表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/116

第三十一話 妖精の森へ出発!

「そうか!いや、良く分かった!」


「ハンク、疑ってすまなかった!!許してくれ!!」


村長はハンクに頭を下げました。


「分かればいい。疑われるのは、子供の頃から慣れているからな」


「それではハンク。その人たちと一緒に、妖精の杖を探しに行ってくれるのだな?」


「あぁ、村長さんの奥さんも、いつまでもその姿じゃ困るだろうからな」


「すまんハンク!よろしく頼む」


「その代わり、俺が帰って来るまで、ルナをここで預かってもらえないか?」


「・・・・・・・・」


「ダメだ!お前は一緒に連れて行けない!とても危険な所なんだ!!」


「・・・・・・・・」


「お~っ、ほっ、ほっ、ほっ・・・。それは良い考えですわ!」

「このお嬢様が行けるような場所ではございませんからね!」


「ご安心なさい!このお嬢様は、わたくしが責任を持ってお預かりいたしますわ!」


そう言うと、貴族風の夫人は、ルナをハンクから引き離しました。



「よし!じゃ、行こうか。フレディア、カーナ!」


「う、うん・・・」


村長の家を出る時、フレディアは、ルナが気になって立ち止まりました。

その時です。


「いけませんよ!あなたはわたくしがお預かりいたします!!」


ドン!


ルナは夫人を突き飛ばし、家を出ようとしていたハンクにしがみつきました。



「・・・・・・・・」


「お、おい、ルナ!」


「・・・・・・・・」


ルナはハンクにしがみついて、離れようとしません。

その必死な姿を見たフレディアとカーナは、二人を引き離してはダメだと直感しました。


「ねえ、ハンク!ルナも連れて行ってあげようよ・・・」


「言っておきますけどハンク!あたしたちって、けっこう強いのよ!」


フレディアとカーナは、ルナが一緒に行けるようハンクにお願いしました。


「まぁ、確かにお前たちはCランクの冒険者だったな・・・」


「ルナの事は、わたしたちで守ってあげるから!」


「・・・・・・・・」


「ふ~~~っ!仕方がないな、一緒に行くか!」


フレディアとカーナの必死の説得で、ルナも一緒に行く事になりました。

ルナとてもは嬉しそうにしています。



貴族風の夫人は、忌々しそうにハンク達を睨みつけていましたが、足元にスカーフが落ちている事に気付きました。

先ほどルナが突き飛ばした時に落とした物です。


「こ、このスカーフは!!」


拾ったスカーフを広げた夫人は、驚きの声を上げました。


「間違いありませんわ!やはりあの娘は・・・」



魔物の巣窟となっている坑道を、探索しながら進むというので、フレディアたちは入念に旅の準備を行いました。

目的の妖精の里まで何日かかるのか分からないので、食料と、お菓子をどっさりと買いこみました。特にお菓子はフレディアとカーナが入念に時間をかけて選んでいるので、ハンクはすごくダルそうに見ています。

けど厳選したお菓子をルナに渡すと、すごく喜んでいたので、ハンクも納得したようです。


「女の子って、こんな物が好きなのか・・・」


ルナからもらったアメをなめながら、首をかしげています。


次に訪れたのは武器屋です。

フレディアとカーナの武器は、ミントの町で予算10ゴールドで買った量産型のチャッチイ武器なので、今回一新する事にしました。

お金はBランクの依頼で稼いだお金がまだ残っているので、ちょっといい武器を買います。


フレディアは70ゴールドのロングボウを、カーナは槍先にミスリルを使った85ゴールドのロングスピアを買いました。

ルナは回復魔法が得意なので、魔石が埋め込まれたロッドを80ゴールドで買います。


ハンクは、今使っているブロードソードと、ミスリルソードの2本を鍛冶屋で研いでもらいました。ハンクは怪力の持ち主なので、重い剣を片手で振り回す二刀流です。

魔法は、坑道や洞窟での戦闘に特化している、土属性の魔法を得意としています。


魔法といえば、天使のフレディアとカーナがずば抜けていますが、ルナもかなりの魔力を秘めていたのには、二人とも驚いていました。


『フレディア』

・リカバー・・・・味方全体に傷の治癒と体力の回復。

・フラッシュ・・・強烈な光で敵を盲目状態にする。

・アーク・・・・・レベルは3段階あり、敵全体を聖なる光の力で殲滅する。

         アークⅡ(神の裁き)・アークⅢ(断罪)

・???・・・・・秘密の必殺技だそうです。


『カーナ』

・そよ風・・・・・味方全体の体力を回復。

・さわやかな風・・味方全体に毒と睡眠状態の治癒。

・涼やかな風・・・味方全体に混乱状態の治癒。

・おくびょう風・・洞窟やダンジョンからの脱出。

・突風・・・・・・敵全体に風属性のダメージを与える。

・木枯らし・・・・敵全体に風属性のダメージと凍結効果を与える。

・大旋風・・・・・敵全体に風属性の大ダメージを与える。


『ルナ』

・ヒール・・・・・味方単体の体力を回復。

・キュアー・・・・味方単体の毒の治療。

・ガード・・・・・味方全体に物理攻撃からの防御。

・マジックバリア・味方全体に魔法攻撃からの防御。

・パワーアップ・・味方単体の攻撃力のアップ。


『ハンク』

・石つぶて・・・・敵全体に石を放つ。

・土質変化・・・・土を柔らかくしたり、固めたりする。



「よし!準備は整った。さっさと坑道を突き抜けるぞ!」


ハンクの号令で、フレディア達は坑道の中へ入って行きました。



入り口から少し進むと、もう辺りは真っ暗闇です。

魔法の得意な三人娘は、魔道具の『ホタルン』をかざしました、すると少し緑色のかかったやわらかい光が辺りを照らします。


この魔道具は、金細工で作られた籠の中に、魔力に反応して光る蛍石(ほたるいし)が入っており、微量の魔力に反応して明るく光る仕組みになっています。

お値段は一つ70ゴールドとお高いのですが、ずっと使えるアイテムなので、ダンジョンの探索には必需品です。それにこの蛍石はジーノの村の特産品でもあり、ミスリルに代わる資源として、いま注目されている物でした。


フレディアたちは、ホタルンを腰にさげて暗い坑道を進みます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ