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くさいけど・・・許す

あれはどう考えても向こうが悪い。委員会で一緒の女の子とちょっと話してたからって。やきもちはよく焼くとは思ってたけど・・・ここまで焼かれたらちょっと驚きだ。しかも一旦不機嫌になると、これがなかなか直らない。



「なぁ、そろそろ機嫌直せよ」



とりあえず無視。聞こえていないかの如く無視。

一緒に帰りながらもこの沈黙はかなりきつかった。口はきかずとも、「一緒に帰ろう」と言ったら玄関で待っていてくれたから「直ったかな?」と思っていたのに。



「あれは明日の委員会のことでちょっと話してただけだって」



必死に話し掛けるも無反応。俺はだんだん腹が立ってきた。



「なんだよ、そんなに怒なくても」



少しだけ声を強くしても、それでも無視。俺は諦めて黙っていることにした。そして、そのまま別れの挨拶も交わすことなく家に着いた。



「俺他になんかしたかなぁ」



かばんを机に放り投げて、体をベッドに投げ出した。制服を着替えるのもなんだか億劫で、俺は他の原因をひたすらに考えた。しかし、俺は何一つ悪いことなんてしていない。


1日を振り返ってはみたものの、何も思い当たる節はなかった。

1日が駄目なら、昨日おとといも考えてみたがやっぱり何もない。

俺はとりあえず起き上がった。そして、滅多に向かわない机の椅子に腰掛けた。紙とシャーペンを手にして。



「うーん・・・これでいっか?」



書き終わったころに一階から母親の「ご飯よー」という声が聞こえ、それに返事をしながら俺は部屋を後にした。



次の日、引き続き無視し続ける彼女の手に無理やり昨日書いた紙を渡した。不機嫌だった彼女は、眉間に皺を寄せたり赤くなったりしていた。



「・・・あんた馬鹿じゃないの?」



呆れているのか、なんなのか。でも久しぶりに見た彼女の笑顔は相変わらず可愛かった。



「ねっ、仲直りして?」



手を合わせ、必死に懇願した。彼女はそんな俺を見てさらに笑い始めた。最終的には腹を抱えて大笑いだ。

俺は情けないというか恥ずかしいというか。



「くさいけど・・・許す」



呼吸を整え、笑いすぎて出た涙を拭いながら彼女は言った。俺はほっとして長い溜め息をついた。



「でもあんたが悪いんだからね」

「それだよー・・・俺なんかした?」

「うわっ、まだ気づかないんだ」



彼女は再び眉間に皺を寄せた。

しまった、と思っても後の祭り。



「もう知らない」

「うぇ、勘弁してくれよ」



そして俺は振り出しに戻った。きっと俺は一生彼女に勝てない気がした。



あーあ、俺はこの先何回彼女に「愛してる」って手紙に書くんだろう?




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