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1話 転生した

声が聞こえる。


「お……さい……」


「おき……なさ……い」


「起きなさい」


僕が目を覚ますと、床の冷たさを感じた。

どうやら僕は床に倒れていたらしい。


起き上がり周囲を見渡すと白一色の空間に高級そうな調度品が置かれた部屋に居ることがわかった。


ここは……どこだろう……

 

部屋の中心に白いローブを着た三人の女性が僕を見ている……


「やっと目が覚めましたね。気分はどうですか?」

女性の一人が僕に話しかけてくる。


「ここは……どこですか?僕はどうしてここにいるんでしょう?」

どうしてこのような場所に居るのかわからず、混乱している僕に女性は穏やかな笑顔を向ける。


「ここは天界です。私たちはここの管理をしている女神です。ロキ、あなたは人族に転生したのです。」

どうやら僕は転生したらしい。転生したといっても過去の記憶もなければ自分の名前もよくわかっていない。


「あの……ロキというのが僕の名前ですかね?転生したということは、僕はどこかで死んだんですか?」


「あなたの名前はロキです。あなたは1000年前のマインガルドで起こった終末の厄災という大きな戦争で死にました。魂に大きな損傷があったのですぐに輪廻転生できず私たちが保護していました。やっと転生できる状態になったので、あなたを転生させたのです。これからあなたにはマインガルドで生活をしてもらいます。自由に今のマインガルドで過ごしてください。私たちはあなたの体験から今のマインガルドの状態を把握します。冒険者として生活してもいいですし、あなたが望むのなら過去の記憶もきっかけがあれば知ることができるでしょう。」


「新しい生活……今の僕はなにも知らないので、世界がどうなっているのか知っていきたいと思います。不安はありますが、自由気ままに過ごしてみます。」

今の僕には記憶も経験もなにもない。自由に過ごせと言われるなら自由気ままに様々な経験をしてみようと思う。


「あなたにこれを渡しておきます。前世のあなたが使用していた魔法の袋です。これはあなたが物を入れる、出すことをイメージしながら袋に触れることで使用できます。中身には多少の食糧とマインガルドのお金を入れておいたので使ってください。」

どうやら前世の僕は便利な物を持っていたらしい。使用方法を女神に教えてもらい旅立ちの準備が進んでいく。


「ロキよ、これだけは忠告しておきます。人前で転生者であることを話してはいけません。あなたのように転生してくるケースは稀なのです。記憶喪失などとごまかすようにしなさい。準備ができたらあなたを王都に飛ばします。新しい人生を楽しみなさい。」

 

胸の高鳴りを感じる……記憶もなく知らない世界に旅立とうとしているはずなのに不安より好奇心が勝るようだ。

 

新しい僕の人生が始まろうとしている。

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