Lv11(前編) 勇者とボンバーン
前回のあらすじ!
色々な偶然が重なることによってスカイドラゴンを仕留めた
レベル0の勇者クームと魔法使いフード
霧が濃くなってきた中で、フードがクームを脅したことで
クームが走り出してしまったのをフードが後を追う……
そんな時、スカイドラゴンの元へ戻ってきた
魔王軍最強格の死天順王の2の鬼人と4のボンバーン
何やら鬼人はクームとフードに
対して怒りを感じているようだが……?
クームは全力疾走をしていた……
正直な感想で話すとレベル0のクームの足は物凄い遅い
体力が無くなって立ち止まり、後ろを振り返ると、
フードはいなかった。クームは勝利感に満ちていた!
【フハハ、ハハ。参ったかフード】
【………………。】
【………もう来ていいんだよ……?】
だが、クームは気づいてしまった。
フードが追ってこれていないことに………
クームは物凄い冷や汗に襲われる
過去に迷子になって大泣きしたトラウマを思い出したのだ
その時、どこからかドーンと音がなった
クームが剣を構え、辺りを見渡している
霧が濃いせいで全く状況を飲み込めない……
次第に音はこちら側へ近づいて来る……
その時、上空から声がした
「勇者様見ーつけた!!!」
その声と共にクームの元へ着地する
かろうじてクームが避けることに成功したが……
着地の衝撃波によって木に直撃した
この衝撃波によって辺りの霧のほとんどが消え去った
クームが体制を整え直すと、目の前に謎の男が立っていた
男はいきなり足で、クームを踏みつけた
クームは逃れようとするが、あまりにも非力で逃げられない
段々と苦しさが増してくる、足をグリグリして痛みが増す
その時、男が口を開いた
「なんだよ!!スライムDを殺したっていう勇者様が
こんなに弱いとかあるのか!?面白いな!!!」
「おーい!!何か喋れよ!!このまま殺しても
面白くないだろう!?」
「はぁ……がっかりだな、さて。じゃ、死ね!!」
「………あれ、あのガキどこへ行った………?」
その瞬間、背後から斬りつけようとしたクームの剣を
ボンバーンがロケットランチャーで相殺した
クームはその衝撃で空中で一回転して離れた
「……………驚いたな、あの状態から逃げ出すとは……
木を身代わりに………お前……ただの冒険者じゃないだろ……?」
【勇者です( ー`дー´)キリッ】
「ん?お前、まさか喋れないのか!!面白い!!!
お前の名はなんだ!?」
【レベル0の勇者クームなり!щ(゜д゜щ)カモーン】
「レベル………0……?なんだそれ?聞いたことねえな!
ますます面白くなってきたな!!殺り合おうじゃねえか!!」
【対戦よろしくお願いしますm(_ _)m】
「おいおい!?マジかよ!!!
書いてることと体が全く一致してないじゃないか!!
ガタガタ震えて面白いな!!捻り潰してやる!!!」
その瞬間、視認出来ない速度で
ロケットランチャーを構え発射した
クームに直撃したように伺える、煙が舞い、姿が見えない
「ハハハハハハハハ!!!雑魚め!!やったか!!!」
煙が消えると、なんとクームは無傷だった
炎のオーラを纏っているように見える
何か言いたそうな顔をしているが、
生憎。炎の中ではスケッチブックを使用出来ない
「なんだなんだ!!?レベル0が魔法を使いやがった!!!
俺の攻撃を無効化しただと………!?面白い!!!殺してやる!!」
「俺の武器がロケットランチャーだけだと思うなよ!!!
見ろ!!!手榴弾だ!!!喰らえ!!!」
そう言い、クームにありったけの手榴弾を投げつけた
物凄い爆発と煙が押し寄せ、火薬の匂いが辺りを舞う
「やったか!!?」
「………な!?いないだと!?どこへ消えたんだ!?」
その瞬間、背後から回転斬りをボンバーンに命中!
金属音と共に、鈍い音が鳴り響いた
よく見ると、クームの剣はクナイによって相殺され
クームの腹にクナイを刺されていた
さらに最悪なことに剣を落としてしまった
「ハハハハハハハハ!!!馬鹿だなお前!!!
死天順王がそんな攻撃に屈すると思ったか!!
ハハハハハハハハ!!お前は本当に面白いな!!!!
わざと威力を調整してやっていたのに、
お前は全力なんだからな!!!弱すぎるだろ!!
なんだよ!?腹にクナイ刺さってるじゃないか!!!
まぁ俺様が刺したんだけどな!!ハハハハハハハハ!!!!」
「どうした!?苦しいのか!!?死ぬんじゃないぞ!!!?
俺様が魔王様に頼んで、お前を魔族に改造してやるからよ!!」
お腹の辺りが熱くなると同時に激痛が走る
早く止血しないと死んでしまうだろう
だが、突破口が見当たらない、
屈伏が一番良い選択肢かもしれないが、
フードが酷く悲しんでしまうかもしれない……
こんな時に限って走馬灯が見えない………なぜだろうか……
「にしても、お前を見ると昔を思い出してくるな
俺が魔王軍に入った頃にな、
俺はお前と同じくらいの年の少年を殺した事があった
その事をきっかけに俺は死天順王に成り上がったんだよな」
「…………あー!こんなに弱いなら、
魔法使いを殺しに行けば良かったな、
きっとそっちの方が楽しかっただろうな!!
俺もさっさと殺って行くか!!!じゃあな!!ガキ!!」
何も打開策が思いつかない、完全に詰んでしまった。
死ぬ………………………きっと、フードも死んでいるだろう………
………………最後にフードと出会えて………良かった…………
その瞬間、誰かがこちらに来た。まさか……フード?
ではなかった、怖いお面をつけた………人?
「ボンバーン。撤退だ。戻るぞ」
「あれ?もう終わらせたのか?
魔法使いの方もレベル0なのか……?」
「……………何を言っている……?撤退だ。急げ」
「はいはい、分かった分かった。
じゃ!こいつを殺してから………!!」
「ダメだ。今は生かしておけ……」
「は!?魔王様の命令に反する事をするってのか!?!?
反逆罪に当たるぞ!?それ!!?」
「………私から伝えておく……急げ!」
「?一体何がどうなってるんだ?まぁいい!!
勇者クームよ!貴様は必ず俺様が殺してやるからな!!
ハハハハハハハハ!!!!」
そう言われると、クームは落とされた。
お腹に刺さったクナイを抜かれなかったおかげで
出血死は避けることが出来た
そして、彼らは闇の中へ消えていった
……………どうしようこの状況、痛みで頭が回らない……
段々と意識が薄れていく………
よく見ると、あと少しの所で森を抜けることが出来る
何も出来ないまま……………このまま………
意識が遠退いていくのを感じながら……
誰かに担がれたような気がしたが…………些細な問題だろう………
良い人生だった………最後に…………フードの………無事を…………