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シュトルマス

状況はわかりません。

ただ書きたかっただけ


 山の中腹に2機のマジックギアが立ち、今まさに戦場になろうとしている平原を見つめていた。

「随伴機は狙撃を警戒。コックピット、解放するぞ」

 二機のうち、盾を持たない黒い機体が胸部ハッチを開いた。胸部装甲が上に少しだけずれ、覆われていた下部分が下に開く。上にハネ上がるように1枚目のハッチが開き、観音開きに2枚目ハッチが開いて更に倒れるように3枚目ハッチが開いた。装甲と3重のハッチにより厳重に守られたそこはコックピットだ。マジックギアの動力を供給する魔術師が座す場所。

 コックピットに吹き込んだ風で頭の両側にまとめた金髪を揺らすのはエステマリア。黒いマジックギア、シュトルマスのサブパイロットで、魔力の供給と魔術の行使を担当する。

「リード、弾を」

 エステマリアがそういうと、シュトルマスは左腰腰に付けたポーチから子供と同じぐらいの大きさはある弾を取りだし、コックピットの前に雷管を向け、胸の位置まで持ってくる。エステマリアはシートから立ち上がり、巨大な弾の前まで歩いて降りてくる。右手で長い金髪を肩の後に払い、その手で雷管に手を触れる。

「術式は?」

 エステマリアが効く。

「指示では凍結術式で着弾点より地面を伝わって広がるアイスフィールド」

 メインパイロットのリードが答えた/命令書に目を通しながらも退屈そうな顔/。

「そう。でもつまらないわね。着弾地点から半径2㎞の窒素の一部を可燃性ガスに錬成、しかる後に発火する術式を組み合わせない?」

 エステマリアは雷管に手を触れたまま、肩越しに後を見る。

「味方を巻き込むなよ」

 リードは彼女を止められるとは思っていない。ならば、提案を受け入れ注意を促せば良い。彼女はそれほどまでに、「切り札」なのだから。

「了解。弾は勿論強装弾よね?」

 エステマリアが腕に魔力をこめると、自然と魔力が弾に注ぎ込まれていく。弾丸の薬莢に銀色に光る文様/弾頭に赤銀に光る文様/が刻まれた。

「出来たわ」

 エステマリアは作業が終わるとコックピットに登り、シートに座る。弾への魔術付与は終わりだ。コックピットハッチが内側から順番に閉まり、胸部装甲ががっちりと噛み合う。

 リードは/右レバーを小刻みに動かし、レバー上にある2つのボタンを押す/シュトルマスの右腕を操作し、右手のハンドキャノンのバレルを追って薬室を露出させる。今し方魔術を付与した弾丸を薬室に装填、バレルを元の位置に戻した。

「射撃姿勢」

 リードが宣言する。

 随伴機、銀色の盾を持った機体、ダルクロードがシュトルマスの左斜め前に膝を突き、右腕をまっすぐ横に伸ばす。

 シュトルマスは腰を落とし、左腕の拳を握り手首を曲げ、ダルクロードの腕に置いた。そして、ハンドキャノンを左手首の上に添える。二つある頭部カメラアイのうち左側に保護シャッターを下ろす。

「アンカーはいいの?」

 エステマリアが聞いた。

「頼む」

 対してリードは短く答える。

 シュトルマスのスカートアーマー先端から青い光が放出され、地面に突き刺さる。

「サークル展開」

 エステマリアの宣言とともにシュトルマスの背後に大きな魔法陣が一つ/ハンドキャノンの銃口の前に何枚もの小さな魔法陣が/展開された。

「完了。術式完成。いつでも撃てるわ」

 銃口の前にある魔法陣が回転を始める。

「――ファイア」

 リードの呟き。

 ハンマーが雷管を叩く。

 雷管から光が翼のように溢れ/銃口から光の線が飛び出した。巨大すぎる音が林立する木々を揺らし、音の壁がシュトルマスを中心に円状に大地を叩いた。

 光の線はまっすぐ敵陣中央に突き刺さる。後から音に叩かれたダルクロードが前に倒れる。

 遅れて遠くの山に反射した発射音が山彦として返ってくる。

 そして、光の線が突き刺さった箇所に光が集まり、爆散した。

ハンドキャノンはトンプソンコンテンダーっぽい奴です。

っていうかそのものをロボットサイズにしたものです。


いいんだよかっこいいんだから。

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