迷う
「でもどうやってこんな数の岩つむり倒したの?」
さすがに倒し方が気になる俺は、後学のために聞いてみる。
「仕方ないわね。岩つむりってめちゃくちゃ固いでしょ?それでも一か所だけ簡単に攻撃できる場所があるのよ」
「えっ?そんなところなんてあるの?っていうかそんなこと知ってるのってなんかずるくね?」
「いいのよ。知識も実力のうちだから」
納得いかないけど話を続ける。
「で、結局その部位ってどこなの?」
「わからない?じゃぁ、ヒントをあげるわ。殻にこもっても岩つむりがすることが3つあるわ」
「3つ?2つは呼吸と食事じゃないの?」
「うん。2つはそうね。もう一つは“排泄”よ」
「それがどうしたっての?」
「呼吸のほうは、殻の内部に空気袋があるから殻にこもっていても問題ないし、食事も一か月くらいはしなくても済むの。でも、排泄のほうはそううまくいかないのよ」
「つまり…?」
「まぁ、恥ずかしがることもないし、そのまま言うけど…。け〇の穴が弱点ってことね」
うん。話を聞くとなんとなく攻撃方法は想像ついた。
ついたけど、ほんとにやっちゃったのか?
一応聞いてみるか?
「で…、具体的にどうやって攻撃したの?まさか?」
すると、背負っていた鉄の棒を持ち、突くようなそぶりを見せて
「これで、ずぶりとね」
うおっ。
めちゃくちゃワイルドォ。
「こんな感じで…、突くのよ」
と綾瀬は岩つむりに突きさしたであろう棒の汚れてる方を俺のほうに振り向け、突きを実演する。
「うぉっ。きったねぇ」
さっとよける。
よける俺の姿や反応が面白かったのか笑いながら突きを続ける綾瀬。
「逃げてばっかじゃ何にもなんないわよ」
「いや、逃げるに決まってるだろっ」
どうにか俺は綾瀬の攻撃をよけきった。
なんか岩つむりと戦ってた時より、息が上がってる気がする。
でも途中で綾瀬も飽きたのか、攻撃をやめてくれたのでアイテムの回収を行うことにする。
「《処理》」
《処理完了。取得したアイテムは以下の通りです》
―――――――――
岩つむりの殻岩 × 4
―――――――――
「ありゃ?なんで岩つむりの身は回収できないんだ?もしかして乾燥させちゃうとダメになっちゃうのか?」
試しに綾瀬が倒した方の岩つむりにも《処理》をかける。
《処理完了。取得したアイテムは以下の通りです》
―――――――――
岩つむりの殻岩 × 6
岩つむりの身 × 6
―――――――――
「やっぱりそうか。身をとるにはあまり傷つけ過ぎないほうがいいのか」
俺はまた一つ頭がよくなった―――。
気がする。
遠くから俺の様子を見ていた綾瀬は、すでに次の場所へ行く準備を終えていた。
「なーに遊んでんのよ。早くいくわよ。は・や・く」
綾瀬は、倒し終わった後には興味ないという感じで、アイテム回収をしている俺を急かす。
「わかってます。わかってますよ」
「アイテム回収したらすぐにいくからさ」
さすがに全部のアイテムを持っていくことはかなわないので、品質のよさそうなものだけを選別して持って帰ることにした。
◎ ◎ ◎ ◎
アイテムを回収し終えた後は、綾瀬に従ってダンジョンを歩いた。
自信満々に一点の迷いもなく淡々と歩き続ける綾瀬。
背中からは自信がみなぎってるように感じる。
でもね。心配事が一つだけあるんだな。
それはね…。
分かれ道で見た大きな岩に似たのを何回も見てるってことなんだよな。
いや、一番最初はさ、まぁ、ダンジョンの中だし似たような岩、場所があってもいいんじゃね。なんて思ってたけどさすがに3、4回目だとアレ?ってなってくるよね。
おそらくだけど、同じところ回ってる気がする。
全然進めてないよね。俺たち。
ただ、綾瀬が自信ありすぎて突っ込めないんだよなぁ。
でも、そろそろ突っ込まないと時間の無駄だしな。
よし、次、同じ岩を見たらさすがにツッコんでやるぞ。
俺はそう心に決めたのだった。
ちょっと下品な話になったかもしれません。すみませんm(__)m




