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Lv40 断片的な記憶
【熱い!】
「それを言うなら“暑い”だろ、いや、確かに、これは、熱い…」
俺とクームは灼熱砂漠の無限に続く砂の海を横断していた。
ヒカルが流れつくと思われる三日月海岸を目指す為には、間にあるこの砂漠を必然的に通らなければならない。
「なぁクーム、暑さを紛らわす為に1つ話をしよう」
【?】
「俺は6歳の時、雨の日に玄関前で倒れていたところを婆ちゃんに拾われたんだ」
【……】
「それで、俺は婆ちゃんに育てられた。酒場のマスターとウォルターは一緒に育った幼馴染なんだ」
【そうだったんだ】
「でな?俺が言いたいことなんだが、10年前まで、ここら一体は草原だったことを知ったんだ。そして、同時に三大都市の“聖魔街”が滅びた」
【……】
「婆ちゃんは何も教えてくれなかった、10年前に何があったのか」
「もしかしたら、俺が記憶を失くした原因は10年前に起きた“何か”が関係してるんじゃないかって」
【それは……】
「つまり、その、三日月海岸に行く前に寄り道しても良いか?」
【……】
【いいよ、行こう!∠(`・ω・´)】
俺は軽く微笑み、寄り道で聖魔街があった場所へと向かうのだった。