大暴落
投稿は不定期になりますのでご容赦ください
m(__)m
「おっし。今日はこれくらいで切り上げるか」
俺は、倒したスライムから必要な部分だけを切り出して、カバンに詰める。
ほんとは生け捕りにするほうが高く売れていいんだけど、生け捕り用のアイテムの購入コストを考えると赤字になっちゃうからな。もともと俺の力じゃ生け捕りすることは難しいし。
採取したアイテムはどうするかって?
買取センターなるものがあるからふつうはそこで売る。
買取センターは民間の企業が運営しており、レートをもとにアイテムの買取をしてくれる。
だいたいの探検者はここで売却する。
たまにネット上で直接取引だとか、本当にレアなものだと闇取引もあったりするらしいが俺には今のところ関係がない。
で、その買取レートはリアルタイムで変動し、スマホで確認できるし買取センターの受付窓口にあるモニター上に表示されているからそこでも確認することができる。
例えばスライムの買取レートは、昨日時点で450/1匹だったものが今日の朝見たところ400/1匹まで下落していた。
そして買い取られたアイテムは近くの市場へと送られ、そこで取引が行われ業者を介し、その後は消費者のもとへと届けられる。
買取センターの建物は、いたって普通の建物であり、に日本全国津々浦々に存在する。まぁ、銀行みたいなものだと思ってくれればいいかもしれない。
というわけで、俺はアイテム買取センターまでやってきた。
ウィィィン
入り口のドアが開くとそこには俺と同じような年齢のやつが多くいた。
この時間帯は高校が終わって、お金稼ぎにダンジョンにもぐるってやつが多いからだ。
「今日はいつも以上に混んでるなぁ」
込み具合に思わず声を漏らす。
混んでいる理由が知りたくて、受付の人に聞きたかったがあまりの込み具合にそこまで到達することは無理だとわかる。
だから、ほかに聞けそうな人―――、警備員に聞くことにした。
入り口の警備員は、無表情で俺らのことを監視していた。
「なんで、今日こんなに混んでいるんですかねぇ?」
「スライムの買取価格が最近下落していただろ?今日50%安になったらしい」
「はぁ?50%安?50円安じゃなくて」
警備員は、天井からつるされている買取価格のモニターを静かに指さす。
モニターには直角にガクンと折り曲がった買取価格のグラフの線が見える。
「えっ?なんで…」
「俺は理由なんて知らん。自分で調べてみたらどうだ?その手にあるスマホで」
俺はその言葉を聞いて、焦りながらスマホに電源を入れ、ウェブ検索を行う。
打ち込む指が震えてうまく打ち込めない。
《ス・ラ・イ・ム そ・う・ば》
一番見られるニュースサイトの一番上に関連記事がでてきた。
《スライムの価格 50%安 違法ぬるぬる店 摘発へ》
は?
本文をスクロールする。
《スライムの重要な用途の一つであるぬるぬる(いかがわしいこと)の大手のぬるぬる本舗が違法な接待をしていたことが発覚したため、摘発されることになりました。
この報道を受けてスライム買取相場は売りが強勢となり、50%安の200円で価格が推移しています》
スライム売買の掲示板も確認する。
『なんか最近下落してたのおかしいと思ってたんだよ。(情報が)漏れてたんじゃね』
『でも、髭剃りのジェルとしての需要はあるから戻るのでは?』
『こういう下げ相場こそチャンス。俺は逆張りで行くぜ』
スライムの用途は主に二つ、髭剃りの時に使うジェル、そして今回摘発されたぬるぬる。
需要のうちの半分が消えたために50%安になり、さらに下がることを恐れた者たちが売りに来ているらしい。
なっ。なんだよこれぇ...。
スライムしか倒せない俺は、膝から崩れ落ちた。
「はぁ…、スライム一匹で200円。で俺はスライム一匹倒すのに30分。ってことは1時間に400円。普通にバイトした方が楽じゃん」
俺は、計算しながら頭を抱えていた。
◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
ステータス
狩集夏
レベル : 1
HP : 10/10
MP : 10/10
SP : 0
スピード : 10
攻撃力 : 2
レベルアップに必要な経験値 : 10
スキル : ????
呪文 : None
◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
豆知識
スライムのHPは10、攻撃力2である。
つまり、夏はスライムと同等である。
今一番の好敵手かもしれない?




