Lv16 満月の夜空のしたで
前回のあらすじ!
満月の綺麗な夜。街に狼男が現れた!
応戦する魔法使いフードだったが、街の人に
友達の英雄が呪いにかかった姿と聞いた
呪いを解く為には、北の洞窟にある聖水が必要とのことで
レベル0の勇者クームと魔法使いフードは
取りに向かったのであった………あった…………あった………………
え?余韻を表現するなって?アハハハハハハハ!
「はぁ……はぁ…………北の洞窟って………どんだけ遠いんだよ……
ってか!!こっちって………南……だろ!!なぁ!クーム!」
後ろを振り向くと、遠くで剣を杖にしながら歩く
老人がとぼとぼ歩いていた
足は子鹿のように震え、額から汗が滝のように流れる
「嘘だろ?足遅っ、体力無っ、顔面白っ………w
おいおい?大丈夫か?洞窟まであと少しだが……」
【じぬぅぅ(´-﹏-`;)】
「ほら、このハンカチで汗を拭けよ。
全く勇者なのにレベル0だからな
スキルがあっても戦闘以外でダメダメだしな」
【うぐぅ……(´-﹏-`;)】
「ほら、肩を貸せよ」
【おんぶしてよぉ】
「………しょうがねえなあ!ほら、おぶってやるよ」
俺はクームを背中に担いで、俺は夜道を歩き始めた
クームは予想以上に軽くて驚いた
ちゃんと食事しているのか?
【フードフード!見て見て!】
「ん……なんだ?」
【上上!】
空を見上げると、満天の星空が広がっていた
今まで気が付かなかったが、満月って……綺麗なんだな……
俺は再び歩き始めた
「ハハ……綺麗だな……」
【いつもフードを被ってるからだよ!
素顔見せてくれてもいいのに………】
「……………雑魚勇者には見せてやらねえ!
俺を越えることが出来たら見せてやってもいいぜ?」
【むぅ!フードのケチ!】
「ハハハッ………」
「…………………」
【フードはなんで、魔王を倒したいの?】
「………前に俺が違う勇者パーティーにいたのは聞いてるか?」
【うん】
「賢者を仲間に入れるから、魔法使いのお前は用済み
そう言われてな、俺は雨の中。勇者パーティーを去った」
「それから、無我夢中で…………パーティーを作って
毎日酒を飲んだ。そんな時にお前が入って……くれたんだ
ありがとうな」
【………………】
【ねぇ、フード。僕たちって、似たもの同士だね】
「………そうなのかもしれないな」
月光が照らす中、俺達は洞窟に辿り着くことが出来た
中は暗闇というわけではなく、青い光が照らしてくれている
クームは剣の先に火を点した。
松明代わりにするつもりだろうが、俺は火を消した
クームは驚いた顔をしていたが、
こんな幻想的な空間を汚すのは勿体無いと説明すると
快く受け入れてくれた
洞窟の中は少しジメジメしていて滑りやすい
その代わりに幻想的な光と涼しさが包み込んでくれる
道中コウモリやらが襲ってきたが、クームに戦わせた
コウモリを倒して喜んだクームが
【コウモリを倒して元気モリモリ!•̀ω•́】
とギャグか分からない決め台詞を言いながら
決めポーズで足を滑らせて滑りコケていた
クームが泥だらけになってしまったが、
半泣きの目で大丈夫だよ、と言ってるようなので大丈夫だろう
しばらく歩いていると、
冒険者達の死体がたくさん転がっているのを見つけた
クームの目を隠し、先に進むことにした
冒険者はいつも死と隣り合わせだ
冒険者とは死ぬことを同意の上で命をかけて戦っている
ギルドやパーティーで、死んでも一切の責任を問わない
と契約書に書かれている場合が多い
この冒険者達は供養出来ないまま放置されているからか
腐食が始まっているようだ。俺は落ち着いて死体を燃やした
―――成仏してください………
俺達は先に進むことにした。
奥に進んでいると、クームが急に走り出した。
何かと思い良く見てみると、宝箱があった
【見て見て!フード!宝箱!】
「あぁ、ここはバイキングのアジトだったとか
なんとからしいぜ?」
【金銀財宝!( ゜∀゜ )】
「まぁ、ないと思うが。ミミックとかいるから気をつけr」
振り向くと、クームが宝箱に半分飲み込まれていた
良く見ると少しずつ飲み込まれているようだ
「ミミックか………魔法使いの天敵め……!
だが、クームが巻き込まれてしまっては元も子もないしな
魔法無しで倒さないとな」
「仕方がない……。クームには犠牲になってもらうか
まぁ、タフだし大丈夫か!」
一体フードは何をするのだろうか………?