表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/116

第七十話 ニコヤの遺跡

ニコヤの遺跡の前には、フレディア達がしばらくの間滞在できるように、ギルド総出でキャンプを設立してくれました。


この遺跡は地下二階までは調査が完了しており、一般のギルド員でも自由に出入りは出来ます。しかしここに出現する魔物はかなり上級者向けの魔物が多く、Bランクの冒険者以上が推奨されているのでした。


スターバーストのメンバーが、わざわざ遠いジーノの村まで遠征していたのは、この魔物の強さが問題だったからです。

つまりレベルの低い者が近場で稼げるダンジョンが無いので、レベルアップを兼ねて出稼ぎに出ていたと言う訳です。


地下二階までに出現する魔物は、Cランクのガイコツ戦士やBランクのガイコツ騎士、グールなどのアンデッド系や、Bランク上位の鉄のサソリやサンドワームなど、Bランクの冒険者でも一人では危険な魔物がたくさん出現します。


幸いな事は、二階までのダンジョンに仕掛けられた罠は、すべて解除されている事ぐらいでしょうか・・・。


さて、遺跡の前では、探索するメンバーがすでにスタンバイしていました。

スターバーストのリーダーのリオンとムーンライトのメンバー。

それに言うまでもなくライトブリーズのメンバーです。


スターバーストの他の三名は、まだ危ないという事で居残りを命じられています。

ムーンライトのメンバーは、Bランクに昇格したのはマウロだけですが、他のメンバーも熟練者揃いですし、今回の旅でかなり腕を上げているので、実力的にも問題ないとギルドマスターが判断したからでした。

勿論ライトブリーズ以外のメンバーが探索できるのは、地下二階までとなっています。


「よし、じゃあ行くか!」


ここのダンジョンを経験した事のある、リオンが先頭で攻略が開始されました。


入り口から迷宮内に入ると、細く長い回廊がしばらく続きます。


ここにはたくさんの罠が仕掛けられていたらしく、その痕跡が至るところにありました。


地下二階までは、いたる所にたいまつの火が灯されており、視界は良いのですが、自分の影が不気味にうごめく魔物の姿にも見え、いやがおうにも緊張感が高まります。


細い回廊を抜けると、ガランとした広い空間に出ました。

ここには遺跡を支える柱がたくさん並んでおり、柱にはトーテムポールのような独特な模様が彫られています。

柱に彫られた魔人の顔が、たいまつの火に揺らぎ、まるで本物の魔物のようにも見えます。

その柱を擬視していたマルティーが、思わず声を上げました。


「出たわ!あの柱の影!!」


マルティーの指さす先には、グールが五体も群れてこちらへ向かって来ます。

アンデッド系の魔物であるグールには、物理攻撃はあまり効果がありません。

シラは咄嗟にファイアの上位魔法のフレイムを放ちました。

これで三体を倒し、残った二体はフレディアがアークで始末しました。


「こんなのが群れで襲って来るなんて、やっぱりここはヤバイ所だな・・・」


「ふふん!私がいるから大丈夫よ!」


コローニが嫌な顔をして言いますが、アンデッド系に強い炎の使い手のシラは、得意そうに言いました。


(いや、二体やり損ねたじゃん!)


コローニは、不安そうにシラを見ています。


その後も次々と魔物が襲ってきますが、それらをすべて撃破し、一行は地下二階へ到着しました。


ここからはマウロたちと別れて、フレディア達ライトブリーズだけで地下へと降りて行きました。


長い石の階段を降りた所には大きな空間が広がり、いたるところに食い荒らされた人骨が散乱していました。

話を聞いた50人の探索チームの、その多くがここで命を落としたと思われます。


柱や岩の影からは、死せるアーマーナイトや、悪霊の取り付いたワイトと言ったAランクの魔物が襲ってきました。

それらを倒しながら進んだ先には、細長い回廊が待ち受けています。


「この先は罠が仕掛けられていそうだな・・・」


「じゃあ、アレを使ってみる?」


ハンクの言葉に、フレディアがダーク一家の親分からもらった『盗賊の秘宝』を取り出しました。


フレディアが盗賊の秘宝をかざすと、それに反応して回廊のあちらこちらで、パチパチと赤いプラズマが発生しています。


ハンクが近くにあった石を、そのプラズマの発生している所にぶつけると、床から沢山の槍が飛び出しました。


「こりゃ、ひどいな・・・」


「あちこちに仕掛けがしてあるわね~」


「だから、この回廊には魔物がいないのね・・・」


罠を見たハンク、フレディア、カーナはため息をつきました。


フレディア達はプラズマの発生している所を事前に確認し、仕掛けを発動させていきました。

毒の塗られた吹き矢、落とし穴や落石など、実に多種多様な仕掛けが施されていました。

そして回廊を抜けると、魔物たちが容赦なく襲ってきます。


それらを踏破し、地下四階へたどり着きました。

地下四階には三階以上に壮絶な罠や、強い魔物がうごめいていました。


それらを撃破しながら探索していると、カーナが急に立ち止まり、首を傾げています。


「どうかしたの、カナちゃん?」


不審に思ったフレディアが尋ねました。


「うん、ここね、風の流れが変わったの」

「この壁の向こうに部屋があるかも・・・」


カーナはこの階層全体に微風を巡らせて、何か異常がないか探っていたのでした。


「だとしたら、この柱が怪しいな・・・」


ハンクの言葉に、フレディア達は近くにあった大きな石柱を調べました。

そしてフレディアが、柱に彫られた魔人の口の中に手を突っ込むと、壁が大きな音を立てて開いたのです。


ガ、ガ、ガ、ガ、ガ・・・ガン!!


「これは玄室ね!」


中を覗いたフレディアが、棺の横にある宝箱を見つけました。

その宝箱の中には二冊の書物が納められています。

その内の一つをフレディアが手に取って見ました。


「あらっ?これは魔法書みたいね!」


「インドラの書・・・。これ(いかづち)の魔法書だわ・・・」


フレディアはそう言うと、中身をパラパラとめくってみます。


「ふ~ん・・・。これはかなり強力な魔法書だわね!」

「でも、これを使うには、かなりの魔力が必要になるかも・・・」



魔法書の起源は、光の神々が闇の神々と戦っていた、神話の世界にまで(さかのぼ)ります。

地上を征服しようとする闇の神々と戦っていた光の神が、強大な闇の神と戦うために、自分たちの能力の一部を人に授けたのが始まりでした。


能力を授けるにあたり、神と人は契約を結ぶことになりました。

その契約の書が、のちの魔法書と言われています。


人は魔法書に秘められた魔力を取り入れる事で、魔法が使えるようになりますが、その魔法の威力の強弱は、魔法の属性に適性があるという事も大切ですが、何より強力な魔力が込められた魔法書かどうかで決まるのでした。


今回見つけた魔法書は、かなり強い魔法が秘められているようです。


そしてもう一つの書物の方は・・・。


「いっぱい何か書かれているけど、ぜんぜん読めないわ・・・」


フレディアはカーナやハンク、ルナにも見せますが、だれも読む事はできませんでした。


「これは持ち帰って調べてもらいましょうよ」


そう言うと、カーナは本を大切に魔法のアイテムボックスの中にしまいました。


そして、最下層と言われる地下五階へと降りて行きました。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ