Lv38 旧No.1勇者パーティーの解散
――ここは勇者ギルド“ヒーローベース”
全ての勇者たちはこのギルドによって管理されている。
三大都市の1つである聖剣王国に本拠地を構えているのだ。
「クソッ!!クームの野郎!!頭に乗りやがって!!落ちこぼれがァ!!」
「ハルヤ…飲み過ぎよ…」
「うるせェ!そもそもテメェらが負けたのが全ての敗因だろうがァ!?」
「勇者殿、我々の力が及ばず申し訳ない」
「どいつもこいつも役に立たねェなァ!もういい!お前ら追放だ!二度と俺の前に現れんじゃねェ!!」
「そんな!ハルヤ!!」
「うるせェ!クームと魔法使いの野郎…絶対にブチ殺してやるゥ…!!」
エデンがハルヤを追いかけようとするのを戦士が止めた。
「ちょっと!?止めなくていいの!?」
「…勇者殿が決めたことなら、我らに口出し出来る話ではないだろう」
「そ、そんな…ハルヤ…」
「おやおや、どうしたのかな?お二人さん?」
彼らに声をかけたのは、勇者ギルドの最高責任者ギルドマスター、見た目は白髪で長髪の糸目の男だ。
「ぎ、ギルドマスター、お疲れ様です」
「ちょっと聞いてよギルマス!ハルヤが私たちを追放するって!ありえなくない!?」
「またですか、相変わらず傍若無人な方ですね」
「私たちこれからどうしよう、路頭に迷っちゃう!?」
「あれ、No.1勇者パーティーの方々っすよね?」
悲壮感漂うこの場に現れたのはフードの友人であるウォルターであった。《1話参照》
「お前は、No.2勇者パーティー所属のハンマー使いのウォルターか」
「今ではNo.3っすけどね、話は少し聞かせてもらいました。もし良かったら俺の勇者に相談してパーティー入れるか聞いてみましょうか?」
「いいの!?」
「聞いてみないとわかんないっすけど、シグさーん、ちょっと来てほしいっすー」
ウォルターの呼びかけで更に現れたのは銀髪で長身の男、スラッとしたスタイルとクールな雰囲気が彼のお洒落さを際立たせる、彼が現No.3勇者パーティーの勇者シグである。
「や!ウォルター、急に呼んでどうした?」
「彼らがハルヤに追放されたらしいんで、俺たちの勇者パーティーに入れることって出来ないっすか?」
「えぇ?全然いいよ!2人とも大歓迎さ!」
「ほんと!?やった!ありがとう勇者様!」
「……」
「あれ、浮かない顔してるっすけどどうしたんすか?」
「シグ勇者殿、お気遣い感謝します。だが、俺にはやらないといけないことがあります。なので…」
「え?一体何をするっていうの?」
「全てが終わった時に言う、だから俺は行けない」
「…そう、じゃあそのやらないといけないこと?が終わったらおいでよ!」
「…ありがとうございます、ではまた会いましょうギルドマスター」
何かの決意を固めた目をした戦士はギルドから出ていった。
「必ず暴く、勇者殿の真意を」