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都市伝説は、本物だった。  作者: 日向神 命
第1章 テケテケノキョウフ
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ジョショウ ~テケテケノキョウフ~

この作品は残酷な描写が多々あります。耐性の無い方はご遠慮ください。

「…ッハァ……ハァッ……ハァッ……」

 クソッ…………。何であんなのがこの世にいるんだよっ……。

 今、走る俺達を追いかける何かがいる。そいつは、人間の上半身だけの怪物。手を使い、ものすごいスピードで走ってくる。

「……おいゆう……!何だよあいつはッ……」

 俺の右隣を走るけいが、息を切らしながら尋ねてくる。

「……俺に、訊くな……よっ……」

 ペチャペチャというとても不快な音を立てながら、追いかけてくる。

 奴の名は「テケテケ」。都市伝説とかでよく聞く、あいつだ。

「やばい!!もう、すぐそこ……ッ!!」

 慧が叫んだときにはもう、テケテケは俺たちの前にいた。

 一呼吸遅れて、俺の右側に熱くドロドロした液体が降り注ぐ。反射的に触れる。

 街灯にてらされて、俺の手にベチョリとついた赤い液体が光った。

 それが慧の血だと気付くのに、さほど時間はかからなかった。

 右側を見ると、腰からうえがない、人の下半身があった。血は延々と噴き出し続けている。

 すぐ後ろには上半身が落ちていた。血溜まりの中のそれは、もう動かぬ肉塊と化していた。

 恐怖に歪んだまま動かない慧の顔が、彼の死を物語っていた。

 吐き気がこみ上げてくる。口を手で覆うと、不思議と吐き気は治まった。

 前を見るともう、テケテケの姿は無かった。

 俺はその場で膝をつき、呆然としていた。

 とどまること無く噴き出す血が、俺を赤く染め上げる。

 

 8月3日、俺の親友が死んだ。

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