Lv32 因縁の決闘!魔法使い vs 賢者
「劣化が私の相手をするの?笑」
「懐かしいな、と言っても2ヶ月前だったか…。
俺を追放して、僧侶の上位職、賢者であるテメェを入れるって言い出して」
――2ヶ月前、酒場にて
「厄介者の熱血戦士を追放して1週間経つが、やはり俺の見立て通りだったなァ!ハッハッハ!」
「だが、あいつの強さは目を見張るものがあった。そうやって追放ばっかりするのをやめろよ、ハルヤ」
「あァ?お前俺のやり方に指図する気かァ?魔法使いの分際で偉そうにするんじゃねェよ!!」
「……ッ」
「勇者殿、戦士が抜けた今、僧侶を雇うのはどうだ?」
「僧侶ォ?」
「一般的な勇者パーティーは勇者と戦士が前衛で戦い、魔法使いが中衛から援護し、僧侶が後衛から支援する。これは初代勇者が定義した、最適攻略パーティー論だ。」
「そうだな、その心配は必要ねェよ」
「何?」
「今日、新メンバーが入るんだからなァ」
「それが私!賢者のエデンでーす!」
「賢者!?僧侶の上位職か!それは頼もしい!」
「きゃー!勇者様ちょーイケメンなんですけどー!」
「そして、拗ねて酒を飲んでる魔法使いに朗報だ」
「…なんだよ」
「お前、今日で追放な!」
「…!?はぁ!?なんでだよ!?」
「賢者の私は攻撃魔法も回復魔法も使えるの!」
「つまりィ、お前はもう必要がないってことォ!さっさと荷物まとめて俺の前から消・え・ろ!(親指を下げる)」
「……ッ!!」
「ねぇねぇ!あれってNo.1勇者パーティーのハルヤ様じゃない!?」
「きゃー!ハルヤ様ー!」
ワイワイガヤガヤ
「ば……」
俺は言おうとしたことをグッと飲み込み、ハルヤに背を向け酒場から出ていった。
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「あなたが私に勝てる確率はゼロパーセント!さっさと降参してくんない?」
「やってみなければわからないだろ」
「そう?これを見てもまだ言える?」
そう言うと、杖を構えて目前に“ブラックホール”を生成してしまった!
「な!?闇魔法!?お前、魔族なのか!?」
「私は獣族だからね…!闇魔法はお手の物ってこと…!」
「バカ!何をやってんだ!大陸を丸ごと消すつもりか…!?」
「は?何言ってんの?」
「獣族は魔族を追放された種族だから、闇魔法を使えば人族と同じように普通に身を滅ぼすことになる!!」
「そんなこと聞いたことないし!勝手なこと言うな!」
「膨大なエネルギー…何とかしないと全員お陀仏だ…!」
「痛っ!何!?腕が焼けてる…!?」
「おい!絶対に杖を離すなよ!?」
「劣化に打つ魔法…よ…!!」
「打てるわけないだろ!!これはどうしたら…!!」
「打て…ない…助…け…て!」
「今…なんとか…して…やれるのか…?耐えろ!頑張れ!!」