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生乾きの洗濯物を畳みながら

作者: 朝焼 悠

一日中 雨振りだった日

部屋干しにしていた洗濯物を取り込みながら思う

この生乾きの臭いがしなくなるようになりましたって

洗剤のコマーシャル

何年も前からやっているのになって


この何年かも色々あったな

色々で片付けられるものから 片付けたくないものまで

全部引っくるめて

やっぱり色々あったけど

一番忘れたかった

割り切りたかった

思い出は

相変わらず 僕の内っ側にこびり付いたまま


大人になんかなりたくないって

いつだって無駄に反抗していた気がする

そのおかげか僕はいつまで経っても幼くて


結果に結びつかなければ

努力には何の意味もない

とか

分かったような顔をしたり

知った風な口を聞きながら

その意味の無いものを捨てきれず

胸の奥に隠して押し殺すような

ズルくて格好悪い大人になりました


中途半端には磨きがかかって

今だって うじうじと二の足を踏み続けている

ここまで捨て切れなかったんだから

もう一度本気になって向き合おう

そう固めた覚悟も次の日には

あの頃と同じ熱量で それ以上で

本気になれるかって不安になって


挑む事 叶える事 手にする事よりも

こんなに歪にしてしまった夢を

失う事を恐れている


僕は確かにこれまで

ずっと過去に囚われ 拘って生きてきた

でもその分 夢を手に立ち向かってもきた

なら最近の自分はどうなんだろう

洗濯物を畳む手を止めて

窓ガラスに映る自分に問いかける

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