表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/26

18:師匠のことば

 焼け焦げた高原が、痛々しかった。さすがにもう、煙は立っていなかったけど。師匠は先に立って、お住まいだった場所へ歩みを進める。わたしたちもそれにならった。

「察知して難を逃れた。ルカス。ティアリアが何かを企んでおる」

 ――やっぱり。ティアリアさんだったんだ。

「ティアリアでしたか」

 ルカスがつぶやいた。痛みを感じている表情で。

「少し話す。ルカスにもティアリアにも、魔道と剣技を交えた奥義は授けていないが、ティアリアはそれを狙っておるようじゃ。おそらくは。わしを無傷のまま捕まえて、探り出す腹じゃろう。この魔道は、その前哨戦。力を見せつけるつもりであろうよ。わしから首を垂れるようにと、な」

 力を見せつける、か。確かに普通だったら。これほどの力があると分かったら、無条件で降参するだろう。でも。

「師匠。ティアリアはどこにいるか、お分かりになりますか?」

 ルカスの問いかけに、

「この近く。波動を消しておるので、正確には分からんが。高原のそばにおる。それは間違い無い」

「――キッポ。分かるか?」

 ルカスはキッポに訊いた。

「ごめん。ボクにも分からない。『アルプラチノ』に訊いてみる」

 ポケットから宝珠を出して、

「――場所までは分からないって。ただ、『気を付けて』って言ってる。森が焼かれて哀しい、痛いって言ってるよ」

 守のものすら分からないのね。そんな力を持っているティアリアさん。思わず震えが走った。そこまでして、師匠とルカスに対したいのかしら。

「わしは、この程度なら屈することは無い。どうしてもわしと接したければ、裏で魔道など使わず、正面から来い」

 威圧感のこもったことば。重たい静寂が満ちる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ