今世紀最大級の衝撃事件発生
いつもと変わらない清々しい朝。
いつもと変わらない平和な食卓。
たった一つ違ったのは葵の叫び声が響いたことだった。
「姉ちゃん、いい加減食事中に携帯いじるのやめなよ。」
「分かってるけど…分かってるけどさぁ………無理ぃっ!!!!」
「なんなの、うるさいんだけど。情緒不安定なの?」
弟の大貴が冷ややかな目線を送ってくるけれど、そんなことはどうでも良い。
今まで生きてきて…いや、今世紀最大級の事件だ。
この記事を見て騒がないほうが難しい。
「だってこれを見てよ!!!」
画面には【人気アイドルTAKA電撃結婚、お相手はあの国民的人気姉妹】との文字が。
「へー、おめでたいね。良かったじゃん。」
「良くない!!!ううっ…TAKA、愛しのTAKAぁ…」
「え、何?私のTAKA?姉ちゃん、自意識過剰すぎ」
なんなの、この弟は!!
さっきからお姉ちゃんに対して口の利きかた悪すぎやしません?
たしかにうるさいくしてるのは重々承知してるけども…
あ、そうか。
私のTAKAへの愛の深さを知らないから、大したことない感じであしらうんだな?そういうことだな?
ならば存分に語るしか他はない…!
「ふっ、弟よ。よく聞け。始まりは7…」
「あ、そろそろ学校行かなきゃ。じゃあね。あ、その話はもういいから。」
そして弟は制服のブレザーを羽織ると、逃げるように家を出てしまった。
「羽織んなよ、着ろよ。…てか、話、聞けよ!!」