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ゼロレベル  作者: 光大地
Ⅳ章 戦乱のアイドルコンテスト
24/44

Lv23 勇者の人助け

前回のあらすじ!

魔法使いフードが謎の夢を見た!

英雄には真実を告げなかった。

怪盗ヒカルはどこかへと行ってしまった。

フードは勇者クームを探しに行く!

それでは本編行ってみよう!

ヒカルと別れた後、俺はガヤついた市場にたどり着いた。さすがは世界最大の貿易都市と呼ばれるだけはある。昨年の()りで2000万ダルで龍竜の(つるぎ)が落札したと聞いた時には、世間がざわついたものだ。確かウォルターの所属する勇者パーティーが競り落としたんだっけか。自慢された時には「ハルヤは王者の剣を持ってるんだぜ!?」って対抗したっけか。あ、王者の剣ってのは聖剣王国がNo.1勇者パーティーに贈る代物だから、競りに出せば1億ダルはくだらないんじゃないかな。と思いつつ俺が歩いていると、とんでもない物が目に飛び込んできた。

マギツネの面である。何がとんでもないかって?この面を被ると面を外さない限りは正体がバレないという、とんでもない伝説の装備だ。まさか一般の市場で売られているとは侮れないな…。買いだな。


「なぁ、おっさん。この面はいくらだ?」

「…なんだ冷やかしか…?そういうの結構だから。」

「いやいや!マジで買いに来たんだよ!この面のデザインさ、好きだったからさ!」

「お、なんだ。話がわかる小僧…。ん、お前は英雄を元に戻した魔法使いか?」

「え?なんで俺を知って…」

「あったりまえだろ!ウルフタウンを救ってくれたんだ!知らないはずがないじゃないか!」

「そ、そんなに興奮することか…?」

「英雄は狼化することを除けば、ゴミ拾いに街の警備に…みんなから親しまれてたからな」

「…そうだよな」

「ウルフタウンを救ってくれた勇者パーティーの魔法使いとあらば値段を安くしようじゃないか!」

「マz…!…いや、俺達は別に見返りの為に戦ってるわけじゃないし、英雄が元に戻った。それだけで俺は嬉しい限りだよ」


と俺が振り返ると、いつからか話を聞いていた。昨日の酒場連中達とかが沢山集まっていた。

話終えると同時にウオオオオオ!と歓声が上がった。


「何から何まで出来すぎたやつなんだよ魔法使い!」

「見返りの為に戦ってるわけじゃない…カッコいいわぁ!」

「お前達勇者パーティースゲェよ!スゲェよ!」

「まだ今は何もしてないだろ!?野次馬を作るんじゃねえって!」

「魔法使い様!これ魔王討伐の役に立ててください!」

「魔法使い様!これも持っていってくれよ!」

「魔法使い様!サインくださぁい!」

「ちょっ!いらないって!っつーかサインって…危ない契約書じゃねぇーかぁ!」

「魔法使い様!今日のアイドルコンテストの特等席チケットです!よろしければ私を見に来てください!」

「はぁ!?意味わからないって!英雄を元に戻したくらいで大袈裟過ぎるって!!!」

「って!!」

「って!」

「って」


俺はなんとかあの野次馬から逃げ出すことに成功して、人の気の少ない通路まで来た。たくっ、何が奴らをここまで駆り立てるんだ…。まぁでも…悪い気はしないかも…な。

俺が入り浸っていると、子供のすすり泣く声が聞こえた。よく見て見ると家の前の階段に座って泣いている女の子がいた。


「ほら、ハンカチ貸してやるから泣くなって」

「うぅ…。お兄ちゃんありがと…。」

「一体全体何があったんだ?」

「あのね…。私ね…。あっちの公園で遊んでたの…」

「それで?」

「そしたらね…。草むらからね…。スライムが出てきてね…。帽子を取られちゃったの…。うぅ…。」

「それで泣いているのか?」

「それでね…。さっきね…。私が泣いていたらね…。無口の人がね…。私の帽子取り返してくれるって行っちゃったの…。」

「無口の人…。クーム!?」

「ずっと帰ってこなくて…。もう一時間経つのに…。見に行こうにも怖くて…。うぅ…。」

「わかった!わかったから泣くな!俺が様子見てきてやるから!」

「ほんと…?」

「あぁだから待っててくれー!」


俺は急いでクームのいるという公園へ向かった。

公園に着いた時、俺の悪い予感は的中してしまった。

クームが剣を当てる事も出来ず、スキルを乱用しているが、全部外れてスライムに遊ばれている。

スライムD戦で、あれだけ覚醒していたというのに酷い有様だ。まぁレベル0なら仕方がないのか…。


「ギガエネルッ!!」


俺はそう言って赤いスライム二匹を追い払った

やれやれといった形で俺はクームに近づいた


「大丈夫か?」

【フード…】

「やれやれ、スライムD戦でまぐれ勝ちしたからって、つけあがり過ぎなんだよ。レベル0なんだから。」

【そんなことないよ!してんじゅんおうともガーゴイルとも戦って勝ってるんだよ!】

「なーに言ってんだ?四天順王もマスターに助けて貰ったんだろ?どうせガーゴイルだってヒカルに助けて貰ったんだろ?」

【してんじゅんおうは…負けたけど…。ガーゴイルは僕も活躍したんだよ!】

「はいはい、わかったわかった。俺は別にハルヤと違って戦力外になったら追放とかしないから。俺のレベルは今29だ、いざとなったら守ってやるよ」

【守ってもらってばっかりじゃ…ダメなんだもん…】

「…。まぁ帽子も取り返したんだし。あの子に返しに行こうぜ。」

【うん…】


やはり、レベル0のクームは俺が守ってやらないとな

俺はクームの怪我を手当てしながら女の子の元へ向かった。

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