第4話 保健室
「何しやがんだよ、龍也」
現在俺たちは保健室にいた。
あの後、鋼鬼を保健室まで運び、ベットに寝かせ、鋼鬼が目覚めるのを待っていた。
そして今、やっと目覚めたわけだが、鋼鬼はまだ痛むのか、椅子で殴られた後頭部を押さえながら、今にも飛びかかって来そうなぐらい怖い顔を作り、こちらを睨んでいた。
だがもう見慣れた、その顔に臆する事なく俺は。
「何って、鋼鬼が霧崎君に殴りかかろうとしたから止めただけだよ」
それを聞いても鋼鬼はなっとくしていないように、さらに声を荒げ。
「別に止めなくていいんだよ! 彼奴は雪乃さんの事を何も知らねえ癖に好き勝手言いやがってんだぞ! なのにテメェは何とも思わねえのか! あっ⁉︎」
これは随分ご立腹のご様子だった。
「そうは言っても、あのまま鋼鬼を止めず、霧崎君を殴ったら、一番迷惑を被るのは雪乃さんなんだよ、それにやっと雪乃さんのおかげで落ち着いて来た、戦闘班と整備班の関係がまた元どおりなったらどうするんだよ?」
雪乃さんの名前が出た途端、鋼鬼は黙り込んだ。
その沈黙は長い間続いた、十分たっても沈黙は続いていた。
そして、二十分になろうかとした時、今まで沈黙を続けていた鋼鬼がやっと口を開いた。
「チッ・・・、分かったよ、俺が悪かったよ! 畜生が! これでいんだろがっ! クソッが‼︎」
まだ怒りは収まらないようだったが、鋼鬼は鋼鬼なりに怒りを抑えているようだった。
「そうだよ、やっと分かってくれた? それに霧崎君ってあれでも、この中国支部局長の孫で優秀な戦闘員なんだから、あのまま殴ってたら、鋼鬼はこの学園から追放されるのは当然の事だけど、もしかしたら、家族同等みな壁の外に追放なんて事にもなったかもしれないんだよ?」
「分かってるつってんだろうがぁっ‼︎」
ドカと顔を殴られた。
理不尽な暴力だったが、こちらも殴られる覚悟で言った事だったので特に気にしていなかった。
「これぇでぇ、おてぢっいだ?」
鼻を抑えているせいで上手く喋れない。
鋼鬼はそんな俺を見ながら、舌打ち一つ、その後、自分の頬を思っ切り叩くと。
「殴って悪かったな、だがおかげで落ち着いた。
そうだよなぁ、俺が家族を護るって決めたのに、その俺が、家族を危機に晒したんじゃ、示しがつかないよなぁ〜。
まぁ、だから何だ、ありがとよ」
「どおぉいだまぁぜぇ」
「何言ってんだよ」と笑っている鋼鬼を見るに、もう大丈夫だと思いこちらも笑っていると。
「それよりお前そろそろ鼻に何か詰めたらどうだ?」
言われて気がついだが、鼻から大量の鼻血が垂れ流し状態で、床には小さな血溜まりが出来たいた。
確かに痛いとは思っていたが、まさか血が出ているとは、これ折れてないか? などと考えながら、鼻に詰め物をすると。
「もうちょい、休憩してから戻るか」
それに関してはこちらも賛成だったので、首を縦に振り返事を返すと。
「なら、俺はもう一眠りするから、そうだなぁ〜、今から一時間後に起こしてくれ」
さすがに一時間は休み過ぎのような気がしたが、俺が殴った頭がまだ痛むのかもしれないと思い簡単に「わがっだぁ」と返し、自分も近くにあった椅子に腰をかけ、そして壁に掛けてある時計を確認すると、時計の針十一時半前を指していた。
えっとぉ〜この学園の時間割は確か、九時から百分が一時限でぇ、二時限が終わったら昼休みだからぁ、今から一時間後って事はぁ。
「ごぜんのぉ! じゅぎょうをぉ! ざぼるってごとがよぉ‼︎」
「んだよ五月蝿えな! 何だよ!」
「なんだよぉじゃないよぉ、ねぇ、こうきは、おれだぢのしゅっぜっぎ日数がやばいのわがっでる⁉︎」
「んな事知る訳ねぇだろうが! 俺は寝みんだよ!」
そんな自分勝手な理由で納得出来る訳なく、再び眠りにつこうとする鋼鬼の顎めがけて、拳を放った。
それは、プロボクサーもびっくりするぐらい綺麗に決まり、鋼鬼を無理やり眠りにつかせると、首根っこを掴み、そのまま教室まで引きずっていくのだった。
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