スターアルマジロ
20120305
ザッ
『小惑星帯に入るわよ、気を付けて!』ザッ
オペレーターから通信が入る。ノイズが入るのは電波妨害で、声が明瞭に聞こえるのは母艦が近いからか。
愛機エクシーダの調子はいつもより良い。スラスターの推力を落とし、コンピューターが算出した侵入ルートに添って小惑星帯に侵入した。
今回の任務は小惑星帯に巣くう宇宙海賊の偵察である。目視範囲に敵はいないが、いつ襲ってくるかは分からない。レーダーやカメラを通してしっかり見極めねば。
ミッションが開始して10分経過した。何も怒らない。海賊船どころか人型兵器もスラスター噴射光すらない。情報が間違っていたのか?
気が緩みそうになったその時、機体が衝撃で揺れる。攻撃アラートはなくビームなどで装甲表面が過熱した様子もない。敵影もない。ぶつかったのは小型の小惑星のようだ。軌道を外れて漂っていたのがぶつかったのだろう。
「……ふぅ」
モニターに映るぶつかったと思しき小惑星から目を離し、気を緩めた瞬間、気付いて息を呑んだ。いやおかしいではないか。周囲の確認はしていた。こちらに向かってくる小惑星ならとっくにコンピューターが処理してルートを変更するはずなのだ。それがなく、急に機体にぶつかったというならば――
――反射的にモニターを見る。ぶつかった小惑星はどこにもなかった。そこには、腕や脚、背中に小惑星の表面に偽装したプレートを備えた人型兵器。偽装プレートを束ねて近接格闘用の爪にし、それを私に向け振り下ろそうとしていた。斜光アクリルゴーグルの奥のセンサーが連邦軍の識別信号を感知し光っていた。
トニー・ヴァスコビル軍曹が送った最後の映像である。連邦軍はこの映像から敵が小惑星に偽装した人型兵器を運用すると判断。対策に乗り出すことになる。
去年の3月30日に制作したロボット「スターアルマジロ」を使用したショートシーンです。
この機体はブログにUPしていません。
ギリギリまで使用するロボが決まりませんでした。
このような出来ですが、同じネタでもっとよく出来たんじゃないかと思います……反省。