衛星砲 サテライトスナイパーブレイカーwith衛星砲友の会代表が駆るボクスボット
飛矢剣介は動こうとしない相手を物陰から伺う。
今回の対戦相手は剣介と同じく格闘戦重視らしきボクスボットだが、対戦が始まっていこう、開始地点から動こうとしない。
遮蔽物の多い市街地ステージだが、相手の開始位置は大通りで見つけやすい位置にいた。頭部を動かして周囲を確認するという事もしてないので、あからさまに怪しい。相手が狙撃型だったらどうするつもりなのだろうかと剣介はビルの影から見つめる。しかし、敵は動こうとしない。
剣介は今射撃武器を装備して居らず、持っているのは長い柄の先に刀のようなものが付いているポールウェポンだ。説明書にはヒートグレイブと書いてあった。剣介の友人はヒートグレイブを剣介に渡すときに薙刀と言っていた。薙刀と何枚かの爆裂苦無、それだけだ。
ピッケメルクーリオは拡張性は高いが余り積み過ぎると機動性が落ちてしまう。走り回ってチャンスを探す剣介には重装備は必要無かった。
「埒があかない。仕掛ける」
剣介は右手に握る操縦桿に付いたスティックを親指操作し、トリガーを引く。ピッケメルクーリオが腰から苦無を一本取りだした。トリガーを離せば投げるようにセットしてある。準備は出来た。
剣介は大通りに出て、苦無を敵の頭に投げる。見事頭部に刺さり爆発。予備カメラにモニターが変わるまではパイロット次第。剣介は苦無が敵に刺さると同時に駆け出し、薙刀を両手で持って大上段に構え跳びかかる。
敵の腰に付いている筒から何が出て、ピッケメルクーリオの胸に付く。銃身の長や形からいってグレネードでは無いと気付いていた剣介は、無視して薙刀を振り下ろした。敵は両腕を上に掲げ、薙刀を防ぐ。右腕は切断され左腕も半ばまで薙刀が食い込む。
剣介が更に力を入れようと操縦桿を前に倒す直前、敵の左肩付け根から小さい爆発音と煙。敵が自ら左腕を切り離したのだ。
左腕が無くなった敵は剣介の目の前で急速ターンで後を向き、そのままブースターや肩や腰の追加ブースターを全壊稼働して大通りを逃げていった。
「な、なんだ?」
あまりの突飛な行動に拍子抜けした剣介は敵の逃走を見逃してしまった。
敵が大通りを曲がり、見なくなったところで気付く。前から一定のリズムで単純な電子音が鳴っている。ピッケメルクーリオに俯かせ、胸部を確認すると何か小さく点滅するライトが付いた機械が張り付いている。ライトの点滅は電子音と同じリズムであり、機械から機械の長さよりも長いアンテナが伸びている。
「これって」
剣介はピッケメルクーリオの頭を上に向かせ、上空を見た。強く輝く何かがある。筐体のコックピット内に警告がなり出した。赤い警告灯も回転し始める。
滅びの光が振るまで、あと0.5秒。
衛星砲 サテライトスナイパーブレイカーの設定はこのURLです。
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衛星砲友の会代表のボクスボットの設定はありません。