表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/116

第十伍話 魔物との遭遇(二)

「お、おい!今のは何だったんだ?魔法なのか?」


槍使いのコローニが、魔法使いのシラに聞きました。


「分からないわ。だって詠唱なんて無かったし、全部一瞬で倒したのよ?」

「こんな魔法あり得ない・・・」


「確かに!ホーネットを倒したのは風の魔法のような気がするが、オークを倒したのは見当がつかん」


僧侶のマイオスが、腕を組んで首を傾げています。


「オークが倒れる寸前、体が光ったような気がしたのだが・・・」


「あたしも見えた!少しだけど、光ったような気がしたよ」


マウロの言葉にマルティーが同意しています。


「えっ?だとしたら・・。ま、まさか光の魔法なの?!」

「わたし、そんなの見た事がないわ!」


シラは驚いてフレディアを見ました。


数ある魔法の中でも、光属性の魔法は最上位にランク付けされています。

僧侶などの聖職者が使う回復魔法も光属性ですが、それらは補助系の魔法で、ごく一般的に普及していますが、こと攻撃魔法となれば話は別です。


魔物は強ければ強いほど闇の力が増大します。それに打ち勝つ魔法が光の魔法であるため、光属性の攻撃魔法は最強魔法と言われているのです。

人でその魔法を使えるのは、勇者だけだと言われていますが、もちろんフレディアは天使なので、その力は人の比ではありません。




「カナちゃん、ミントの町に帰ったらどうする?」


「そうねぇ・・・。護衛を雇うにも、あたしたちお金がないし・・・」


「困ったね~」


「何か簡単にお金がもらえる方法はないかしら・・・」



二人がこれからの事を相談していると、リーダーのマウロがフレディアの所へやって来ました。


「すまない!仲間を代表してちょっと聞くが・・・」


「あの~。君たちって、いったい何者なの?」



「キャハハ!天使だよ!」


「て、天使?!」


「確か、最初に会った時もそのような事を言っていたけど・・・」


「天使ねぇ・・・」


首を傾げながら、すごすごと仲間の所へ帰って行きました。



そのまま昼食を摂った後、再び出発する事になりましたが、マウロがフレディアたちに提案してきました。


「さっき倒した魔物だけど、一応俺たちが回収しておこうか?」


「えっ?魔物の回収・・・ですか?」


「あの、みなさん魔物を倒したら、必ず回収していますよね?」

「どうしてですか?」


カーナは前から疑問に思っていた事を尋ねました。


「あぁ、ギルドに持ち帰って換金してもらうんだよ」


「えっ!魔物って、お金になるんですか?」


「そうだよ」


「えっ、じゃあ・・・」


「あぁ、もちろん君たちが倒した魔物もそうだ」


「だけどギルドの会員じゃなかったら、引き取ってもらえないからね」

「今回は俺たちが君たちの代わりにやってあげるよ」


「やった~!」


フレディアとカーナは大喜びです。


「カナちゃん、魔物を一杯倒したら、おやつも一杯買えるね!」


「そうね!でもギルドの会員でなければダメって話だから・・・」


「ねぇフレディア!あたしたちも、ギルドの会員になった方がいいんじゃない?」


「会員?」


「えぇ、だってお金も稼げるし、それにDランクなら関所も通れるって兵士さんが言ってたじゃない!」


「本当だ!そうしょうカナちゃん!」


「ねぇ、マウロ!わたしたち、ギルドに入りたいんだけど!」


「えっ!?ギルドに入る?」


「う~ん、どうなんだろう・・・」


「たぶんいけると思うけど・・・」


マウロは後ろにいたコローニに尋ねました。


「確かに、ギルドは実力主義だから、年齢制限はなかった気がするな・・・」

「いけるんじゃねえか?」


「そうね。適性検査と認定試験があるけど、この二人なら問題ないわね」


シラがフレディアとカーナを見て、そう言いました。


「でも、Dランクだと4人以上のパーティでないと、関所は通れないわよ」


「未熟な冒険者たちが魔物の犠牲になる事が多いので、Dランク以下の冒険者は、4人以上のパーティーを組むことが義務付けられているの」


「そう!ソロで活動するには、Cランク以上でないとダメなのよ」


シラとマルティーが教えてくれました。


「そっか!じゃあギルドに入ってCランクになればいいのね!」


そう言うと、フレディアとカーナはハイタッチで盛り上がっています。


「ま、何とかなるっしょ!」


マウロはそう言うと、みんなに出発の号令を掛けました。


それからミントの町までの旅は楽勝でした。

魔物を倒せばおやつに換わる事が分かったフレディアたちが、全部倒してしまうのです。

しかも、いとも簡単に・・・。

こうなったら、さすがのCランク冒険者のムーンライトも、もう笑うしかありません。

そして翌日には無事ミントの町へ到着しました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ