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9:高原まであと一歩

「またなの!?」

 部落を出て3度目のエンカウント。豚化物がまた襲って来た。1匹の力は強く無くても、数で攻められると苦戦を強いられる。連続して魔道を発動させているので、わたしの疲労もだいぶたまってしまった。ルカスとキッポに少し任せて、わたしは守ってもらいながら魔道を発動させることにした。

「凍りなさい!」

 10匹はいるであろうスポットに、『氷化(アイシング)』を発動させた。暑い南の大陸。だったらそれを逆手に取って、考えられないくらいの寒さを体験させてやろうと考えたのだ。『思念体(エナジーボルト)』やわたしが使える弱いレベルの黒魔道よりも、効き目があるに違いない。

『ピギイイィッ』

 大当たり! 凍って粉々に砕け散った仲間の姿を見て、我先にと逃げ去って行く。氷系の魔道は、今までの冒険で多数使っていたから、わたしにも自信があった。大成功じゃないの! 魔道の額冠はリミッターカットされていないけど、経験や魔道書で覚えたものがわたしに自信をさらにもたらした。

「リムノ、大活躍だね」

 キッポが言ってくれた。わたしもそう思う。

「驚いてる。わたしも魔道の額冠無しに、ここまで魔道を操れることに。でも……。高原は大丈夫なのかしら?」

「この分だと、急いだ方がいいな。今までで3回目だ。高原がどうなっているのか、オレも気にかかる」

 ルカスが言うのももっともだ。こんなに異形生物と戦うなんて、プラチノの港に着いた時には思ってもいなかったから。静けさを取り戻した森の中。わたしたちは高原を目指して、急ぐことにした。

 山道が険しくなって来る。わたしは革袋から水を一口飲むと、ルカスとキッポに遅れないように、頑張って歩いた。じっとりと汗ばんで来る湿気。でも、森に入った時ほどじゃ無い。少しずつだけど、空気は乾いたものになっていた。高原が近いのね。もう一踏ん張りして、ルカスの言う師匠の安否を確かめなくっちゃ。


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