――あとは先ほどの手順の逆だ。そうやって新しいユニットを取り付けて、古い物は持ち帰る。レールを通ってコロニー内部へ。
アストロファントは去年の3月28日制作ですね。勿論ブログには設定を乗っけてません。
ある種、つい先日に作った「ムーンメカニック」の前身と言えるでしょう。作業用で脚がレール上を動く機動装置ってことしか共通点がありませんが。
まぁ、戦闘以外に使うロボもいいものです。いやコレまでも何回か載っけたので改めて言うことではないでしょうが。