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第1話(6)

ぎぃやあああああああああああーーー!


やっちまった! やっちまった!


前回まで、どこから間違っていたのか、ルーティコのモクルがなぜかブラウ表記になってました。


完全なる私のミスです。


今回より、ルーティコはモクル、ファフゥンはブラウとノノルで間違ってないはず……で……す……。


それでは本編をどうぞ。

今なら、攻撃魔法が撃てるかもしれない、そんな気持ちになったので、目の前のこの男にぶっぱなしてみようか。


「ぶへっくしょおおおい! っくぅかー! べらぼーめ!」


んっ?


「いやー、才能に満ち満ちているのも考えものだね。きっと僕の才能に嫉妬している者が僕の噂をしているようだ」


ビバ☆MA・E・MU・KI!


この男には敵う気がしない……色んな意味で……。


それにしてもミィウたち遅いな、何してるんだろう。


「ディールさん、知り合いがギルドに報告に行ったまま戻って来ないんですが、魔法で遠視とかできますか?」


「僕の知っている相手ならね。そうじゃなければ、何かその相手の持ち物か何かあれば視れないこともない」


持ち物か……。持ってないな。そうと知ってれば何か預かっておいたのに。


『んむむー! むむー!』


んっ?


ノノルが戻って来た。


『んむ! んむんむ!』


大きな、いや、ノノルの口には大きすぎるんじゃないか? という木の実をくわえて戻って来た。


「ノノル……! かわいいけど何言ってるかわからないから、その木の実を1回置いて話してくれないか?」


ぶんぶんと首を縦に振ってから、ノノルは木の実を地面に置いた。


『ごちゅじたまごちゅじたま! ごはんとてきまちた! どぞ! どぞ!』


しっぽがふっさふっさと左右に振られる。


か、かわいい……!


もっさもっさ撫で回したい!


「ノノル……!」


はっ……! いかんいかん、遠くへ行きそうだった。


「ノノル、おなかすいてるんだろう? 食べていいんだよ」


『でも……』


「俺はまだおなかすいてないんだ。だからノノルが食べていいんだよ?」


『はーい!』


ノノルは元気よく返事をすると、木の実にかぷかぷとかぶりつき始めた。食べてる姿もちょうラブリー。


「知り合いというのは、あのファフゥンに乗っている女性のことかな?」


ディールに言われて顔を上げると、ブラウに乗ったミィウが猛スピードでこちらへ向かって来るところだった。


あっという間に俺たちのところまでたどりつく。


木の実を食べている途中だったノノル、俺のそばに居たモクルも、ミィウのほうを向いていた。


ディールはあまり興味なさげに杖をいじっている。


「おっまたせー! ギルドに報告したから、そのうち来ると思うわ。そろそろお昼にしましょうよ」


見れば、大きな袋を抱えている。


道ばたに腰を下ろし、袋の中から次々と食料を取り出した。


「どのくらい食べるかわかんないから、たくさん持ってきたわよ。じゃんじゃん食べてね」


えっ……?


いやなにそれここで食べんの?


お食事向きとは言えない光景が広がっているわけだけども。


「僕もおなかがすいたなあー。いっぱいあるならもらいたいなあー」


ディール……。


「あんた誰?」


ミィウ、直球なんだね……。


「名を聞くのもおそれおおいほどのとにかくすごい大魔術師のディールだ。ディール様と呼んでもよいのだぞ」


「ディール、ね。私はミィウ。魔獣使い。ねえ、私たちのパーティに入らない?」


「むむっ。この燦々と溢れんばかりの輝きを纏う大魔術師をパーティに誘うとは見る目があるな。その目に免じて僕をパーティに入れることを許可しよう」


その目ってどの目だよ。でもまあ、言語変換の魔法は便利だからなぁ……。ノノルと話せるのはデカイ。


「ウォルンもそれでいい?」


「かまわないよ」


「じゃあ、決まりね。そうと決まれば腹ごしらえよ」


やっぱりここで食べるんですね……。


ミィウが持ってきた食料を、横を見ないようにしながら口に運んだ。


男の子だもん。このぐらい、平気よ……!


結局、ミィウが持ってきた食料を食べきることはできなかった。


ミィウもそうだが、ブラウとモクルもすごい量食べたんだ、ディールもなかなかに食べるほう。俺もなんだかんだいってけっこう食べた。ノノルは明らかに戦力外だったけど。


ミィウが持ってきすぎていただけのこと。


保存がきく食料ばかりだったのは余るのを前提にしてたんだろうな。


俺たちはおなかいっぱいになって、各々思いのままに休んでいた。


遠くのほうから、馬車が数台やってきた。


「ギルドの馬車ね。ギーギルの回収に来たのよ。これだけの数倒したんだから、ウォルンもランクが上がるわよ。良かったわね」


そうか!


万年Fランクの俺がランクアップ……!


夢のようだ……。


「でもなんだか申し訳ないな。俺は1匹も倒してないのに」


「何言ってるのよ。ずいぶんと助かったわよ」


「どういうことだ?」


ディールが首を傾げる。


「ディールが大魔術師なら、ウォルンは大回復術師なのよ」


「そうだったのか。僕は回復系は苦手だからね。回復魔法を使えるなら心強い。まあ僕は怪我なんてめったにしないけどね」


ディール、ただの変な奴だと思ってたけど、ちょっといい奴なんだな。

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