Lv31 頂上決戦!怪盗 vs 戦士
「ハッハッハ、展開が早すぎてついていけないよ」
「それはこっちのセリフだ!俺はまだこれが現実なのか信じ切れていない」
「だったら私がお前の頬を引っ叩いてやろうか?」
「面白い、やれるものならやってみろ!No.1!」
そう言うと、斧で私に高速の斬撃を浴びせてきた
「…!速い、さすがは師匠が元いたパーティーなだけはある」
「なんだなんだ?避けてるばっかりでは勝てない…ぞ!」
「おっと…私の短剣ごときに抑え込まれているようだが大丈夫かな?戦士くん?」
「ハハ、その余裕っぷりは俺が本気ではないことを見抜いているだろ」
「息切れすらしていない相手を誰が本気と思う?」
「良かろう!俺がハルヤに選ばれた理由を教えてやろう!」
「来る…ッ!!」
「歯を食いしばれ!圧・魔・波!」
「なんだ…!この地響きは…!…がぁッ!?」
何が起きた!?奴が斧を扇子のように振ったかと思いきや、地面に叩きつけられた。
「かはッ!かはッ!!」
「迂闊に近づかなかったのは良い判断だったと思うぞ、だが、力量に差があり過ぎたようだ。」
「はぁ…はぁ…」
「最後に言い残すことはあるか?No.1」
「はぁ…はぁ…私には…師匠の知恵も…無ければ、クームのような…勇気は…ない…!」
「…」
「……だけど!私にだってプライドがある!今度は怪盗の力を見せる番だ!」
「負け犬の遠吠え…か、歯を食いしばれ!圧・魔…!」
「ロング・スイーパー!」
「な…!?これは…ヨーヨー…!だが、私の体に巻きつけるだけでは糸を切れば終わりだが?フンッ!」
「無駄だ!その斧は魔法特化型の武器、その程度の鋭さで私のヨーヨーは…斬れな…!」
――ブチッ!
「…!!」
「斬れない?そう言ったか?」
「馬鹿な!?あり得ない!!斧ごときで私のヨーヨーが…!?」
「確かに普通の魔法特化型の武器なら不可能だったかもしれない、しかし運が悪かったな!俺の武器は“ガイアモンド”で出来ている!斬れぬものなど…ない!」
「馬鹿な…馬鹿な…ッ!!」
ガイアモンドだと…!?遥か遠い太古の時代、
神が人間と創り上げたとされるこの世で最も硬い物質。
だが、その技術は初代魔王の手によって途絶えたと聞く。
なぜ、存在するはずのないガイアモンドがある…?
「お前…正気か?ガイアモンドの技術は滅びた事を知らないのか?」
「確かに“人間の”技術は滅びたようだな」
「どういうことだ!!」
「なぜ今から屍になる者に教えなければならない」
「……ハハ!」
「…なんだ…その笑みは…!」
「ハッハッハ!戦士くん!教えておこうじゃないか!一流は常に最悪を想定するものだと!」
「何…?」
「THE・ENDってねッ!!」
「グアァアァア!!」
私が指を鳴らすとヨーヨーの本体から楕円形に針が飛び出した、その針は戦士を貫いた!
「グ…アァ…!」
「無理に動かさない方が良い、内臓を潰すことになる。」
「圧・魔・波さえ放てていれば…!」
「残念だったな、相手がNo.1賞金首の私で。正直素晴らしい技だったよ」
「……」
「それじゃあ聞かせてもらおうか、ガイアモンドが使われていると言うこの斧についてと…」
「なぜ、“元”No.2賞金首のお前が何をしているのか」