第十一話 町はもう大変!
ミントの町に到着すると、カーナが慌ててフレディアへ告げました。
「あ、あのねフレディア。ちょっとお話ししておきたい事があるの!」
「えっ?話しておきたいこと?」
「う、うん。実はね、今ちょっと町が大変な事になっているのよ・・・」
「えっ?大変な事?!それってどんなことなの?」
「それがね・・・。どうも人間と動物が入れ替わってしまったみたいなの・・・」
「ええっ!!人間と動物が入れ替わった!?それって一体どういう事!?」
「と、とにかく、詳しい事はセレノス様にお会いしてから・・・」
「そ、そうね。で、セレノス様はどこにいるの?」
「さ、さぁ・・・。たぶん、町の中をウロウロしていると思います」
「ウロウロね・・・。町が大変だっていうのに・・・」
フレディアは目を細めて町を見みましたが、気を取り直してカーナに向き直りました。
「とにかく、町の中を徹底的に捜してみるか・・・」
「入れ替わった人と動物もチェックしてね。たぶん十八人ぐらいいると思うわ」
「げっ!そ、そんなにいるの?」
「大変ね・・・」
「フレディアがんばって!ファイト!!」
と言う訳で、セレノス様を捜しながら、町中の『人と動物』を見て回りました。
『人に化けた動物』は、意外と簡単に分かりました。声を掛けても返事がなく、変な行動を取っているからです。
でも、『動物に化けた人』の場合はちょっと複雑です。
町の武器屋では、弟子の男が困っていました。
「親方が急にいなくなったので、今商売出来ないんだよ」
「悪いけど、また今度来てくれないか?」
「それにしても、邪魔な馬だな!こら!早くここから出て行け!!」
ドカッ!!
「ひひ~~~ん!」
「あわわわ・・・」
どうやら親方は馬にされたようですが、弟子はそれに気づいていないようです。
宿屋ではネロが大騒ぎしています。
「た、た、た、大変だ!リンダがいなくなって、いつもの場所にニワトリが・・・」
試しにフレディアがニワトリに声を掛けてみました。
「コココ?」
「ケッコウ?」
「いや、わかんないし・・・」
どうやら宿泊するかどうか、聞いているようですね。
教会では、羊が必死に神父様に何かを訴えかけていました。
「メ~~~~~ッ!メェ、メェ、メェ~~~~ツ!」
「おぉ、迷える子羊よ!あなたは一体なにが悩みなのですか?」
神父様は、羊を相手に困っておりました。
レストランでは、モモちゃんが元気に働いていました。
「いらっしゃいませ!」
「マスター!三番テーブルのお客さん、干し草のお代わりで~す!」
「最近、変わったお客様が多いのよね・・・」
モモちゃんは頬に人差し指を当てて、首をかしげています。
「もう、メチャクチャね・・・。頭が痛くなってきたわ・・・」
「フレディア大丈夫?」
農家の家では、お爺さんが椅子に座っているニワトリを見て落ち込んでいました。
「わ、わしゃ、どうもボケが始まったようじゃ!」
「ばあさんがニワトリに見えるようになってしもうた・・・」
「もう、頭がガンガンしてきた・・・」




