乏しき者 持たざる者
ことわざをぶちこむパターン。
逆さにすればちゃりんとメダル落ち
無い袖を振りゃどうにか七分
瓢箪のなか駒をさがしたすえ
棚の奥には ぼたもち並ぶ
乏しき者に豊穣を
——両手で数えて余るだけの
乏しき者に充足を
——きのうのツケに消えないほどの
どうにかありつく そばかす女神の気まぐれに
どうにも止まらぬ 食べかすまみれの欲に泣く
襤褸は着てても心は五色だぜ
月は出ずとも今宵はいい夜
めしは食わねど高く枕 積みあげ
それよりさらに高くいびきかけ
持たざる者に祝福を
——両手を塞がぬ自由だけど
持たざる者に寵愛を
——あしたのねぐら困らねえくらい
なんとか漕ぎ着く 対岸に火事と火の車
なんともならぬが 諦めの悪さ底光り