表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/26

11:「剣の古強者」

 聖堂に集まったフォクスリングたちが、大きく息を吐いた。

 ムリも無いわね。異形生物に襲われることはあっても、高原に火を付けられるとは、誰しも予想出来なかったことだろうから。わたしたちの知らせは、そこまでショッキングなことだったんだもの。

「老師。アルプラチノ高原には、一体何があったのですか?」

 キッポが静寂を破った。老師はやっとのことと言う感じで、

「森林と『光る一本樹』。その周囲に小さな集落がありました。そこにルカス様の師匠も暮らしていらっしゃったのでしょう。他には何も無く、静かな高原でした」

そう返事をくれた。でも、何か理由が無ければ、火の手が起こるはずは無いわ。そんなわたしのココロを読んだように、ルカスが、

「リムノ。キッポも、皆様も。師匠は『剣の古強者』の称号を持つ、偉大な人物です。アルプラチノ高原にいらっしゃることは、知る者のみ知っている、秘匿情報でした。それを快く思わない人物もいたと思います。もしかしたら、今回の件はそのことが原因かもしれません。飽くまで想像の域を出ませんが……」

 どよめきが広がる。老師も初めて知ったようだ。

「『剣の古強者』の存在は知っておりましたが。――そうですか。高原に」

「はい」

 沈黙が訪れた。しばしのち老師が、

「まずは。消火を確認して、高原の様子を調べましょう。避難出来ていれば良いのですが、こればかりは行ってみないと分かりませんね。この部落のドルイドと共に、向かって頂けますか?」

「是非」

 ルカスがわたしとキッポを見た。2人でうなずく。ここまで来たら、徹底的に調査してルカスの師匠の無事を確かめたい。もちろん、山火事が起こる前に、高原にいてくれていることが第一条件だけど。でも、ルカスの予想を信じたいわ。察知して避難してくれていると言うことを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ