独り詩(ひとりごと)
今日も僕は息をしている
人混みの中、溺れそうになりながら
今日も僕は息をしている
酸素がうまく吸えないまま
いっそのこと首を絞められて死んでしまいたいのに
殺してくれる人なんていないんだ
ホームの上
低速な電車を見つめて
ビルの上
柵を掴みながら地上を見つめて
睡眠薬を1つ口に放り投げては
瓶の中無数の錠剤を見つめて
皮膚1枚傷つけては
血のついた刃を見つめる
僕には明日が見えなくて
やりたいことも存在しなくて
思考と身体が分裂して
ふわふわと世界を漂っている
ついには理想すら失くした僕を
君は笑うだろうか
目に映る全てのものが輝いていて
世界全てが楽しくて
やりたいことがたくさんあって
泣いて笑って感動して
同じ1枚の絵だというのに
なぜこうも浮かぶ感情が異なるのか
蕾にさえ抱いていたはずの期待
開花した満開の情景に何も感じない
君は指さして笑うだろうか
絶望するだろうか
期待はずれだと呆れるだろうか
幾多にも重なっていた夢は
一つ一つ崩れ落ちた
僕は僕を忘れた
僕は僕を失くした
僕は僕を殺した
僕は僕を……
リセットボタンを探しながら
僕はまだ生きている
惰性で動きながら
きっとまた泣いてしまうんだ
うまく呼吸ができないまま
泳ぎ方を忘れたまま
溺れかけている僕は
平気なふりをして生きていく
本当は君を探しているんだ
もう二度と出逢うことがないであろう君を