落下注意報!
「らん、らんらららんらんらんーっと」
呑気に歌い出しました、始めましてこんばんは。
悠遠譲です。
どこにでもいるごくごく……普通の高校1年生。
普通だけどね。
周りは俺を指さして
『不幸男』
なんて言ってるけど全然気にしてないから!!
そんなレッテルを貼られているけど、自分自身不幸に見回れることも多々あるけどもっ。
他人にぶつかって二次災害を引き起こしちゃたりするトラブルメーカーだけどもっ。
全然気にしてないから!!
大丈夫だから!
……ってもね。
今の状況を見れば
さすがの俺も気にしちゃいます。
そう。
只今……
落下しています。
ええ。そりゃもう。
すごい勢いで。
状況を簡単に説明するとパラシュート無しにスカイダイビングしている感じ。
スリル満点!
風の中のらんらら~……。なんて歌ってみたりしたけれど地上の星の綺麗さより我が身、このままだと地面との接触はまのがれない。
どうする俺っ?
どうなる俺っ?!
ライフカードをくれ!
なんて思っていても状況はかわらない。
半分パニック、半分冷静。
ピンチだってわかってるのに。
意外と冷静な自分がいる。
それもきっと。
あいつ、が。
なんとかしてくれるって心の片隅で思っているからだろうな。
『じゃ深夜1時に』
走馬灯のように記憶が走るその中であいつの顔がちらついた。
『ー待ってるよ』
あいつはそう言って優雅に笑った。
そう。
すべての始まりはあいつとの出会い。
あいつと出会わなければ
こんなことには……。