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第四話 ミントの町(二)

ネロとリンダのカップル誕生に浮かれていたフレディアのすぐ横で、二人女性客が壁に貼られた紙を見て話をしていました。


「この捜索願の紙、一体いつまで貼るつもりなのかしら?王女様が行方不明になって、もう12年が経つというのに・・・」


「そうね、あの事件は悲惨だったわ。再び『ダグダルムの神殿』が現れたりしたら最悪よね」


二人の会話を聞いていたフレディアは、壁に貼られていた紙を見ました。

その紙には行方不明の捜索依頼が書かれています。


<特徴>

年齢7歳

茶色の瞳

赤い髪の毛

無事に保護した方には賞金百万ゴールド差し上げます。

ロファ国王


捜索願には、かわいい女の子の顔も描かれていました。

今から12年前に行方不明になった、ロファ王国のマーガレット王女です。


(誘拐事件?ダグダルムの神殿って・・・。何だか大変そうね・・・)


フレディアはしばらく依頼書を眺めていましたが、今は『愛のキューピット』のお仕事中です。気持ちを切り替えて出発しました。


(さぁ、がんばって8人目を捜さなくっちゃ!)


後にフレディアは、この事件に深く関わる事になるのですが、今はまだその事を知る由もありません。


フレディアがやって来たのは、レストランです。

楽しく食事を楽しむ客や、店のカウンターで一人お酒を飲む客など、沢山の人でにぎわっていました。

フレディアは期待しながら、一人一人の心の声を聞いて回ります。


食事をしながら、楽しそうに会話する二人の女の子の声は・・・。


「もうすぐ収穫祭ね。もうダンスパーティーのパートナーは決まったの?」


「それが、まだ決まっていないのよ。誰かプロポーズしてくれないかな・・・」


(あ~残念!誰かこの子にプロポーズしてくれそうな人はいないかな~)


フレディアはキョロキョロと周りを見回し、カウンターの隅っこでお酒を飲んでいる、若い男の子に目を付けました。


「はぁ~。かわいいな、バニーのモモちゃん。だけど好きな人がいるみたいだし、俺じゃ無理か・・・。」


そう言いながら、大きくため息をついています。


(あっ!恋の片割れ発見!)

(で、バニーのモモちゃんって、どこ?)


「あっ!あのうさ耳のカチューシャをしているウエイトレスさんね!」


(あっ!この人、すごくかわいい顔をしているわ!きっと男の子にもてるんだろな~)

(あれ?でもよく見たら、オリビアにそっくりね!)

(まさか、オリビアの旅行って、ここのアルバイト・・・)


フレディアは、お店の窓をジッと見つめているモモちゃんに声を掛けました。


「はぁ~・・・。あの人、今日は来てくれないのかしら・・・」

「いつも窓から、私の事をジッと見つめるあの人・・・」

「銀色の髪を風になびかせ、青い瞳の涼やかな顔をしたステキなお方・・・」

「でも、いつもお店の窓からこちらを見ているだけなのよね・・・」


(う~~ん、カウンターの男の子は片想いかぁ~。残念ね~)

(でも、モモちゃんの言う銀色の髪の人が現れたらチャンスだわ!)


フレディアは気を取り直し、もう一人の青い髪のウエイトレスに声を掛けてみました。


「ベゼル、大丈夫かな・・・。いくらお金が必要だからって、冒険者ギルドなんかに入って、もし怪我でもしたら私・・・」


「あぁ、神様!どうかベゼルをお守りください!」


(あっ!この子はベゼルが好きなのね!)


その時、カウンターの中のマスターから彼女に声がかかりました。


「ハンナちゃん、これ5番テーブルのお客さんに頼むよ!」


「はーい!マスター!」


(この子の名前はハンナって言うのね!)

(よ~し!冒険者ギルドへ行ってみよっと!)


今日のフレディアは、大忙しです。

今度は冒険者ギルドを目指して駆け出しました。


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