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102話目 邂逅

 こうなる事はきっと初めから決まっていた。

 彼らが勇者として召喚された時から対峙するのはある意味当然と言える。

 だって俺たちは『天災』だから。勇者と『天災』が手を繋いで歩ける筈も無いのは分かり切っているのだから。


「久しぶりだな加賀。生きているとは思わなかったぜ。そんで武内、俺のモノになる覚悟は出来たかよ」


 俺たちの前にいるのは元クラスメートだった勇者たち。

 各々が自信に満ち溢れた顔をしており、誰一人として負けるなど微塵も思っていない驕った笑みを浮かべながら俺たちを見下していた。


「まったく陸斗きゅんのカヲリがあちこちからするから参ったよ。でも今度は逃がさないよ」

「美少女ばかりで良いですね。触手の味を覚えさせてあげます」


 舌なめずりをして勝利の後のビジョンを浮かべる者。


「「んーーー!!んんっ!!」」

「椅子が喋んじゃないよ!もっと躾けてあげよっか?」

「美っちゃん、そんな時はキュッと握ればイチコロだって」


 俺たちなどどうでも良いと談笑する者。


「加賀は俺たちの手で断罪する。そうだ俺たちがあいつに山崎の恐ろしさを教えてやるっ!!」

「「「おぅ!!」」」


 何故か人を見て復讐心を燃やす者。


「加賀ぁっ!てめぇの女を奪ってやるよ!!」


 色欲に溺れた者。

 様々な思惑が入り混じった戦場に、不思議と各国の兵はいない。

 モルド帝国とアビガラス王国の戦争でありながら決着を着けるのがただの学生同士だった子供の手に委ねられているのだから笑うしかない。


 俺たちの手で粗方の兵は潰してしまった。

 アビガラス王国の残りの兵も合流に時間が掛かるのかこの場には不在だった。

 

 決戦の地となったのは奇しくも王女様が死守しなければと必死に足掻いた崖のある谷。

 数万の兵がいれば手狭な谷も僅か数十人しかいないとあれば広過ぎるくらいであった。


「さて、誰から行く?私は後でも構わんが」

「俺にご指名が何個も入ってるしな。俺から行くべきか?」

「でもボクも指名入ってるよ?」


 ここで全員でやると言う選択肢はない。そもそも相手にならないのだから真剣にやる気など端からないのだ。


「最初は私が行きましょう。あの椅子を取り戻すためにこの二人が付いて来たのですから」

「……マイラン頑張って」


 土屋と加藤の椅子になっていたエルフ。どこかで見た事あると思えば、エルフの里で勝負を吹っ掛けて来たパルサとルデルフの両名であった。

 二人とも下着姿となっており、口には猿ぐつわを付けて加藤と土屋を背中に乗せていた。


「私たちの所為ではあるんだけど、あの姿を見たくは無かったわね」

「そうですよぉ。でもあの二人若干喜んでないですかねぇ?」


 マルアさんとミネリアさんを助けるために捕まった二人はどんな因果か、巡り廻った結果からか加藤と土屋の所有物となっていた。


「そう言えばあの二人って奴隷にされそうになった時ご褒美って言葉に反応してなかったっけ?」

「私は知らんな」

「皇様はあの場にいませんでしたから」

「……確かに喜んでた」

「なら放っておくか?」


 つい放置宣言してしまう。だって喜んでいるならWinWinの関係だし?


「「………」」


 しかしあのエルフ二人はこちらを目をウルウルさせながらジッと見つめていた。


「愛玩犬みたくなってるけど?」

「助けて欲しいとの意思表示でしょうな」

「はぁ…、気乗りはしませんが助けますか」


 マイランは渋々とした表情で前に出る。

 元クラスメートたちも最初から全力でやる気がないのか前に出る者はいなかった。


「一応聞きますが、そこのエルフ二人を返しては貰えませんか?正直要らないのですけど」


 あまりに正直なマイランに二人のエルフはマジ助けて、と涙をポロポロ流していた。


「えー、要らないならいいでしょ?それに山口から買ったから高かったんだからね」

「そうそう。やっぱり触手でやった後の奴隷の反応は違うから良いよね」

「「「え?」」」


 椅子たちに目を向ければ静かに目を逸らされる。


「私が説明しましょう」


 興奮気味に前に出たのは山口だった。

 山口は背中からうねうねとモザイクのいる赤黒い肉々しい触手を生むと愛しそうに撫でる。


「この触手から滲み出る液体を摂取した生物は敏感になり穴と言う穴を「「んんんーーーーーっ!!」」」


 それ以上言わないでと必死な顔で叫ぶ椅子たち。

 惨めだった。男として限りなく惨めな姿になった彼らに俺は目頭が熱くなった。

 そうか。あの触手さんにヤられてしまったのか。


「ひょっとして私たちがあんたに捕まってたら、ああなってたんじゃ…」

「女の子はもっと虐めます。私の触手無しじゃ生きられないくらいにします」

「ふぇぇ、捕まらなくて良かったですぅ」


 ミネリアさんはその豊満な胸を潰すように自分を抱き締める。


「はぁ、相変わらず良い巨乳ですね。あの時逃がしたのは一生の不覚でした」

「不覚で良いですぅ!」


 なるほど、あの椅子たちを捕まえたのは山口か。

 面白くなって来たのか加藤たちは椅子たちの猿ぐつわを外し始める。


「ほら、奴隷になった気分を仲間に伝えて上げないと」

「犬になれて幸せですってね」


 どれだけ彼らを辱しめる気なのだろうか。再開した仲間の前でパンツ一枚で四つん這いにされているだけでも屈辱だろうに。

 

「ミネリア、マルアが無事で良かった」

「捕まってたのが俺たちで良かったぜマジで」


 それだけだと仲間を思う良い人なんだけど、微妙に裏がある気がしてヤダな。


「あんな顔で言われると間違って聞こえて来るのは気のせいか?」

「同感だな。この状況に興奮してないかあの椅子共」


 上気した頬。ニヤケ面が常時維持され、緩んだ締まりのない顔が仲間を思いやる台詞を奴隷にされて幸せです、に置換されてしまう。

 もしくは彼らには才能があったのだろう。ドMの才が。

 でなければあんな顔は出来ない。山口の触手もモザイクがいるが、あの二人の顔にもモザイクが必要だった。


「かなり調教しちゃったもんね」

「うっ…」


 加藤に乳首を抓まれて声を漏らすルデルフ。


「今じゃ全身が性感帯だから」

「おぅ…」


 土屋に脇を撫でられて光悦とした笑みを溢すパルサ。



「「「うわっ……」」」



 もうそのままでいいんじゃないか。

 助けない方が二人の幸せに繋がる気がして来たんだが。全員がドン引きする光景を見せつけられ助ける気持ちが減衰してしまう。


「ち、違うぞ!今のは不意打ちだったからであって喜んでなんかいないぞ!!」

「そ、そうだ!俺たちは苦しんでいるから早く助けてくれ!!」


 必死に言い訳するからより胡散臭く見えてしまう。

 そんな必死な彼らに追い打ちを掛けるように加藤と土屋がニヤニヤと笑みを溢しながら二人の背中から降りる。


「今日は折角ご褒美を上げようと思ったのにな」


 パルサの頬を撫でる土屋はペロっと舌を出して目の前で自分の唇を舐める。


「そうそう。大分溜まってるでしょ?発散したくないの?」


 加藤はルデルフの顔に自身の太ももを密着させて誘惑した。


「「ゴクッ……」」


 生唾を飲む二人。


「よし。あいつらは放置だな」


 喜んでるしそれで良いよな。


「「俺たちが悪かったから助けてくれぇぇぇえええええ!!」」

作者「もうお前らノクターン行けよ」

パ・ル「「それだけは勘弁して下さい(泣)」」


あいつらを出すとどうしても変態的になってしまう(; ・`д・´)

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