初恋の幼馴染が女の子だった話
男装女子を書きたかった、百合を書きたかった、ただそれだけ。
いつも通り、私、美香は幼馴染の渚を呼んでお泊りをしていた。
渚が先に風呂に入っていいと言うので、入っていると、突然、浴室の扉が開き裸の渚が入ってきてパニックになる。
そして、
私は衝撃の事実に気づいてしまった。
「 ゑ」
「ん?どうしたの?」
と幼馴染の渚が聞いてくるが、私は今、それどころじゃないのだ。
「え、えーええええええええええええええ!!!!!!」
「どしたの?」
と、渚に聞かれ、震える声で、私は
「女子?」
と言う。
すると、渚は意地悪そうな顔で
「あっ、バレちゃった?」
という。
こいつ、確信犯じゃねーか。
「は?は?は?」
「ていうか、気づくの遅過ぎ」
「え??え?」
「語彙力消え過ぎw」
「え、うそぉ、うち、14年間も一緒にいたのに気づけなかったの??????」
「そうだね」
「えぇぇぇ、うそぉ、なばかな」
「…」
「なーんで教えてくれなかったの?」
「いつ気づくかなって思って、面白かったし」
「ぇぇぇぇぇぇぇ、うそぉ、渚が女子って、納得いかない」
「納得しなくても、女子である事実は変わらないけどねぇ」
「だって、渚は男の子、男子じゃん」
「へぇー、その、男子だと思ってた幼馴染を中3にもなって家に上げてたんだぁ?しかも、今回も、この前も、両親いない時なのにぃ?同じ部屋で寝てたんだぁ?」
みかの親はどちらも出張中なのだ。
「ぅ〜」
「て言うか、小さい頃、一緒に風呂入ってたよね?なんで気づいてないの?」
「ぅぇっ?た、確かに?」
「そこに気が向かないくらい、他のことで頭がいっぱいだったのかなぁ?」
と、相変わらず意地悪そうな声色と表情の渚が顔を近づけてくる。
「うっ」
風呂に一緒に入っているので、渚の髪が濡れており、水が垂れててなんか、なんか、えr。
…水も滴るいい男?
……女か。
「おーい、変なこと考えてないで、こっち見てよ」
「水が垂れてて、なんか、なんかちょっと、えr」
「おーい、考えていること、そのまんま、声に出てるよー」
「くっ」
「おーい、戻ってきて〜」
「…」
「ねぇってばぁ〜」
「女子同士、つまり、一緒のベットで寝ても、問題なし!?」
「なんか急だね?!」
「はわわわわわぁぁぁぁ」
「落ち着いて」
と、私が考えていると、なぜか視界がぐらついてくる。
「ちょっ!みか!?」
と珍しく渚の慌てる声が聞こえたものの、そのまま私の視界は真っ白に染まった。
、、、、、、、
「んぅ」
「大丈夫そ?」
「あれ?なんでリビングいるの?うち」
「みかがお風呂でのぼせたせいだよ」
「渚が連れてきたの?」
「そ」
「力持ちすぎない?」
「鍛えてるからね」
「なんで?」
「さぁ?」
「誤魔化されたぁ」
「ん〜対象として見てもらうため、かな?」
「…」
……反則じゃん。
私の初恋、思った以上に面倒なことになったみたい。