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ゼロレベル  作者: 光大地
Ⅲ章 狼の英雄と北の洞窟
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Lv15 狼男と魔法使い

前回のあらすじ!

……………………え?何?今日は定休日なんだけど…………

え?昨日!?本当だ!すみません!!

えっと………魔王様の元へ事後報告をした!

そして………死天順王のキヒトが一週間の休暇を取った!

愛したスカイドラゴンを供養する為に!

今宵は綺麗な満月だ。何も起こらないといいね!!

激しい物音と共に魔法使いのフードは目を覚ました。

窓から満月の光が差し込み、カーテンが夜風で揺れていた

レベル0の勇者クームは、すやすやと寝息を立てていた

……………クームの寝言だな

そう思いもう一度寝ようとすると、また激しい物音がした

今度ははっきりと聞こえた……………外だ

窓から外を見ると、なんと、狼男が街を荒らしている

俺は朦朧(もうろう)とする意識を叩き起こして(物理)

窓から飛び降りた!

足が筋肉痛の為に物凄い痛みに襲われた

体制を整え直すと、狼男に小石を投げつけた

すると、街を荒らしていた狼男は、視線をこちらに向けた


「おいおい、

英雄が倒したはずの狼男がなぜ生きてるんだ!?

これだけの物音を聞いて、駆けつけないのも変だろ………」

「グルルルルッ…………グアアアァッ!!!」

「まぁ………やるしかないか……

せっかくなら雷魔法以外も使ってみるか!」


狼男が周囲の建物をガガガと音を鳴らし壊しながら

こちらへ走り向かって来た

狼男が飛行機ポーズしているのは…………何か斬新だな

と、あんな巨体に体当たりされたら

防御力皆無の魔法使いの俺は粉々になってしまうだろう

分子レベルに。まぁ、あの動きじゃ、俺が前に戦った

魔王軍の奴よりは…………。…………………。


「ギガヒートッ!!」


これは強力な炎魔法の呪文だ。

ギガエネルの炎版と思ってくれたら幸いだが………

俺の杖から放たれた炎魔法は、

ギガエネルと同等と思える程の威力ではなく、

狼男に届かずに燃え尽きてしまった

やっぱり雷魔法しか勝たん

気づくと俺の目と鼻の先に狼男の足があった

マズイ、今から違う呪文を唱えても間に合わない

…………………え?死ぬ………?

ハハッそんなわけがないだろう


「今だ、クーム」


その瞬間、狼男の動きが止まった

この隙に俺は転がってなんとか避けた

そして、狼男が倒れた

俺が立ち上がってトドメを刺そうとすると


「やめておくれ!」


とおっさんが俺を止めてきた

周りを見渡すと他の人も騒ぎを聞きつけて建物から出てきた


「は……はぁ?おっさん……こいつは狼男だぜ?

こいつを置いておけないだr」

「その方は英雄なんです!」

「……………今………なんて……」

「この方は、一度街から狼男の脅威から救ってくださった

英雄様なんですよ………!!」

「なん………だと………?」

【何………?】

「なぜ………どういうことなんだ………」

「説明をします。なので、殺さないでくださいッ」

「わ……分かった分かった!何もしないから、

一旦はーなーれーろっ!」


なんとか落ち着けて、ベンチに座らせた

周囲の視線は消えない。でも、敵意は感じない


「それで、あの狼男が英雄ってのはどういうことだ?」

「英雄が狼男を倒してくださった話はご存知ですか?」

「あぁ……一応………」

「あの方が狼男を倒してくださり、

この街から脅威が消えたと思いました。

しかし、それとは別に

英雄様は呪いにかかってしまっていたのです。」

(けだもの)(のろ)い】

「クーム………?」

「そ、その通りです。

満月の夜に発症してしまい、狼男になってしまうのです。

ですが、救ってくださった上に、毎日が月1になったのです

我々は咎めることは出来なかったのです……」

「………?なら満月の夜に英雄を捕えれば……」

「それは出来ません!」

「……………まさか、伝えてないのか!?」

「伝えてしまえば、英雄様は自害されてしまいます。

かと言って、この街から出してしまえば

他の街から[狼男を送り込んだ街]として

戦争になるやもしれません……」

「………現状を打開する術はないのか……?」

「……………あります」

「あるわけな………は?あるのか?」

「一つだけ……」

「ならなぜ!」

「北の洞窟にある聖水で薬を調合すれば、

呪いから解放出来ます」

「………?そこまでの情報を掴んでいるのに、なぜ」

「………誰一人戻って来てないんです」

「へ?」

「理由は分かりません。確認に言った兵士も……」

「………よし!分かった!英雄は俺の友人でもある

俺“達”で聖水を取ってくる。それでいいだろ?」

「む…無理ですよ!絶対に!」

「うっせえ!やると言ったらやる!

それが俺達勇者パーティーだ!

寝てないで行くぞ!クーム!!」

【起きてるけどぉぉぉォォ】


こうして、俺達は北の洞窟へと向かった

前に来た時は満月じゃなくて気づかなかったが

そういった事情があったのか………

夜はまだまだ続くのであった……………


「勇者パーティー………まさか、あの方は………前に来た………」

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