カラミティシング
「これでッ」
ピッケメルクーリオが敵の背後に回り込んで剣を突き立てる。赤いカラーリングのNPC機は機能を停止させる。常ならばこれで勝敗は決まるはずだった。
「あれ?」
飛矢剣介はいつもと違うことに気付いた。とっくに画面に「YOU WIN」と表示されてなければいけないはずなのだ。だが、表示されない。
ふぃに、赤い回転灯が回りだし、画面に「WARNING」という文字が点滅表示された。
「まさか……」
ボクスボットにはトレーニングモードにのみ乱入してくる謎のボクスボットが噂されている。共通するのは人型で黒いカラーリングというだけだが、例外なく強い。剣介はそんな噂を思い出した。
レーダー画面の下の端に光点。剣介はピッケメルクーリオを旋回させ、視認した。
「やっぱり……」
崖の上に立つ、黒いボクスボット。細身のシルエットに、釣り合わない威力を想像させる右肩のキャノン砲。手に持つのは細長い実体剣。立ち姿は威圧的で、周囲に陽炎を発している。
剣介は思い出した。友人に聞いた噂の名を。
カラミティシング。その災厄の名である。
カラミティシングの設定
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