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ゼロレベル  作者: 光大地
Ⅲ章 狼の英雄と北の洞窟
23/38

Lv22 辛い真実の行方

前回のあらすじ!

狼男となった英雄を元の人間に戻してくれた為に

酒場にいた奴らと感謝の宴を楽しんだ

バカ騒ぎをして楽しんだ勇者クームと賞金首の怪盗ヒカル

そして魔法使いフードだったが、

本当に魔王討伐をしたいのかわからなくなってしまっていた。

夜も更けて皆が寝静まった頃にマスターと2人で飲んでいたフードはマスターのアイドルコンテストを必ず見に行くことを約束したのだった。

気がつくと俺はどこか広い大きな庭の中にいた

辺りをよく見回すと庭には

木が一本生えていてブランコがついていた

目の前に建っているのはお城のようだ

後ろから声をかけられ振り向くと

高貴なワンピースを着た女の子が微笑み立っていた

何故か俺は彼女を誰なのか思い出すことが出来なかった

続いてわんぱくそうな男の子と内気な男の子も

俺の横を通り過ぎてブランコの近くに向かった

3人が俺を呼んでいるようだ

俺が少し微笑み向かおうとすると

ザザーッとモザイクがかかったように視界がボヤけた

待ってくれ!もう置いて行かないでくれ!

やがて何も見えなくなり、世界が真っ暗になった


「師匠?大丈夫ですか?うなされていたような見えましたが…」

「うわぁっ!?はぁ…はぁ…。あれ、ここは…宿屋?」

「随分うなされていましたね、悪い夢でも見てたんですか?」

「良い夢だった…はず…」

「?」

「今日くらい無理せずに休んだらどうです?明日出発するのであれば」

「いや、大丈夫だ。それにマスターと約束は守らないとな、アイドルコンテストを見に行くぞ!クーム!」

「クームなら朝早くからどこかへ行きましたよ」

「え?あの寝坊助クームが?珍しい…仕方ない。探しに行くか。」

「お供しますよー師匠!」

「俺もお前に聞きたいことがあるしな、行こうか」


支度をして玄関から外へ出るとそこには英雄が立っていた。俺は昨日の狼男事件も相まって少し驚いた。


「ね、熱血野郎じゃねえか!?な、何のようだ!?」

「僕を見て何をそんなに慌てているんだい?」

「え?いや、何も慌ててなんかないが!?」

「ふーん…。あ!そうだ。今日は折り行って頼みがあって来たんだよ。」

「急に改まってなんだよ…?」

「僕を君達の旅に同行させてもらえないかな」

「はぁ!?おま、それどこで知って…」

「細かいことは気にしちゃダメだよ?それに、いつまでもこのウルフタウンのお世話になるのも申し訳ないしね!」

「なぁ…師匠。狼男をパーティーに入れるんですか?(小言)」

「それを言うならお前も賞金首じゃねえか。匿っているのをバレたら俺達も危ういんだぞ。…何したのか知らないが(小言)」

「というか彼、狼男として暴れていた事を知らないみたいですね(小言)」

「やっぱり…1回救ってもらった身としてみんなも伝えづらいのか…。まさか、厄介者の押しつけとして俺達に…(小言)」

「何をコソコソ話をしているんだい?」

「いや、それは…」


真実を伝えますか?

▶はい いいえ


英雄は昔にNo.1勇者パーティーの仲間として共闘した

大切な友人だ。何事にも全力で熱血野郎で、

バカ真面目だけど、誰よりも仲間思いな良い奴…

俺の答えは――




「…お前なんかを勇者パーティーに加えるわけないだろ!」

「な…!?」

「お前みたいな熱血野郎がパーティーにいたらむさ苦しくて敵わん!」

「僕は本気なんだよ!?それなのに…酷いじゃないか!」

「…まぁ待て。俺が言いたいことはだな。お前にはお前の役割があるはずだってことだ。」

「僕の…役割…かい?」

「英雄には英雄なりの旅をしたら良い、お前は勇者パーティーには向いていない。きっとハルヤもそう判断したからお前を追放したんだ。(多分…)」

「………」

「これ、俺からの選別品だ。受け取ってくれ」

「これは…!良いのかい!?大切なものじゃ…」

「役割を果たして、また再会する時に返してくれ…な!」

「…………。わかった、なんとなく断られる気がしてたんだけどね。それじゃ、僕はこれから魔王軍に襲われている人々を助ける旅に出るよ。きっと…また再会しよう!」

「あぁ!またな!」


そうして、英雄はウルフタウンを一足先に出て行った

彼の背中は、頼もしく男の背中をしていたが、

何か寂しいような、そんな気がしてならなかった。

だが、俺はそんな英雄を引き止めることは出来なかった…。


「真実は伝えなかったんだな…」

「俺の勘なんだが、あいつは薄々気づいていたんだと思う」

「そうか?私にはそう見えなかったが…」

「運命を変えた…か。マスターの言葉の意味がわかった気がする」

「マスターの言葉?」

「んー、何でもない」

「そういや、何か大切な物を渡してなかったか?」

「昔に俺が見つけた宝石をな。もう俺には必要ないしな」

「…そうか」

「それじゃ、クーム探しに行くとするか!」

「あ、すいません師匠!私は少し用事を思い出したの席を外しますね」

「ちょっと待て。聞いておきたい事があるんだ」

「?なんですか?」

「お前は何をして賞金をかけられたんだ」

「……」

「1億ダルなんて死ぬまで遊んで暮らせるほどの大金だ。殺人をしてもここまで上がらないだろ」

「この世界で1番大きな都市、聖剣王国に喧嘩を売った。今はそれしか言えない、ウルフタウンでやることをやり終えたら全てを話すよ。だから、信じて待っていてほしい」


そう言ってヒカルは路地裏へと消えていった

そんなことを言われても、出会って間もないやつを信じろなんて…。無茶苦茶なやつだが、確認もせずにパーティーに入れた俺の責任だ。仲間になった以上信じてやるしかない…か

俺は英雄に背を向けてクームの元へ歩き始めた

謎は深まるばかりだ

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