Lv29 魔人ブルーの出現
気がつくと俺はどこか広い大きな庭の中にいた
辺りをよく見回すと庭には
木が一本生えていてブランコがついていた
目の前に建っているのはお城のようだ
後ろから声をかけられ振り向くと
高貴なワンピースを着た女の子が微笑み立っていた
前にも見た光景だ。だが彼女を思い出せない…。
続いてわんぱくそうな男の子と内気な男の子も
俺の横を通り過ぎてブランコの近くに向かった
3人が俺を呼んでいるようだ
俺は何をすれば良い?前よりも意識がはっきりしている。
彼女達の元へ行けば、この世界は終わってしまう。
「お前にはタイムメモリーをまだ自由に掌握出来ない」
「!?」
「声すら発する事が出来ないのを見るに、解放しているのは“視覚”だけか」
「…!」
「俺か?会ったことあるだろ?と言ってももう覚えてはいないか、お前の幼少の頃の記憶は俺が“消した”からな。」
「…!…!!」
「これ以上足掻いても、何も得る事は出来ないだろう、そろそろ現実に戻って来い。話をしよう」
「!!」
眩い光と共に俺は目を覚ますと、さっき見た者がいた
急いで俺は距離を取って、質問を投げかけた
「何者だ!人間ではないだろッ!!」
「安心していい、俺はお前と同じ人間だ」
「あり得ねぇ…俺の夢に入るなんて正気の沙汰じゃねえだろ!!」
「俺は魔人…ブルーとでも名乗ろうか?」
「魔人…?魔法使いの上位職…か?」
「上位職なんて生温い、神域職だ」
「神…?域…?」
「魔法使いは普職、魔道士が上位職…
そして、神域職が魔人ということだ。」
「神域職なんて聞いたことない…嘘をつくのはやめろ!」
「神域職は禁断の領域だからだ、簡単に人間が触れられないように先代の勇者達が存在を隠したのだ。」
「先代…婆ちゃん達が…!?」
「一度神域へ踏み入ると“運命”と戦わなくてはならなくなるのだ、それは不幸だらけの茨の道なのだから」
「運命…?さっきから理由のわからねえことを…!!」
「その杖を下ろしてくれないか、時間が無いからな。お前はもうすぐに大決戦を迎えることになる、だから必勝魔法を教える」
「大決戦だと…?オーク達と戦ったばかりで勘弁してくれよ…それに、色んな情報が頭に入り過ぎて必勝魔法どころじゃ…」
「こっちへ来い、クームとヒカルを巻き込むわけにはいかないからな」
「なんでこいつらの名前を…」
一体全体この手際の良さはなんなんだ…
理由も分からず俺はブルーについて行った