エデンガード
砂嵐が止む。
凪いだ大気は熱く乾いている。
其れは人類に残された最後の地であるエデンを背に、砂にくすんだ巨躯を誇る。
「エデンガード」
誰かが囁いた。
「俺が死ぬまで、いや死んでからもずっと、ずっと持ってくれ」
叶わぬ願いと知りながらも、少年は言わずにいられない。
「頼むから」
絶望に染まった声は弱々しい。それでも、願わずにいられない。
軋むギア。カメラに傷が付いたのか、映像も不鮮明。満足に動けないが、戦わねばならない。
地平線の向こうで、砂が轟音と共に巻き上がる。敵だ。前へ、進んで戦わねばならない。
彼は自分に託された愛機を前へと進ませる。何年も何代も、勝ち続けて自分に託された。だから、自分も勝ち続ける義務がある。護るために。
敵は獣のような、蟲のような化け物で、襲ってくる。理由は分からない。無抵抗で殺されるわけにはいかない。今まで伝えてきた者達を、後で震える人々を、裏切るわけにはいかない。
だから、彼はボロボロの巨人を立ち上がらせる。戦うために。
砂塵が舞った。マントが風に震え、擦り切れた端が更に解れる。砂にくすんだ白い装甲も、軋む関節も、全て受け継がれた誇り。
エデンガードの設定
http://blog.livedoor.jp/tohka_1day1chara/archives/5006449.html